松木です。
憧れのレース「マウンテンサイクリングin乗鞍」。
初にしてチャンピオンクラスを走りました。
その顛末の話……
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レース前日
前日16時ごろに受付会場に到着。
正面、「世紀末リーダーたけし」以上の
我らがリーダー岩城(いわき)さん!
いつもお世話になりっぱなしですm(__)m
そして、熱心にLOOKを眺めているのが、
会場でコンチネンタル『スーパーソニック』を購入し、
盛大にパンクフラグを立てた、お馴染み横田プロ!
そして、昨年に年代別で優勝した梅ぴょん。
丸刈りにして、リアルカツオくんに変身!
行きしなのコンビニで、間違って別の車に乗り込もうとして慌ててました(笑)
かわいい奴め(^^♪
受付後は、横田さんが常連予約してくれている
スタート地点から徒歩3分の宿「NORTHSTAR」へ戻って、
ロードバイクの準備を。
レースに向けて、チェーンを外して洗浄じゃあ~~!!
(「家でしとけよ!」という当然の突っ込みは無しでw)
ふっふっふ。とっておきのコイツを使います。
ただ、水みたいに”シャバシャバ”。
狙いを外して、かなりの量をこぼしてしまいました……orz
セラミックスピード UFO Drip 180ml チェーンコーティング剤
あとは、ジャージにゼッケンを付けて準備完了!
ここ2日、身体にダルさを感じており、
しかも、なぜか気持ちも上向いてきませんでした……
宿にも小さめの大浴場は備わっていましたが、
「大きな温泉に浸かってリフレッシュできればいいな」と思い、
梅ぴょんと近くの乳白色の天然温泉『湯けむり館』へ。
一帯に漂う、強烈な硫黄臭!!
ここで、梅ぴょんが大事なことに気づく……
「あっ、山頂の”お菓子交換会”のお菓子買うのを忘れてました~」
21時半ごろ就寝。
レース当日の朝
「ジリリリリリリ」。4時起床。
スタート地点でも標高は1460mあります。
ですが、意外と寒くない。
すぐにレースウェアに着替えて、
イナーメの『All Seazonアップオイル』を脚に塗ります。
(合う、合わないはあるでしょうが、肌の弱い自分でも大丈夫)
ここでも梅ぴょんのこだわりが発揮され、
「足裏にも塗ったら全然違いますよ!」と。
足裏って……
確かにそこの筋肉は使うだろうけど、
なんだか滑りそうな気もするなぁ(^^;
4時半よりビュッフェ形式の朝食。
(毎回ポーズを取ってくれる岩城さん(笑))
梅ぴょん情報では、師匠と慕っている田中さんが、
「朝はバナナ、ヨーグルト、ハチミツが良い」と言っていたそうな。
ふむふむ、バナナとハチミツでパワーは持続しそうだし、
ヨーグルトはお腹を整えるからかな?
試しに、いつもの「コーンフレーク+納豆ご飯」に
その3点を追加してみます。
ただ、コーンフレークにハチミツかけすぎて……「あっま!!」
6時過ぎ、いざスタート地点へ。
選手たちは、正面に見える”頂”へと向かって走り出します。
わずか1時間足らずのレースのために
機材に創意工夫を凝らし、
汗水たらして稼いだお金をつぎ込み、
焼けるような夏の暑さ、
刺すような冬の寒さの中であっても
苦しい練習に耐えます。
それぞれの”人生の一部”と”プライド”を賭けた
1年、8760時間の内で、最も凝縮された1時間。
チャンピオンクラスの出走者は260人。
整列は5~6列目。
隣には利田(かがた)さんがいて、
1分前に「頑張りましょう!」と握手を交わします。
そして、7時ジャスト。
空撮ヘリが”バラバラバラ”とホバリングしてる青空の元、
スタートの号砲が鳴り響きます。
「よしっ、行くか!」
ずっと憧れながらも、タイミングが合わずに出てこれなかった夢舞台へと……
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レースレポート
※レース動画とリンクさせながら読み進めていってください。
序盤、15~20番手をキープ。
第1チェックポイントの「三本滝レストハウス」までは
平均勾配5.2%と、比較的緩め。
とは言え、チャンピオンクラスですから、
「最初からキツいんだろうな」と覚悟していましたものの、
そんなことは全然なくて、強度は思ったよりも低い。
”ペースメーカー不在”といった状況か。
昨日までの不安が嘘のように脚が軽いこともあって、
苦しい感覚はほとんどなく、難なく集団で走っていられます。
すると、2kmほどで右側から猛スピードで上がってくる
赤いジャージを着た1人の選手。
OVER☆HEATの大野さんです(動画4:33)。
富士でもファーストアタックした上で入賞されていたので、
しっかりと記憶に残っており、
「おっ、大野さんだな」とすぐに分かりました。
その勢いのまま先頭を突き放してエスケープ開始!
誰も追走しようとはせず、すんなり遠のいていく。
先はまだまだ長く、しかも勾配が緩くて集団有利な状況での逃げは、
かなりの”自信”と”実力”、そしてなにより”度胸”が必要ではないかと。
大野さんの最大の狙いはおそらく
レースをかき乱すことによる「集団縮小」。
あわよくば「完全逃げ切り」の可能性も考えているかも?
それにしても想像以上にペースが緩め……
上げているつもりのない一定出力を心がけているだけなのに、
勾配が緩んだ箇所で、自然と前へと上がっていきます。
そして、3km弱の「休暇村(きゅうかむら)」過ぎで先頭付近に。
前を引くのは、
上毛レーシング狩野さん(先頭)と、美ヶ原優勝の加藤さん(動画7:30)。
自分も先頭に立っている場面がチラホラと。
ドラフティングにこだわるあまり、
集団に合わせて上げ下げするのは、逆に脚を使うのでは?
それに、集団内は「接触」に神経を使いますし、
路面が見えず、多少なりともパンクリスクは上がります。
そんな風に考えて、集団の先頭に立ってしまうとしても、
一定ペース(あくまで無理のない範囲で)を維持することを優先。
(ただ、入賞した6人が一度も先頭付近に現れていない所を見ると、
やはり集団内で走って、少しでも温存したほうが賢いのでしょうね)
その後は、常に10番以内をキープ。
宿谷(しゅくや)さん(ブログ『VENI VEDI VICI』)が「センサーが、スポークにずっと当たってカンカン言っとる」と話していたり(動画9:17)、
宮崎さんと加藤さんがハスりそうになって危なかったり(動画13:35)、
天狗党森田さんが、ちょこちょこ前を牽引してペースをつくったり、といった小事あるものの、
第1チェックポイントまで、大きな動きは無く。
7km地点の第1チェックポイント「三本滝レストハウス」通過は、
7~8番手で17分フラット。
16分そこそこだと予想していたので、
ずいぶんとスローペースだと思われ、
大野さんと集団との間には、30秒程の差が開いているのでは?
軽量化のためにボトル無しだったので、
可能ならここで吸水しておきたかったのですが、
左側を走っていたために、コップを受け取れず。
なるほど……1分ちょっと前に森本さんが、
右側から上がっていったのは、これが目的だったのか!
ですが、まだ喉の渇きはありませんでしたし、
「第2チェックポイントでもらえばいいか」と素直に諦める。
………それよりいつの間にか、少し息が上がってきたか?
その後、ジワジワ~と勾配が上昇。
出力も上がり、自然と呼吸も激しくなってきます。
同時に、それまでまったく姿を現さなかった田中さん、中村さんなど
後方待機していた優勝候補の選手が前方へと移動(動画19:30)。
少し遠くて見えづらいですが、
先頭は主に白ジャージの選手がペースメイク。
加藤さんかな?(動画21:55)
爆走というほど速くはないのですが、
徐々に人数を削るには十分なペース。
特に、勾配が”グイッ”と上がるコーナーが辛い。
体重のある自分は、軽量ライダーよりも速度が落ちてしまって、
コーナー毎にポジションを下げることを避けられず……
コーナーでポジションが下がる
⇒次のコーナーまでの間に、十分に順位を上げられず(直線が短い!)
⇒ペースの上げ下げが激しい後方へと下がっていき、さらに厳しくなる
という悪循環。
とは言え、
正直、ここまで思った以上に余力ある感覚で走れていましたし、
もう一段階ペースが上がっても付いていける気はしていました。
ですが……
「きっ、きつい……」
普段の練習で追い込むときに比べれば、
強度は緩いのに、どんどん呼吸が荒くなる……
いつもなら先に「脚」がヤラれるのに対し、
今回は「心肺」が悲鳴を上げています。
(あまりの苦しさに、時々声を出してしまっている点は、ご了承を)
ここ最近は、どんなに追い込んでも
「心肺が限界」ということは皆無で、
正直、かなりの自信がありました。
実際は、心臓バックバク(´Д`)ハァハァハァ
まるで薄いマスクをしているような息苦しさを感じました。
レース前、梅ぴょんが、
「標高が上がると、酸素が薄くてパワーが出ないです」
と言っていたことが頭をよぎり、
「あぁ、このことだったのか……」と。
レース後のTwitterで、森田さんが、
Avパワーの低さに「標高マジックやべーな」とつぶやいており、
他の選手も、やはり同じ体感をしているのでしょう。
「コーナーでの遅れ+高所による息苦しさ」
このダブルパンチが、他の峠には無い”乗鞍に潜む魔物”か!?
(上位陣は、+αアタック合戦で、さらに過酷を極めるはず)
「5連ヘアピン」3発目に位置する
中間地点(10.25km)の通過が26分43秒。
前を走る15人ほどの先頭集団から切れ気味。
いつ完全に千切れてしまってもおかしくない瀬戸際……
ひたすらに耐える時間。
橋本(ハシケン)さんも同じような状態でキツそう……(動画27:25)
さらに、この2km先において、サドルが外れる憂き目に遭い、
残り8kmもの距離、ダンシングを強いられてしまったのだそう。
そのすぐ先の、左に180度大きく曲がる「5連ヘアピン」最終コーナー。
中川さんが斜交した前走者とハスる”接触”により
中川さんと、その後ろを走っていた森田さんの2人が、
大ブレーキを喰らう(動画27:39)。
(中川さんは、ここで結構脚を使ったそうですが、最終的に6位入賞は凄い!)
その1分ちょっと後、
「今度こそは完全に千切れてしまう」というタイミングで、
「追いつきましょう!」と声を掛けてきて、前を引いてくれる選手が。
BIKE ROUTEの奥さんです。
奥さんのおかげで、なんとかギリッギリで集団復帰が叶う。
ですが、もう集団に付いていくだけの力は残っておらず……
粘りはしたものの、
荒田沢(あらたざわ)橋100m手前のS字コーナーで、
ついに先頭集団からドロップ(動画30:55)。
ここ(11.5km付近)での自然消滅が、今の自分の実力か……
(16km付近からが上位陣の”本当の闘い”だった模様)
同じように先頭集団から脱落してくる選手がチラホラと。
すると、なんと兼松さんが!!(動画34:44)
このレースに懸けた想いを綴った記事を読んでいたため、
ど~しても何か声をかけずにはいられず、
抜き際に「兼松さん、自分に勝ちましょう!」と。
レース中で興奮していたとはいえ、
いざ振り返ると、生意気なことを言ってしまったなと……
その少し後、「冷泉(れいせん)小屋」横で、
高岡さんと狩野さんに抜かれます(動画36:04)。
残りは、まだ半分近くもあります。
にもかかわらず、体力が限界に近く、
可能ならば誰かと一緒に走らないと厳しい……
「なんとかこの2人と一緒にいきたい」
そう思いつつも、やはりペースが合わず。
特に高岡さんのコーナーでの、
インを突くダンシングが、スムーズで速い!
アウトでシッティングしかできない自分とは、
いっきに3秒ぐらい差が開きます。
限界の心肺に、ダメ押しするように負荷をかけてしまうと、
すぐに激タレすることは、火を見るより明らか。
如何ともしがたし……
程なくして、2人から完全に引き離されます。
その後、20番~19番カーブの区間で、
宮本さん(御年47!、ブログ『今日のみやもと家』)、
COW GUMMA高橋さん(ブログ『ピンクジャージクライマー(仮)』)、
イナーメ佐野さんにゴボウ抜かれ(動画39:06)。
3人は、前を走っていた濵野(はまの)さんと4人パックを形成。
自分も19番~18番カーブの区間で一旦は追いつくも、
鬼門のコーナーで引き離されてしまう体たらく。
前は車体2台分、わずか5m先……
”一緒に走った方が楽”
それは十分に分かっているのですが、
追いつくためのもう一踏みが足りない!
リザルトだけ見れば、
このパックには必死に追いすがるべきだったのですが、
そんなことは結果論でしかなく、
結局は力足らずだったのが一番の原因。
15km地点の第2チェックポイント「位ヶ原山荘」通過は、
先頭から23番目の42分フラット。
喉がカラカラという程ではありませんでしたが、
残り5.5kmを乗り切るために、アクエリを身体に染み渡らせます。
残り4.3km(14番カーブ)でACQUA TAMA若松さんに抜かれ、
残り3.3km(9番~8番カーブ)で先頭集団から落ちてきた清宮さんを抜く(動画48:50)。
限界まで喰らいつかれたんだろうな……
残り2km。
「大雪渓」を望める印象的な4番カーブで、
前方を走る4人を視界にとらえます。
秒差は20秒強、距離にして100mぐらいか?
勾配が緩んでスピードに乗り、確実に詰まってきた!
ただ、見えるのは2人のみ。
前でも誰かがスパートを仕掛けてバラけた?
ペースも上がっているためか、一気には縮まらず……
残り250m。
一番近い宮本さんとは20m差まで迫る!
ここで後ろを振り返られて、
おそらく気づかれました(動画59:13)。
あらん限りの力を振り絞るも……
精魂尽き果て、力及ばず。
4秒届きませんでした……
【リザルト】
59分35秒285(Top+4:01.067)
チャンピオンクラス23位(総合24位)
「こうしたらどうだったんだろう?」
というタラレバはありますが、
目標だった1時間切りは達成できましたし、
思った以上に先頭集団で残れて、とりあえずは満足。
1位~23位までのゴールシーン。
去年もアップしてくれていましたが、
ここに映れたのは一つ光栄なことだったかなと。
そして、この乗鞍に魅せられた方々と一時の時間走れて、
最高の集合写真にも加われたのが、一番嬉しかったです(^^)
乗鞍山頂は、
”ロードバイクで舗装路の最高地点”であり、
”日本一のヒルクライマーが決める場所”。
そして、
約束していなくても、一年に一度
最高の面々が集う”ヒルクライマー約束の地”。
次は、クライマーとしても、そして人間的にも
今より胸を張れる姿で!!
最後は、毎年楽しみにしている
ハシケンさんのレース後インタビュー。
梅ぴょんの「凡人の走り」にはワロタw(5位入賞おめでとう!)
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はじめまして、ゴール前の動画撮影者の奥と申します。
名前を見て「あれっ?」と思われたかもしれませんがバイクルートの奥隆三郎の父です。
昨年に引き続き今年もゴール前でカメラをセットして動画を撮りました。
親ばかと思われるかもしれませんがつい応援に来てしまいます。
本人は来年もまたチャレンジするようですから僕もまた行くかもしれません。
あとでゆっくりと動画を拝見させていただきます。
奥さん、はじめまして。
名前を拝見して「もしかして……」とも思っていましたが、
本当に親御さんでしたか。驚きました!
息子さんの応援に来られるなんて、お優しいですね。
息子さんを収めるのが目的だったとはいえ、
私が映っている正面からの走行動画というのが、
おそらく奥さんが撮影してくれたものしかありません。
その上、画質が非常に綺麗で、本当に良い思い出となりました!
改めてお礼申し上げます。ありがとうございました(^^)
こんにちは。いつもブログを楽しく拝見させて頂いています。
今回の動画+レースレポート、読んでいて本当に読み応えがありました。
zwiftのレースレポもいつも拝見させて頂いています。
応援しております。これからも頑張って下さい。
はじめさん、こんにちは。
今回ばかりは力を入れて書き綴ったので、
そう言っていただけると、大変嬉しいですね(^^♪
ZWIFTでお会いすることもあるかもしれませんが、
その際は、よろしくお願いします!