松木です。

 

第一弾「Mt.富士ヒルで最速のホイール組み合わせは?」など
第二弾「回転部とそれ以外の軽量化の違い」「10万のカーボンクリンチャー」
第四弾「ヒルクライムのドラフティング効果」「2:1組」「ポジションの出し方」
第五弾「軽量高剛性ホイール」「軽量化の質」「ビッグプーリー」「継続力」
第六弾「楕円ギア」「高剛性フレーム」「ホイールバランス」「パワメの必要性」
第七弾「ブレーキ音鳴り解消」「ディスクかリムか」「オススメのチューブ」
第八弾「強豪が何故クリンチャー?」「プロのホイールバランス」「エンドワッシャー」

 

「ご相談・お問い合わせページ」に寄せられたご相談の中から
皆さんの役に立ちそうなものをピックアップしてお届けするQ&A第三弾です(^^)
(※読みやすいように一部加筆・省略・修正してます)

 

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【ホイール】40mmハイト VS 50mmハイト

【プロバイク機材レポート】2017年ツアー・オブ・ジャパンVol.3 キナンサイクリングチーム ホイール タイヤ

Q.来年、トライアスロンの出場を考えており、
ディープリムのホイールを使って練習をしようと思っています。

 

そこで、お聞きしたいのですが、知人は
「50mmハイトは、50km巡航できないと使いこなせないので、40mmハイトがオススメ」
と言っていました。

 

私自身は10秒くらいであれば50kmを維持できますが、40kmの巡航が限界です。

松木さんのご意見を聞かせて下さい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

A. 「40mm、50mm、どちらのハイトが良いと思うか」というご質問ですね。

ちなみに自分は、4年ほど35mmを愛用した後、
現在に至るまでの3年以上は50mmです。

 

「50mmハイトは、50km巡航できないと使いこなせない」

 

まず、この知人の方の意見についてですが、

世界トップクラスのプロ選手であっても
ロードバイクでの50km巡航は難しいですから、少々極端かなと……

 

自分は40km/h強で巡航できる程度の脚力なのですが、
50mmのメリットを享受していると感じますし、

少し前の記事においても
「低速であってもディープリムのタイム短縮効果はある」
という結論を出しています。

 

 松木です。  「エアロフレームやディープリムは速い人にこそ効果がある」 「空気抵抗」は、「速度」の二乗に比例しますから、30km/hと40km/hでは「空気抵抗」は大きく異なります。 実際に走ってみても、30km/hではそこまで強く「空気抵抗」を感じませんが、40km/hだと押し戻されるかのように強い「空気抵抗」を感じます。 ですから、「速く走れないならエアロは気にする必要はない」というように言われたりもします。  果たして本当にそうなのでしょうか?  この疑問に対してCerve...

 

【ホイール】40mmハイト or 50mmハイト

また、近年の50mmホイールは
「リムの軽量化」「ワイドリム化による剛性強化」
「ミリ単位での最適な形状の追求」が進められた結果、

 

  • 坂で引きずる感覚がある
  • 「加速性」があまり良くない
  • 横風に煽られやすい

 

このようなデメリットは、随分と感じにくくなっていますね。

 

1年ほど前、ヒルクライム決戦用として
『Ksyrium Pro Carbon SL TU』(1211g)を導入してみたものの、

その際にやはり「『Aeolus 5 D3 TLR』でも十分登れる」ということを再認識し、
以降、ヒルクライムレースでも『Aeolus 5 D3 TLR』しか使用していません。

 

【ホイール】40mmハイト or 50mmハイト

これらの経験を踏まえた結論として、

「50mmよりも40mmのほうが万能で、欠点が少ないのは間違いない。
ただ、平地巡航を重視するなら50mm。
懸念される”坂”も問題無いレベルでこなせる上、”扱いづらさ”もほとんど感じない。」

 

35~40mmの軽快なフィーリングもかなり好きなのですが、
それ以上に50mmの「見た目」「疾走感」「剛性感」が気に入っています。

【練習】ローラー台でフロントを上げる意味

【練習】ローラー台でフロントホイールを上げる意味

Q.現在、ミノウラ『FG540』を使用しておりますが、
グロータック『GT-Roller Flex3』に興味が沸いてます。

 

私はヒルクライムレースの成績を上げる目的でローラーを使ってますが、
『FG540』はフロントを高くできるため
「ヒルクライムの練習に向いているのでは?」と思ってます。

ですが、『GT-Roller Flex3』は、フロントを上げることが出来ません……

 

そこで質問なのですが、
ヒルクライムのためのローラー練において
フロントを上がることは、どの程度意味があるのでしょうか?

 

アドバイスを頂けたら大変ありがたく思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

A.「ヒルクライム対策として、ローラーでフロントを上げるべきか」というご質問ですね。

自分の結論から申し上げますと、
「上げなくてもそこまで影響は無い」です。

 

【練習】ローラー台でフロントを上げる意味

坂を上る際、平地のポジションに近づけるように
勾配に合わせてサドルの座る位置が移動します。

具体的には、勾配がキツイ程前乗りになります。

 

そのため、”平地”と”坂”において動員される脚の筋肉はそこまで変わりなく、
ローラー台でフロントを上げる意味は、そこまで大きくはないという風に考えます。

 

 見上げると1km先にはゴール地点の駐車場。そして、60~70m先にはトップの選手。 「クソッ!!どうやったら追いつけるんだ??」 ”脚”と”距離”。ともに残り僅か………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 松木です。昨日「伊吹山ドライブウェイヒルクライム」に参加してきました。 朝の天気が芳しくなく、山頂付近は強風という事もあり、前日、安全を優先した運営側がコース短縮を発表。 距離15km→10.7km、獲得1035m→700mのショートコースで開催されました。 上の写真...

 

また、4月の「伊吹山ヒルクライム」。

これに向けての練習はローラーばかりだったのですが、
先ほどの考えに基づき、フロントを上げていません。

 

それでも、レースにおいて特に問題はありませんでした。

 

 

以上から
効率を突き詰めれば「ローラー台で前輪を上げる」という対策も”あり”なのでしょうけど、
「フロントを上げられる機能が付いているなら上げてもいい」程度の意識しか持っていません。

 

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【機材】「Di2」or「ワイヤー式」?どこまで上を見るのか…

【機材】Di2か?ワイヤー式か?

Q.あるフレームを予約したのですが、どのコンポで組もうか迷っています。

 

当初は、油圧Di2アルテで組むつもりだったのですが、
予算の関係上、油圧ワイヤー式アルテでもいいのではないかと思い始めました。

 

「上をみたら切りが無いしなぁ……」と思い、お聞きしてみようと思いました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

A.コンポーネントの選択で悩んでいるようですが、
やはりオススメは「Di2」です。

 

ワイヤー式で組む場合、
ワイヤー内蔵フレームですと、どうしても引きは重くなりがちです。

それに、Di2の変速の「正確さ」「メンテナンス性」は大きなメリットです。

 

【機材】Di2か?ワイヤー式か?

とは言え、ファビアン・カンチェラーラ(引退)のように
「変速を機械任せにするのは嫌だ」という理由で
ワイヤー式を選択しているプロ選手もいますし、

Di2に未練が無いならば、ワイヤー式でも一向に構わないでしょう。

 

 

>「上をみたら切りが無いしなぁ……」と思い、

全くその通りですね(^^)

 

最上位グレードのロードパーツの中には、
性能と見合わない程に高額なものも多いですから、

湧き上がってくる購買欲、所有欲を抑えつつ、
「どこで区切るべきか」を冷静に考える姿勢は大切だと思いますね。

 

それに、一度ハイグレードのパーツを買ってしまうと、
心理的にグレードを下げづらくなり、以降も散在する一方になりがち……
(自分は、パーツによってはミドルグレードに留めておくよう意識してます)

 

【機材】「Di2」or「ワイヤー式」どこまで上を見るべきなのか?

趣味のロードバイクにばかりお金を使うのは賢明じゃありませんし、
何よりグレードの良いパーツでなくても、大抵の場合は十分楽しめます。

 

そういう意味で、パーツ選びの際は、自己満足で終わらない
「良いバランスを見極める線引き」が、肝心なのではないでしょうか?

【機材】Cervelo『S5』について

Q.松木さんは『S5』でヒルクライムをしているようですが、

一般的に「エアロロードは山を登りにくい」と言われている通り
「『S5』はそれに当たらないのか?」と気になります……

 

また『S5』の良い所悪い所など、詳細な感想を教えて頂ければと思います。

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【使用機材】伊吹山ヒルクライムで準優勝できた『Cervelo S5』7.1kg インプレ 軽量化

A. 『S5』で坂を登りにくいと感じたことはありません。

 

初めて『S5』に乗った際の第一印象は、
意外にも「巡航性」ではなくて「おっ、坂も普通に進むぞ!」でした。

 

「ヒルクライムでもエアロロード」というのは、
自らの”スタイル”という精神的な面があるのも事実ですが(笑)、

もし、主戦場に据えるヒルクライムにおいて遅いと感じているのであれば、
計5年以上『S5』に乗ってなどなく、すぐに軽量フレームに乗り換えています。

 

『Emonda』や『785 Huez RS』などに通ずる 坂における”強烈な軽快感”

さすがに『Emonda SLR』や『785 Huez RS』などの
ヒルクライム特化型バイク通ずる”強烈な軽快感”はありません……

 

ですが、『S5』にもレースで勝てるだけの登坂性能は備わっていて、
軽量バイクとの差は「脚力で補える程度のもの」だと感じています。
(ツールの山岳ステージで、ステージ優勝している実績もありますし)

 

【『S5』の良い所】

【機材】Cervelo『S5』について

  • 平地の滑走感が強く、パワーセーブができて楽。感覚としては『Madone 9』にも匹敵。
  • 専用パーツが少なく、エアロロードの中では、メンテナンス性は相当高い。
  • エアロロードの中では坂も強く、ヒルクライムレースでも問題無く使える。
  • ハンドリングや挙動に癖がなくて、違和感なく乗りやすい。
  • 「剛性」は5段階で言えば4.2。”高すぎ”とまでは感じないものの”高め”。「横剛性」も十分あって「加速性」も問題なし。
  • 参考までに、2015年モデルの54サイズのフレーム単体の実測重量は1065g

 

【『S5』の悪い所】

【機材】Cervelo『S5』について

  • シートポストの固定力がイマイチで、定期的にチェックする必要がある。
  • サドル角度が0.5~1度刻みでしか調整できない(2017年以降は無段階に改善)。
  • TIMEやLOOKに感じるような”官能的な乗り味”は無い。この点「味気無い」と感じてしまう人もいる。
  • 「乗り心地」は、悪くはないものの、決して良いとも言えない。25mmタイヤがオススメ。

 

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