~お品書き~
- Pinarello『Dogma F』
- BASSO『DIAMANTE SV』2022年モデル
- GIOS『LEGERRO』
【他の回】
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試乗インプレッションVol.4
ピナレロ『ドグマF』推定178万
”DOGMA”
その響きには、人を引き寄せる不思議な魔力を秘めています。
F10に3度。F12に1度。そして今回のF。
F10とF12には手厳しい評価を下しておりますが(共に7.75点)
このFは果たしてどうか……
ピナレロ過去最高傑作と声高に叫ばれ、
東京オリンピックウィナーズバイクでもある『F』との
少しばかり緊張感ただよう対峙です。
【剛性感】9~9.25点
【加速性】9.75~10点
【振動吸収性】8.5点
【巡航性】9.25~9.5点
【登坂性】9.75~10点
【お気に入り度】10点
(※8点で「なかなか良い」)
・・・・・・”グラディエイター”
大ローマ帝国時代、円形闘技場コロッセオにて死ぬまで闘ったとされる剣闘士。
その言葉が”パッ”と脳裏に浮かんでくるほどに『F』の戦闘力はイカれてます。
前作比剛性+12%の頑強なBB周り。
まさにその通りで、確かに強固だ!
あくまでプロスペックの代物であると思い知らされるシッカリ感。
ですが「F12より若干硬いかな?」という程度で、個人的にはギリ許容範囲。
それに、過去のC59やF10なんかに感じた「ただただ硬いだけ」ではない、
「ライダーを効果的に前へと進めるための よく練られた硬さ」
という感じがし(後述の加速力、登坂力につながっている)それほど嫌味にも感じません。
むしろ、いくら我武者羅にガン踏みしようとも
「必ずや受け止めてくれるだろう!」という”頼もしさ”のほうが上回ります。
加速性能は理解不能な域にあります。
変幻自在、縦横無尽、疾風迅雷。
ロードレースという戦場を 誰よりも素早く駆け巡り、
生き抜くために必要とされる才能をコイツは持ってます。
私の試乗した車体には『DT SWISS ARC1400』が合わされていましたが、
別のサイズでは『BORA WTO』が組み合わされておりました。
そのホイールもしくはDURA-ACEなんかを装備させてやれば、
丹念に研ぎ澄まされた日本刀のごとく
他者を一刀両断しうる破壊的切れ味を発揮するんだろうなと……
しっかり登る…………いや、飛翔する。
-265gの軽量化を果たし、完成車重量は6.9kg。
決して超ド級の軽さとは言えないものの、
その暴力的な動的性能は登りにおいても活きており、
背中が”ゾワッ”と痺れるほどに俊敏に羽ばたく。
平地かのように景色の流れは速く、
坂道でありながら爽快感に浸れる。
クライミングバイクと自称する多くの登山家よりも登りが速く、
思い起こしても対抗しうるのはFACTOR『O2 V.A.M』ぐらいなもの。
バチバチ火花散らすヒルクライムの最中、
全力アタックを繰り出す(もしくは対処する)シーンにおいて
非情なまでにライバル達を苦しめ、心をボキリとへし折る……
そんなマゾヒズムな妄想に駆られる「登坂力」でした。
「乗り心地は………”並”だな。」
必要以上に振動を伝えてきたり、
ゴツゴツした突き上げを感じたりすることもなく、
ごくごく平均的な水準。
逆に 不満を感じることもなかったです。
試乗車にはPirelliの26cタイヤがハメられてましたけど、
これが『F』の力を損なわないベストな太さやも?
………いや、28cも”アリ”だな。
多少太く、重くなろうとも その運動能力は高く保てるでしょうし、
「吸」と「速」の均整(バランス)が取れた別の理想の形
に仕上がってくれそうではありますねぇ~(^^)
「巡航性能」は9.25~9.5点。
Canyonエアロードに比べれば 一歩遅れを取るものの、
風を切り裂いて進んでいく感覚は まずまず堪能できました。
『NOAH Fast』とも共通する
「他の性能を犠牲にしない限界レベル」には達していると思います。
ピナレロエンジニアが世に放った
生粋の闘士
”ART of Balance”
このうたい文句に嘘偽りは感じないんですけど、
そう表現するだけでは なんとなく物足りません……
”ART of Battleholic (戦闘狂)”
「人間の脚力とはこんなにも速かったのか…」と
ある種の驚嘆を覚え、これまでのロードバイク観を覆されたマシンでした!
上の写真は閉場まぎわにパシャリと撮った一枚。
夕日に照らされ、その流麗なシルエットは一層映えておりましたm(__)mハハァ~
バッソ『ディアマンテSV』推定100万
2021年にフルモデルチェンジされた『Diamante SV』です。
Diamante Super Veloce=「超速ダイヤモンド」
2021年以前の『Diamante SV』に比べると
「随分あか抜けたなぁ~」と感じる佇まいをしております。
【剛性感】8.25~8.5点
【加速性】9~9.25点
【振動吸収性】8.75点
【巡航性】9点
【登坂性】9~9.25点
【お気に入り度】8.75点
(※8点で「なかなか良い」)
「……まぁ、そこそこ走れる奴なんじゃない?」
(/↑/怪物たちのせいで感覚がややバカになってきてるw)
飛び抜けた性能は持っていませんでしたけど、
前作よりは全方位に大幅レベルアップしてる実感はありました。
「3B Vibration Dampening」と呼ばれる
シートポストの差し込み部分をゴムで包み、振動を減衰させるシステムは健在。
劇的な効果は感じないものの、
少なからず身体への負担を減らしてくれてるんでしょう。
ハンドルは”にゅるり”と有機的。
ヘッドチューブのエリアも独特な形状をしておりますな。。。
「タイヤとフレームにクリアランスを持たせ(32cもOK)、空気の流れを適正化した」
これは『Open Flow』なる設計らしいのですが、
フォークをわざわざ前方へせり出させてまで
タイヤとダウンチューブの隙間を大きくしているのも同じ理由なのかな?
MICROTECH『MR38』(1625g)+ミシュラン『PRO4 Endurance』
マイクロテックは、あまり馴染みのないホイールです。
イタリアの同郷同士ということでアッセンブルされてるんでしょうけど、
ハイスペックの『Diamante SV』にして この足回りでは役不足だったかなと、、、
『Wh-R9270』とかなら、ワンランク上の更なる走りを期待できそうです(^^)b
ジオス『レジェロ』推定80万
”GIOS”という文字を目にし、埃をかぶっていた記憶が思い出される。
自転車を乗るきっかけをくれた大学の先輩が乗っていたメーカーだ!
その当時にもこの『Leggero(軽く、優雅に)』は存在していて、
フロント、そしてシートステイだけカーボン(俗に「カーボンバック」)という仕様でした。
その『Leggero』が2020年、10年ぶりに復活。
昔の面影など1㎜もありませんけど、自分にはどこか懐かしさを感じます。
BASSOと同じブースでパッと目に入ったので試乗させていただきました。
【剛性感】9点
【加速性】8.75点
【振動吸収性】9点
【巡航性】9点
【登坂性】8.75点
【お気に入り度】8点
(※8点で「なかなか良い」)
“カッチリ”している。。。
ハンドル~ダウンチューブ~BB~チェーンステイ、
フレーム下半分が、非常にマッシブ!
その恰幅のいい見た目を裏切らず、
ハンドルを激しく振りながらもがいてみても、
あまり「しなりを生まない硬さ」を感じます。
『Dogma F』にも同じぐらいの硬さはありました。
が、あちらはわずかにしなってくれ、
その後の素早い反発を上手くスピードに変換している感覚でした。
だから硬いながらも、それがまた気持ち良くもあったんですよ(^^)
対して、この『Leggero』にはそういった感触はなくて、
あたかも一枚岩かのように「シンプルに硬い」
この”カッチリ感”は、好き嫌いが分かれるでしょうね……
Mavic『COSMIC PRO CARBON UST』
このホイールのおかげで、
多少なりとも剛性は中和されていたとは思いますが・・・
ホイール選択を一歩間違えたらエラいことになるぞw
あと、乗り心地自体はなかなか良かったので、
(チューブレス効果はありつつも)「振動吸収性」は
決して悪くないとフレームなんじゃないかと。
性能自体に秀でたところはありません。
ただ、
フレームセット195.800円、公表フレーム940g/フォーク340gと、
価格と重量の偏差値は、かなり高いです。
所有者が少ないレアリティ。
そしてジオスブルーとブラックの個性的なツートンカラー。
路上で見かけたら、きっと二度見しちゃうでしょうね(笑)
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松木さん
インプレ続報ありがとうございます。 ついにドグマFですね。
Yさんの川崎店はピナレロショップ併設のため、F12オーナーさんだらけですが、流石にまだFオーナーさんは見たことないですね。
信頼する松木さんのコメントでさえ、価格が価格だけに、「そらそやろ、、、」的な感想しか出ないですね^_^。
松木さんのコメントを参考にさせていただく身として、僕は、特に加速度に関する内容を重視しております。
ヴェンジやマドン、HURUにSLC、果てはメラクに至るまで、松木さんのコメント通りの性能を自身の脚でも実感できているからです。 どうしても都内で走ることが多いので、巡航性能よりも加速度性能の方が圧倒的に乗り心地を左右します。
今のところ、松木さんの加速度点数が最も高いのはFACTOR VAMのようですので、ぜひ試乗したいと思っています。 CanyonのSLXもぜひ^_^。
ゆうぽんさん、こんにちは!『F12』だらけの光景は想像するとちょっと面白いですねぇ~(笑)
『F』は私が乗った中で最高価格だったと思います。「価格=性能」とは一概に言えないのは勿論ですけど、事『F』に関してはちゃんと速かったです。ただ、多少乗り手の好みが分かれそうな硬さではありました。
Aeroadの『SLX』は『SL』と感触は同じでした。加速感としては ゆうぽんさんも乗られたヴェンジに非常に近いと感じます。まだ縁の無い『CFR』に エアロ×加速力の臨界点を期待しています!
松木さん、いつも駄文にコメント返していただき、誠にありがとうございます。
グルメで、高い=美味い、ではないのと同じですが、やはり突き抜けて美味いものは高いですよね^_^。
素材の違いは、軽量化に大きく貢献するのだとすると、結果的に、乗り味はほぼ同じになるのかもですね。 無論、10%以上軽くなるなら、、、と思いますが、それでもライダーの体重変化の範囲内なので、どこまで体感できるかは微妙かもです^_^。
松木さんのCFR評を早くお聞きしたいです!
いつも楽しく拝見しています。
フレーム選びって相対評価なんで、参考に出来ないのは、重々承知で、参考にさせて頂きました。というか、欲しいと思ったフレームのインプレをネットで拾うのは難しく、走り込んでそうな松木サンが悪く言ってないってならって事で清水ダイブでフレーム買いました。今乗ってるバイクも10年近く乗ってて、年齢的にも同じ年数乗ったら引退かなと。という事で自分が買ったデローザのプロトス(2019年のリムモデルのデッドストック新品見つけました)は現状松木サンの中でどの辺の位置付けか気にぬったのでコメントさせて頂きます。お手隙の時にでもコメント頂けたら幸いです。
馬鹿チンさん、初めまして!コメントありがとうございますm(__)m
仮に今現在 過去の試乗車を全て乗り直したとして、DeRosa『Protos』は10本の指に食い込んできそうな気が致します。
まずDeRosa『Protos』は単純に性能が高いです。そして何より特筆すべきは”車体との一体感”が素晴らしいという点です。これはデローサ以外にあまり感じられない特別な感触であり、だからこそ「いつまでも色褪せない魅力」を秘めたフレームだと思ってますね(^^)