松木です。
台湾のパーツメーカーTOKENが、
遅ればせながらビッグプーリーを発表。
金メッキ+『Shuriken(手裏剣)』
”和”を強く意識したテイストに目を奪われてしまいます……
「12-19Tという歯数の意味するところは?」
「PVDコーティング、TBTベアリングとは?」
「競合他社のモデルと比較してどうなのか?」
そういった気になる事柄を中心に取り上げてみましょう。
【関連記事】
スポンサーリンク
目次
トーケン『Shuriken』の基本スペック
TOKEN『Shuriken TK1729S Zenith』
【歯数】12-19T
【プレート素材】フルカーボン
【プーリー素材】AL7075アルミ
【プーリーベアリング】TBT
【プーリーの表面処理】PVDコーティング
【取付可能RD】9150、9100、8050、8000
【対応スプロケ最大歯数】34T
【公表重量】69.5g
【税込価格】¥39,744
ちなみに実測重量は74gと、公表よりも+5.5g重いです。
12-19Tという歯数の理由
上の記事でも触れましたが、
9100/8000系のRDは、構造上の都合によって
「アッパープーリーは13Tまで」という制約があります。
(ex. セラスピ:13-19T、Ridea:13-18T、カーボンドライ:12-17T、TNI:12-16T)
そして、Ceramic Speed曰く、
上プーリーが13Tの条件下では、最適な下プーリーの歯数は19Tだそうで、
純正に比べて30%(単純計算で1.16w)の出力削減効果が認められます。
トーケンがアッパープーリーに12Tを採用した理由は、
「純正(11T)よりはチェーン摩擦は軽減できるが、
+1TならばRDの変速性能もほぼ損なわれることはない」
この考え方は、カーボンドライジャパンと共通しています。
TBTベアリングは実際どうなのか?
”Grade 5”のセラミックボール、
チタンコーティングにより「耐久性」の高いレース&コーン、
特別に設計されたデュアルリップシール。
トータルして「TBT=Tiramic Bearing Technology」。
BBにはTBTベアリングを長らく使用しているのですが、
なかなかに良好。
チェーンを掛けていない状態でクランクを回すと、
もの凄い勢いで、滑らかに回転してくれますね(^^)
回転性能は、TNIのセラミックと同等かなと。
ただ、”ゴリ”や”異音”の出やすさといった「耐久性」の面では、
正直、TNIの7~8割程度であるというふうに感じています。
プーリーの「PVDコーティング」とは?
プーリーのブラックとゴールド。
一見すると、ただの「アルマイト処理」にも思える表面加工ですが、
「水を沸かすと、容器内部に水滴が付着する」
この”物理蒸着”を応用した「PVD」が施されています。
大胆に肉抜きされたプーリーの「耐摩耗性」を高めて寿命を延ばし、
さらに、美しいルックスも両立させることが出来るコーティング加工。
一般的なのは、チタン窒化物(TiN)のゴールド(写真E)なのですが、
これにカーボンを添加すれば、ブラック(TiCN、写真D)になります。
そこで、今一度プーリーをよ~く眺めてみると、
ブラックの奥に”チタンのような輝き”を含んでいるのが分かるでしょう。
スポンサーリンク
トーケン『Shuriken』は買いなのか?
9100/8000系でビッグプーリー導入を検討する際、
「Ceramic Speed」「Ridea」
「カーボンドライジャパン」「TNI」
真っ先にこの4種類が候補に挙がってくるはず。
- Ceramic Speed(13-19T)⇒高価すぎて厳しい
- TNI(12-16T)⇒比較的お手頃なものの、性能面もそれなりで▲
まず「Ceramic Speed」「TNI」の2つは消えるかなと(笑)
そこで、トーケン『Shuriken』を
CDJ『V3 Plus』(12-17T)、Ridea『C38』(13-18T)と比べて考えてみると、
そこまで引けを取っていないと思います。
個人的に「プーリーが金属製」という点は引っかかる所……
(樹脂/カーボン製は”チャラチャラ音”が小さく、「耐摩耗性」も高め)
ですが、ケージの煌びやかな「金メッキ」や
プーリーに施された「PVDコーティング」は、
他メーカーのものには見られない大きな特長。
Ceramic Speedに次いで巨大な12-19Tという歯数に加え、
「TBT」という低抵抗ベアリングが打ち込まれており、
「ペダリングが軽くなる」という
ビッグプーリー本来の目的も果たしてくれることでしょう。
スポンサーリンク
価格面を度外視して性能だけで評価するとセラミックスピードの13-19のビッグプーリーはどうですか?
岡田さん、はじめまして。
「抵抗を減らす」という目的を熱心に追い求めているメーカーですから、
”速さ”に対する効果は、他のメーカーよりも大きいと考えます。
プロもTTで使用していますし、価格を度外視ならかなり良いかと!
個人的に一つ気になるとすれば、プーリーが”金属製”であることですね(^^)
返信ありがとうございました。
参考にします!