松木です。
イギリスの大手チェーンオイルメーカーMuc-Off(マックオフ)が、
特殊コーティング済みDURA-ACEチェーン
「Nanotube Chain(NTC)」を発売しました。
- 2016、2017年ツール優勝、2017年ブエルタ優勝
- ウィギンスの54.526kmアワーレコード達成
- リオオリンピックで金6、銀4、銅2、計12個のメダルを獲得
2014年よりTeam SKYとの共同開発が始まり、
上記のような輝かしい実績を引っ提げて発売された
チェーン&潤滑剤『Nanotube Chain』の中身に迫りたいと思います。
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Muc-Off『ナノチューブチェーン(NTC)』とは
こちらが『ナノチューブチェーン』の製造過程の動画です。
①超音波洗浄 ⇒ ②乾燥 ⇒ ③ナノチューブをコーティング
まずは、DURA-ACEチェーンに元々塗布されているオイルを落とすため、
独自の生分解性クリーナーを使って超音波洗浄します。
その後、水洗いして乾燥。
そして、Vittoriaタイヤなどにも見られるグラフェン技術に基づく
最先端の「ナノチューブ」が入った溶液に漬け込んでコーティングします。
「ナノチューブ」は、
髪の毛の1/1000と非常に微小なもので、
写真のように六角形の網目の円柱構造をしています。
これを、チェーンの隙間に無数に入り込ませていきます。
『ナノチューブチェーン』の潤滑性能
Muc-Offは、『ナノチューブチェーン』が
世界トップクラスの低摩擦だと主張していますが、
それ以上に「性能の持続力」に自信があるようです。
『ナノチューブチェーン』と同じく
特殊コーティングが施されたセラミックスピードの「UFOチェーン」を引き合いに出し、
250wの負荷で駆動させ続ける比較実験を実施。
「UFOチェーン」は、わずか18分後には性能が落ち始めるものの、
逆に『ナノチューブチェーン』のほうは、
「ナノチューブ」が馴染むことによって
時間とともに摩擦抵抗は小さくなっていきます。
4時間後、『ナノチューブチェーン』は最適な状態となり、
その時の「UFOチェーン」との摩擦抵抗の差は、なんと10.6wに!
これを180.2km(6時間25分)走行で計算した場合、
4.8km(10分)以上先行できる計算になるそうです。
これが本当だとしたら、驚異的ですね‥‥
性能を持続させる『ナノチューブチェーンLUBE』
『ナノチューブチェーンLUBE』も発売されます。
これを400km毎に『ナノチューブチェーン』に差せば、
元の+1~2wの状態まで回復させることができます。
(「ナノチューブ」は雨に強いものの、雨天走行後にも差したほうが良い)
Muc-Offは、このルブを
「『ナノチューブチェーン』のメンテナンス用」と位置付けていますが、
普通のチェーンに使ってもいいそうです。
12年間に及ぶ研究の集大成
Muc-Offが初めてチェーンオイルを発売した2005年から12年。
その集大成と言えるのが「ナノチューブチェーン(NTC)」です。
『ナノチューブチェーン』が$150≒¥17,000、
『ナノチューブチェーンLUBE』が$65≒¥7,350(50ml、約8回分)と安くないものの、
ライバルに差をつけるには、良いチューンナップになるでしょう。
すでに販売は始まっており、
Muc-Off本国サイトやr2-bikeといった小さめの海外通販サイトから購入できますが、
Wiggleなど、もう少し手軽に利用できる購入先が出るまで待ったほうが良さそうです。
Vipro’s『Blue-no』に始まり、
先日紹介したセラミックスピード『UFO Drip Chain Coating』もそろそろ発売されますし、
今年は気になるチェーンオイルがたくさん出てきますね(^^)
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