松木です。
Ver1,2で、タイヤの「転がり抵抗」に関して
かなり深い所まで掘り下げて考えてきました↓
ただ、性能の優れたタイヤとチューブを揃え、
さらに「転がり抵抗」の知識を身に付けたところで、
最後、空気圧設定を誤ってしまえば、すべてが台無しです……
そこで最終回となるVer3では、
「タイヤに何気圧入れるべきなのか?」
「Myベスト空気圧を見つける手っ取り早い方法」
この2点を考えていこうと思います。
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目次
タイヤに何気圧入れるべきなのか?
かなり前になりますが、
「空気圧設定」に関しては既に話しています↓
まとめると、”7bar”を基準として、
「体重」「タイヤの太さ」「タイヤの前後」
「コースの特徴」「路面状況」「乗り手の好み」
「タイヤ/チューブの種類」「フレーム/ホイールとの相性」
これらの要因によって上げ下げすべき、という話でした。
この考え方は、今も変わってはいませんから、
改めて繰り返したりはせず、上の記事に任せることにします。
今回の本題は次です。
Myベスト空気圧を見つけられる手順
「色んな空気圧を試してみればいい」
これは正論ではあるのですが、あまりに味気無い……
もう少しスマートで、賢い方法は無いものでしょうか?
【第一段階】My Mavicを利用する
Mavicは、ホイールを主力とするメーカーだけあって
タイヤに関しても、様々なテストを実施しています。
(もちろん「インピーダンス」という概念も把握済み)
Mavicが蓄積している、その膨大なデータを
一般向けに落とし込んだアプリが存在します。
それが「My Mavic」。
誰でも無料で利用可能です。
では、実際に使ってみましょうか。
アプリを開いた1ページ目の「タイヤ空気圧を計算」をタップすると、
”8つの条件”を選択する画面「MYタイヤ空気圧」へと移ります。
【目標】
「パフォーマンス(=速さ重視)」
「バーサタイル(=万能、つまりパフォーマンスとコンフォートの中間)」
「コンフォート(=乗り心地重視)」
【チューブタイプ】
「チューブタイプ」
「チューブラー」
「チューブレス」
【ウェザー】
「ドライ」
「ウェット」
「ミックス」
【リム幅】
700×13c、15c、17c、19c、21c、22c以上
(〇〇cの数字は「リム内幅」)
【タイヤ幅】
23mm、25mm、28mm、30mm、32mm、35mm、40mm
(ただし、リム幅が17c以下だと、23mmは選べない)
【ブレーキタイプ】(「チューブレス」を選択した場合のみ表示)
リム、ディスク
「ワイドリム(19c)のクリンチャーホイールに
25mmタイヤを装着した」と想定し、上の赤文字を選択。
そして、【体重】65kg、【自転車重量】7.5kg
と仮定して、一番下「計算」をタップすれば、
「推奨されるタイヤ空気圧」が算出されます。
ほとんどの人にとって予想より低い空気圧のはずで、
普段いかに空気を入れ過ぎているかが分かる結果ですね……
(Ver2の「高すぎよりも低すぎの方がマシ」という見解とも合致)
これを「チューブラー」に変更するだけで、
フロント7.6bar、リア7.8barまで跳ね上がったりして、
条件を変えて試してみると、興味深い発見がありますね(^^)
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【第二段階】タイヤに求める性能を列挙して点数を付ける
「My Mavic」のおかげで理想の空気圧に近づいたものの、
「タイヤ/チューブの種類」
「フレーム/ホイールとの相性」
「(走りの自信につながる)乗り手の好み」
これらの要素が考慮されていない以上、
もう少し詰めていく必要があるでしょう。
そこで、サイスポ9月号に掲載されていた手法が使えます。
およそタイヤに求められる5つの性能
「加速性」「巡航性」「快適性」「登坂性」「グリップ力」
各パラメーターごとに点数を付けていくという方法。
この例だと「5~8barの0.5bar刻み」の広範囲に調べていますが、
「My Mavic」で当たりの目星が付いているため、範囲を狭めてもOK。
「-0.4、-0.2、±0bar(My Mavicの結果)、+0.2、+0.4、+0.6」
この6パターンでテストすれば十分でしょう。
更に、前後タイヤ別に評価すれば尚良しですね。
ちなみに、空気圧測定にはデジタルゲージが便利です↓
多少手間は掛かりますが、この過程を経ずして
”Myベスト空気圧”に辿り着くことは極めて困難です。
【第三段階】レースコースを試走して最終調整
空気圧設定の最終段階は「試走による微調整」。
「路面が荒れていてバイクが暴れるから、空気圧を下げよう」
「スリップしそうなコーナーが多いから、空気圧を下げよう」
「急勾配が続くヒルクライムだから、リアの空気圧を上げよう」
試走してみないと得られない情報はたくさんあるため、
レースコースを実際に走りながら最適な空気圧を考えていきます。
【第二段階】を踏み、空気圧ごとのタイヤ性能の変化を把握していれば、
「空気圧をどれだけ上げ下げすればいいか」も、おおよそ見当が付くはず。
以上、「Myベスト空気圧」を探る手順を
第一~三段階に分けて紹介してきましたが、
空気圧設定にここまで力を入れている人は、
おそらく全体の1%程度ではないでしょうか?
「転がり抵抗」を最小限に抑え込み、
自信を持ってコーナーを素早く、安全にクリアして、
脚力が拮抗するライバル達に差を付ける。
「たかがタイヤのエアに大袈裟な…」
そう思われるかもしれませんが、路面と唯一接しているのが”タイヤ”。
その「空気圧」に真摯に取り組んでいけば、
上記の内容もあながち不可能ではありません。
少なくとも強い選手ほど、その事を十分理解しているでしょう。
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