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松木です。

 

ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ 乗車インプレッション

今、最も注目度の高い車体の一つ、GIANT新型『PROPEL DISC』。

 

コンセプトは、

”剛性(=パワー伝達性)、コントロール性を一切犠牲にしない究極のエアロ”

 

「開発の裏側」や「投入されている技術」に関しては
シクロワイアードが十分に書いてくれています。

“生まれ故郷”マニクールでデビュー 究極のスピードを目指した第2世代PROPEL DISC - GIANT New PROPEL DISC Vol.1
初代の登場から早4年、トップスプリンターによって幾多の勝ち星を挙げてきたジャイアントのエアロロード、PROPELがモデルチェンジ。フランスはマニクール・サーキットで...

 

そこで、『PROPEL DISC』の気になる、知りたい部分だけ
なるべく数字を交えた科学的な面
「乗ってみてどうか?」という実使用の面から探ってみようと思います。

 

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「カムテール」形状のフレーム

旧型プロペルには「流線型」の部分もありましたが、

 

ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ カムテール形状
ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ カムテール形状

新型『プロペルディスク』は、フレーム全体が、
流線型の後ろを切り落とした「カムテール」形状。

 

正面からの空気抵抗だけを考えるならば、
流線型の薄っぺらいフレームがベストですが、

 

  • プロの要望を応える「剛性」
  • 操作性に影響する「横風の抜け」
  • UCIルールの6.8kgに近づけるための「軽さ」

 

これらをバランス良く兼ね備えさせるには、
カムテール形状以外にありません。

 

その証拠に、どのメーカーのエアロロードバイクも、
2018年モデルはカムテール形状を採用しています。

細部にまでこだわった圧倒的「空力」

『プロペルディスク』の形状には、
すべてに空力的な意味があります。

 

  • 外側へと膨らんだ弓なりのフォーク形状
  • レバーの無い六角固定のスルーアクスル
  • 前作よりも1cm長いシートクランプ
  • リアホイールとシートステイの付かず離れずといった距離感

 

これらは、すべて「空気抵抗削減」のための工夫です。

 

ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ 風洞実験

他社のエアロロードとの空力比較データが欲しいところですが、
具体的な数字は発表されていないようです。

 

明らかに優位な数値が出ているならば、
あえて発表しない意味はありませんから、
劣ってまではなくとも、トントンぐらいなんだと予想します。

 

ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ 空力データ

ちなみに、こちらが旧型プロペルの空力実験データ。

 

「剛性」は高くはありませんでしたし、
ブレーキも効きの悪い「Vブレーキ」でしたから、
プロチームが「TCR」を使い続けていた理由が分かりますね(^^;

ディスクブレーキの空気抵抗に関する矛盾

ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ カムテール形状 メリット デメリット ディスクブレーキの空気抵抗

新型『プロペル』がディスクブレーキを採用する理由の一つには、
やはり”空気抵抗削減”があります。

 

GIANTいわく、

「ディスクブレーキの部分は
スポークによって空気がかき乱されているため、
空気抵抗に対する影響は小さい」

 

つまり
「キャリパーブレーキの空気抵抗>ディスクブレーキの空気抵抗」
という主張です。

 

 

実は、同じような風洞実験をスペシャライズドも行っていました。

 

「正面からの風に対しては有意な差は無く、
斜めからの風に対してはディスクブレーキのほうが40kmあたり8秒遅くなる
というジャイアントとは逆の結果‥‥

 

ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ 台座

『プロペルディスク』では、
ディスクブレーキ取り付け台座が一体感ある形に作られていますから、
そのことも影響していそうです。

完成車・フレーム実測重量

ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ

ジャイアントが発表している、フレーム各部の実測重量値。

細か過ぎて、どこを見ればいいのかよく分かりませんね‥‥

 

それより「完成車重量がどうなのか?」に注目したほうが早そうです。

 

ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ

正確なスケールによる実測重量は7.33kg(Mサイズ/ペダル無)。

 

軽量オールラウンドフレームなら6.5kg前後、
同じエアロロードでも、比較的軽量なものなら6.8kgほどで組めることを考えると、

『プロペルディスク』は、
重いとまでは言えないまでも、決して軽量ではありません。

世界トップクラスのスプリンターをも満足させる「剛性」

ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ

ジャイアントが発表している、
「フレーム+フォーク」の剛性絶対値。

 

そして、こちらは重量剛性比。

 

世界最高のスプリンターであるキッテルが
グランツール初勝利を挙げたディスクブレーキ搭載バイクが
「Venge ViAS Disc」でした。

世界最強のスプリンターであるマルセル・キッテルは、どんな機材で戦っているのか?

 

『プロペルディスク』の剛性は、それよりも上。

 

ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ BB剛性

BB周りのボリューム感も相当なもので、
プロ選手の脚力を受け止める、十分な「剛性」を持っています。

 

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ディスクブレーキのメリット・デメリット

ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ カムテール形状 メリット デメリット

【メリット】

  • 制動力が高い
  • 雨天時でも制動力が落ちにくい
  • リム形状の自由度が増し、リムの軽量化にもつながる
  • 油圧式であれば、ブレーキの引きが軽い

 

【デメリット】

  • キャリパーブレーキよりも車輪ロックしやすい
  • 重量が100~200g増える
  • メンテナンスの専門性が高くて難しい
  • フォークを頑丈にする必要があり、過剛性になりやすい
  • 規格や種類が複雑で分かりにくく、ホイールの数も限られる

 

 

今月のバイシクルクラブの中で、
キャリパー、ディスクの効きを比較する簡易実験が行われていました。

 

その結果は、

「時速25km/hからの制動距離は、ディスクのほうが1割ほど短い」

 

 

「シナプスディスク」を始め、
ディスクブレーキ仕様の車体には何台か乗ったことがありますが、

どれも制動力は強めに感じましたし、
調整次第ではガツンと効いて、かなり怖かったです。

【2018年モデル】キャノンデール新型『シナプス』遠慮無い乗車インプレッション

 

チームサンウェブ マイケル・マシューズ 160mm スプリンター ディスクブレーキ

先のバイシクルクラブの実験では、
ローターのサイズの違いでも比較していて、
140mmと160mmでは、1~2割の制動距離の差が出ていました。

 

ディスクブレーキを使っているプロ選手もほぼ140mmですし、

もしディスクブレーキの車体に乗るのであれば、
効き過ぎて危ない160mmは避けたほうがいいでしょう。

完成車にアッセンブルされるGIANTホイール「SLR 0 AERO」

ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ SLR0 AERO ホイール  ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ SLR0 AERO ホイール 

税込価格:259,200円
タイプ:チューブレス対応クリンチャー
リム高:フロント42mm(操作性重視)/リア65mm(空力重視)
リム幅:26mm
スポーク本数:フロント21本/リア24本
公表重量:フロント667g/リア848g(前後1515g)

 

リムブレーキ仕様の「SLR 0 AERO」は、前後1452gです。

 

有名ホイールメーカーのトップモデルに比べれば、
多少見劣りしてしまう気がするものの、
”コスパの良い高性能ホイール”といった印象を受けます。

乗車インプレッション

ジャイアント プロペル ディスク 【2018年モデル】GIANT新型『PROPEL DISC』の空力、重量、剛性、ディスクブレーキ 乗車インプレッション

サイスポの編集長中島氏と、
元シクロ&MTBトップライダー鈴木氏。

 

その二人による乗車インプレをまとめると、

 

  • 「良い硬さ」があり、ぺダリングパワーを効率良く推進力に変換できている
  • 踏んだ分だけグングン加速し、高速域に入ると「巡航性」を発揮する
  • 全体性能が高いため、エアロロードながら時速10km台のヒルクライムでも走りが軽い
  • ゼロ発進、急勾配では、65mmのリアホイールに少し重さを感じる
  • チューブレスタイヤのおかげで接地感が強く、安定したコーナリングを実現している

 

どの良さも「高速域」「レーシーな走り方」で享受できるものだと思うので、
「サイクリング志向」「快適性などの乗りやすさ重視」の人には向かなさそうです(^^;

 

逆に、レース志向の人であれば、

「剛性とスピードが必要なスプリント」
「高い巡航性を発揮して、脚を温存できるロードレース」
「全体性能の高さが、重さのデメリットを上回るヒルクライム」

ほとんどのニーズを満たしてくれるのではないでしょうか?

 

WH-R9170-C40-TL

「SLR 0 AERO」の他に、”加速力の高い”ディスクホイール、
例えば「WH-R9170-C40-TL」なんかを用意しておき、
シチュエーションによって使い分ければ完璧だと思います。

ラインナップ

『プロペルディスク』は2種類(ワンカラー)、完成車のみの販売です。

 

PROPEL ADVANCED SL 0 DISC プロペルアドバンスドSL0ディスク

『PROPEL ADVANCED SL 0 DISC』
税込¥1,350,000(電動、油圧DURA-ACE仕様)

 

PROPEL ADVANCED PRO DISC プロペルアドバンスドプロディスク

『PROPEL ADVANCED PRO DISC』
税込¥648,000(R8000仕様)

 

両モデルの違いは「各部のグレード」

フレーム素材、ホイール、コンポーネント、その他各パーツ、
『PRO』には、ワングレード下のものが組み付けられています。

 

『PRO』の実測重量は8.12kg(Mサイズ/ペダル無)ですから、
『SL 0』と比べて790g重いことになりますね。

 

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