・~お品書き~
- Chapter2『TOA』
- DeRosa『838』
- CARACLE『COZ DB』
【他の回】
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試乗インプレッションVol.2
Chapter2『TOA』推定102万
2017年に旗揚げされたChapter2。
そのフレーム遍歴は以下の通り(発表年/マオリ語の意味/シートポスト込みフレーム重量)
TERE(2017年/すばやい/1638g):セミエアロオールラウンド
RERE(2018年5月/流れる/1683g):ピュアエアロロード
HURU(2018年11月/羽と上昇/1427g):軽量オールラウンド
AO(2020年/地面・地球/1908g):グラベルロード
TOA(2021年/戦いに勝利する/1654g):ノウハウを集約したレースオールラウンド
KOKO(2022年/舞い上がる/1694g):現トレンドを盛り込んだエアロロード
(※いずれも現役モデル)
5作目のTOAは、四年間で培ってきた技術の集大成たる”レース”フレーム。
オールラウンドという括りで考えた場合「TEREの後継機」と捉えられなくもない。
最新のKOKOは、形状/構造的に時代遅れとなってしまったREREのブラッシュアップ版。
・・・ザッとまとめると こんな感じ。
今回インプレするTOAの特徴、各種データ数値は、
以下のルックブックに載ってますので、ご参考に。
それでは、インプレッションを。
【剛性感】8.25点(KOKO:8点)
【加速性】8.75点(8.25点)
【振動吸収性】8~8.25点(8~8.25点)
【巡航性】8.5~8.75点(9点)
【登坂性】8.5~8.75点(8.25~8.5点)
【お気に入り度】8.25点(8.25点)
(※8点で「なかなか良い」)
『KOKO』とはコンセプト、形状は全く違っていますけど、
根っこの部分に感じられる 基本的な乗り味は似ていました。
『KOKO』のエアロがややDOWN。
その対価として、軽やかさはややUP。
正直言って、この程度のことしか感じ取れませんでしたねぇ…
乗り込めば細かい区別点なども見えてくるかもしれませんが。
グラベルロード『AO』の面影があるコンパクトなリア三角。
この箇所とトップチューブ、つまりフレームの上半分は、
乗り心地を向上させるべく”しなり”を意識して開発されたそうなんですが、
これについても特に体感できなかったです。
先日話した通り『KOKO』のシートポストにはエラストマー機構がありますし、
「振動吸収性」はお互いにイーブンといったところ。
「戦いに勝利する」と豪気に銘打たれてはいるものの、
他者を制圧するような強力な戦闘力は備わっておらず。
Chapter2というブランド内でならば有力候補に入りますが、
世界中のあまたあるメーカーを視野に入れるとなると・・・
Chapter2唯一のデザインと同じように、
なにかしら無二の性能/フィーリングを生み出して欲しかったですね(^^;
DeRosa『838』推定100万
日直商会のブースではDeRosaの展示のみでしたが、
カンパニョーロのブースで試乗することができました。
今回試乗した『838』は、DeRosaのエントリー~ミドルグレードという位置付けで
2022年新たに登場したモデルです(2010年代前半『R838』というモデルはあった)
【剛性感】8~8.25点
【加速性】9点
【振動吸収性】8.5点
【巡航性】8.75~9点
【登坂性】8.75点
【お気に入り度】8.5~8.75点
(※8点で「なかなか良い」)
全体として均整が取れており、かつ各方面レベル高し!!
とても素晴らしい!!主にホイールが。
もちろん『838』自体も悪くなかったです。
しかし、それを『BORA ULTRA WTO 45』という神獣が完全に食ってしまっています。
(『838』が幽助だとすれば、彼を乗っ取り仙水を一蹴した雷禅が『BORA ULTRA WTO』)
このホイールだけで
「加速性」「振動吸収性」「巡航性」「登坂性」が軒並み0.5~1は加点。
シルキーで上質な味わい、そして肉体と車体の一体感も増すんですよ(^^)
バイク全体のクオリティを一ランク上のものへと押し上げる
まさにホイール界のエクスカリバー!
ちなみに『MERAK』+『BORA ULTRA WTO 33』にも試乗させていただきました。
・・・・・・・・・・・・・新王×聖剣
このコラボレーションが、現時点である種の頂。
特筆すべきは、清流のごとき加速感、そして人馬一体感。
ダンシングで思わず”笑み”がこぼれてしまう(乗車中マジで笑ってしまった)のは、
過去試乗した120台以上の中でもコレだけです。
あと、前回『MERAK』に乗った際には
ULTRAじゃない『BORA WTO』を履いてましたが、
あまり変わらない印象でした。
重量的な軽さ(33㎜で-65g、45㎜で-95g)と
ラグジュアリーな仕上がりは『ULTRA』にしかないものですが、
性能面だけ見れば、両者に13万もの差は断じてありません。
………そう言えば『838』のインプレだった。
つい『BORA ULTRA WTO』に熱くなってしまいました(笑)
『838』は、ホイール抜きにしても全教科平均点は取れている優等生。
まぁフレームセット税込35万はちょい高い性能感ではありますけど、
逆に20万台だったりすると「DeRosaを所有している」という満足感や愛着心、
そして、その感情から生じる”走行中の高揚感”は損なわれてしまうでしょう。
35万なら、背伸びすれば誰でもどうにか手は届きますし……絶妙な価格設定かなと。
CARACLE『COZ DB』32万
キャッチフレーズは
「圧倒的な軽さと走行性能の折りたたみロードバイク」
創業80年間を迎えた金属加工メーカー株式会社テック・ワンが、
2015年に立ち上げた小径車ブランド『CARACLE』(カラクル)
その名の由来は、
中東やアフリカ大陸に生息し、俊敏な脚を自慢とするネコ科「カラカル」
それから日本の伝統芸能である「からくり」
その複合語です(ヘッドチューブの動物は こやつ)
折り畳みモデルは2種類。デビュー作でもある金属製の『S』(エス)
そして2018年にラインナップに加わったフルカーボン『COZ』(コージー)
- 「圧倒的な軽さと走行性能の折りたたみロードバイク」という響き
- 最軽量モデルは、トップロードバイク顔負けの6.7kg
- 折りたたみ時、縦71.0×横88.5×奥行35cmのミニマルサイズ
毎度1,2台は風変わりな車体に乗るようにしてますけど、
本試乗会では、この『COZ』にレッツチャレンジ(^^)bビッ
1分ほどでサクッと組み立てていただいた後に試乗(組立動画)
【剛性感】8点
【加速性】8点
【振動吸収性】6点
【巡航性】7.5~7.75点
【登坂性】8点
【お気に入り度】7.25点
(※8点で「なかなか良い」)
まず第一に印象的だったのは、乗車感が『ロードバイク然』としていたこと。
ホイールの慣性回転が乏しい分だけ「巡航性」は落ちますが、
車体を一切見ずに試乗したならば、20インチ小径車だとは気づけんでしょうね。
それほどまでに申し分ない「安定感」と「スピード感」!!
ただし、それはLサイズ/ディスクブレーキ(8kg強)という仕様での話。
もう一台Mサイズ/リムブレーキ(最軽量6.7kg)にも乗ったんですが、
そちらはフラッフラして小径車っぽく不安定でした(体良く言えば「小回りが利く」)
重量や低重心もさることながら、
車体自体の前後の長さ(ホイールベース)が、安定感を差を生むのだそうです。
乗り心地はシンプルに「悪い」
路面の凸凹の衝撃がダイレクトに伝わり、
嫌というほどに身体を痛めつけてきます。
「ホイールが小さいと乗り心地も落ちちゃうのかぁ~」と実感。
(700cであれば、リム、スポークにて振動が大きく減衰される)
既に28㎜の太いタイヤが付いてたんで、あまり良い改善策はないかも……
(近日発売予定の油圧ディスクULTEGRA Di2 R8100仕様、おそらく50万前後)
折りたたみ小径車として考えると、フラつかないし ものすごく速い。
が、ロードバイクとして考えると、10万後半のアルミロード並み。
ゆえに、仮に32万のロードバイクと比較したら(←酷)性能足らず。
「圧倒的な軽さと走行性能の折りたたみロードバイク」ではなく、
「アルミロードにも引けを取らない折りたたみ小径車」というのが率直な個人的感想。
ロードバイクってスペース取ったり、運搬や輪行が大変だったりするんで、
そこをネックに感じてる人にとっては、有り難い存在なんじゃないでしょうか(^^)
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松木さん
インプレ第二弾、ありがとうございます。
やはり、ホイールの違いで、乗り味は大きく異なります。 先日のChapter2試乗会でも、TOAに、もともと用意されていたホイールを外して、スタッフの方のバイクに付いてたボーラウルトラと付取り替えてもらったら、乗り味は全く違いましたから^_^。
だからとて、全部同じホイールにして乗れば、純粋にフレームの違いがわかるバズ、、、でもないのでしょうね。 それはそれで、やはり相性的なものもあるでしょうから。
ただ、松木さんのインプレでもたまに拝見する「ホイールが違えば、、、」だけは避けてもらいたいところです^_^。
ロード乗りから見てカラクルはこう見えるのレビューは面白く感じられました。
RB(force AXS)モデルで走っていますが23cは文字通り骨身を削る感じで僅かな段差が身体へのダメージを重ねます。
ただメリットはありました。アップダウンが続く道だとホイール重量が軽いので負担が低く感じます。他にはマンションのエレベーターに真っ直ぐ入れられるので楽です。
値段からするとアルテグラ搭載だと釣り合わないのでローコストに抑えた105モデルがいいのかも知れませんね
カーボンミニベロさん初めまして!所有者の貴重なコメントありがとうございますm(__)m
個人的には28c一択かなと思いましたが、コースや用途なんかによっては23cにも十分利点はあるようですね!
おっしゃる通りアルテグラは「コスパ」という面で非現実的な印象を受けます。ですが、折り畳みミニベロで「R8170で軽量」は、ある種の”ロマン”があるように感じました(^^)
こんばんは。大学で自転車競技部に所属している者です。
松木さんのインプレを拝見していて、ボーラWTO45 と ルンハイパー 50㎜の2つのホイールに興味を持ちました。それぞれのホイールについての良いところを教えていただきたいです。
自分が現在求めているのは、平地でより速く(楽に)巡航でき、かつ横風の影響が少ないホイールです。
レムコ大好きさん、はじめまして。コメントありがとうございます(^^)
>ボーラWTO45 と ルンハイパー 50㎜の2つのホイールに興味を持ちました。それぞれのホイールについての良いところを教えていただきたいです。
両者の総合性能は違いですが、決定的な違いは「剛性感」です。アタックやスプリントの際にはBORA WTO45だとややリアホイールに”たわみ”を感じますが、HYPERにはほぼそれが無く、パワー伝達性をより強く感じられます。逆にボーラWTO45の良い所は、性能というよりは「上質な乗り心地」(大袈裟に表現すれば、絨毯の上を走っているような滑らかな感触)ですね。
>自分が現在求めているのは、平地でより速く(楽に)巡航でき、かつ横風の影響が少ないホイールです。
データ的に空力に優れているのはHYPERです。リムハイトも5㎜高いですし、平地巡航がより速いのはHYPERでしょう。ただBORA WTO45も近しいエアロ性能を備えてますし、5㎜低い分だけ横風に対しては若干有利ですね。
レムコ大好きさんは大学の自転車競技部に所属されているということですから、もし「速さ」を最優先に求めておられるなら、全方面に死角の無いHYPERを選ばれれば満足されるはずです。