松木です。
ツール・ド・フランスが終わりました。
1位フルーム、2位ウラン、3位バルデ。
特に印象的だったのが、3位バルデの走りでした。
26歳、185cm、65kgの若きクライマーは、
第12ステージ、最後の坂道で爆発力のある走りを魅せ、
フルームから22秒を奪い取って優勝しました。
そして、不調に苦しんだ第20ステージのTTでは、
歯を食いしばりながらペダルを踏み続け、
辛くもたった1秒差で、総合3位の座を守り抜きました。
2017年ツール・ド・フランス第20ステージテキストライブ速報。今宵マイヨジョーヌが決する。
バルデは、2016年のツールでも総合2位。
つまり、フルームがいなければ優勝していたことになります。
そんな、フランスが誇る天才は、
どんな機材でツールを戦っていたのでしょうか?
スポンサーリンク
2017年ツール・ド・フランス3位の機材
フレーム:Factor「O2」
メインコンポ:DURA-ACE R9150(172.5mm、53/39T、11-28T)
クランク:SRM社のカーボンクランクアーム+9000チェーンリング
BB/プーリー/ヘッドベアリング:Ceramic Speed
ペダル:LOOK Keo Blade Carbon Ti
ホイール:Mavic「Comete Pro Carbon SL T」
タイヤ:Continental「Competition ProLTD 25mm」
ハンドル、ステム、シートポスト:Black Inc
サドル:Fi’zi:k「Arione 00」
パワーメーター:SRM「PC-8」
バーテープ:Fi’zi:k
ボトルケージ:Elite「Vico Carbon」
フレームは「FACTOR(ファクター)」。
創業10年ながら、
本格的な開発・量産体制になったのは2014年ですから、
超振興のイギリスブランドです。
スポーツロードバイクを出しているイギリスメーカーは珍しくて、
他に「Axman(アックスマン)」や「Bordman(ボードマン)」ぐらいしかありません。
「FACTOR」には、ダウンチューブ双胴の「ONE」という
エアロロードバイクもあるんですが、
バルデが乗っていたのは『O2』という
フレーム重量わずか740gの軽量オールラウンドモデルです。
(『S-WORKS TARMAC SL6』は733g、『LOOK 785 HUES RS』が730g)
山はもちろん、石畳といった悪路を走破できる「振動吸収性」や、
ロングライドに向いた「快適性」「安定感」もバランス良く兼ね備えており、
シチュエーションに応じて性能を発揮する”カメレオン”のようなフレームです。
ちなみに、
上の写真の状態+セラミックスピード製BB付属で、58万円という‥‥
こちらは駆動部分。
ツアー・オブ・ジャパンで見た、バーレーン・メリダの車体と同じで、
LOOKと共同開発したSRM社のカーボンクランクアームです。
DURA-ACEのクランクアーム片側が170gに対して
このSRMカーボンクランクアームはわずか127g。
クランク全体(クランクアーム/スピンドル+チェーンリング+SRM)で考えると、
通常のデュラエースSRMが750g以上あるのに対して、
『O2』に取り付けられているものは600g弱しかなく、160gほども軽いです。
続いて、リアディレイラーを見てみると、
プーリーは、純正からCeramic Speed製に交換されています。
ちなみに、このカスタムによって
出力は0.35w抑えられることが分かっています。
上下プーリーで26,000円とコスパは悪く、
それだったら、ビッグプーリーを導入するほうが得策だと思いますね(^^)
ビックプーリー頂上決戦。大手7社20種類を徹底比較してみた。
スポンサーリンク
ホイールは、Mavic「コメットプロカーボンSL」。
現時点では国内ラインナップには無いチューブラーモデルで
64mmハイト、1490gというスペック。
タイヤは、コンチネンタル「コンペティション」のプロ限定仕様。
市販のものとは、
- グリップ力の高いコンパウンド(ゴム素材)
- 中央のトレッドパターン(タイヤの模様)がスリック
- ブチルではなくラテックスチューブ
などといった違いがありますが、
バルデの車体に取り付けられていたのは、
中央がスリックパターンではありません。
プロ限定モデルにも、何種類かあるようです。
ハンドル、ステム、シートポストは
デンマークメーカーの「Black Inc(ブラックインク)」。
カーボンホイールを作るメーカーですが、
パーツも開発中ということなのでしょうか?
ボトルケージは、ELITEの「VICO(ヴィコ)」。
似たモデルに、上の「Custom Race Plus」がありますが、
こちらは赤丸部分が分かれており、
そこをゴム素材でつなぐことで、
ボトルのサイズに合わせて、多少横に開く仕組みになっています。
対して「VICO」は、ゴム素材など使わずに、
プラスチックが完全につながっており、
「ボトルの固定力」と「軽さ(23g)」に特化させたモデルです。
ツールでは、荒れた道を高速で走ることもありますから、
ボトルを確実に保持できることを重視したんでしょう。
スポンサーリンク