松木です。
アメリカの中堅自転車メーカー
「Diamondback(ダイアモンドバック)」が、
エアロロードバイク『IO』を発表。
このバイク、ちょっと普通じゃありません‥‥
「空力性能を高める」として物言いがついたボルテックスジェネレーターとは?
以前、上の記事で話した「ボルテックスジェネレーター(渦流生成器)」。
「突起によって小さな乱流を発生させることで、
その後部の空気の流れが整えられて、
トータルの空気抵抗は小さくなる」という技術です。
『IO』は、その「ボルテックスジェネレーター」が搭載されたバイクなんです!
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目次
「Diamonback」というメーカー
「Diamondback」の日本での知名度は皆無ですが、
創業は1978年、今年で39年目を迎える立派な老舗メーカーです。
2014年、トライアスロンバイク「Serios(セリオス)」を発表。
2015年、カムテールデザインのエアロロード「Podium(ポディウム)」を発表。
2016年、超ド級のトライアスロンバイク「Andean(アンディアン)」を発表。
(日本で乗っている唯一かもしれない方のインプレ記事①、インプレ記事②)
そして、今回2018年モデルとした発表されたのが、エアロロード『IO』です。
「SPEED CORE」と名付けた3つの空力学的テクノロジー
- ボルテックスジェネレーターとして働く”窪み”
- 極端に下方オフセットされたシートステイ
- 工具やリペアパーツを収納できるBB前のカウル
①ボルテックスジェネレーターとして働く”窪み”
ボルテックスジェネレーターは、
通常フィンを取り付けるものなんですが、
『IO』の場合は”窪み”(オレンジ部分)。
「フィン」や「窪みの大小」など、
色んなパターンで風洞実験を行った結果、
カムテール形状のフォーク、ダウンチューブ、シートチューブの後ろ側、
左右の角に計38個の大きめの窪み”を配置することに決められました。
その様子の動画もあります↓
②極端に下方オフセットされたシートステイ
最新の「S-WORKS ターマック SL6」の下方オフセットされたシートステイ。
シートチューブが後方へしなりやすくなり、
「快適性」と「路面追従性」が高まることを狙っています。
FELTのトライアスロンバイク「IA」。
こちらの極端に下げられたシートステイは、
「空気抵抗削減」と「横剛性アップ(←リア三角が小さい)」が目的です。
『IO』は、「S-WORKS ターマック SL6」と「IA」の
両方のメリットを併せ持った下方シートステイになっています。
シートステイに垂直方向の柔軟性を出すため、
シートチューブに近い部分を扁平形状にしているのは、
「S-WORKS ターマック SL6」にも見られる工夫です。
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③工具やリペアパーツを収納できるBB前のカウル
「Andean」にも見られるBB前の収納スペース。
- 重心が下がって走りの安定感が増す
- サドルバッグが必要なくなる
- カウルになって空力学的に有利に働く
BB前であることのメリットは大きいです。
ただ、乗車中に手の届く位置ではありませんから、
補給食を入れておくには向いていません。
そこで、『IO』では、
ストーレッジをステム後ろに取り付けられる作りになっていて、
補給食はここに入れておくことができます。
以上が「SPEED CORE」と呼ばれる技術です。
この3つのテクノロジーによって、
『IO』の空気抵抗は、同社の「Podium」に比べて-20%。
トライアスロンバイク「Serios」と比べた場合は、
さすがに劣っているものの、+10%に抑えられています。
『IO』は革新的エアロロードバイク
「”革新”が我々のプレイグラウンドである」という理念の元、
「斬新な発想」と、それを実現する「熱意」でもって生み出された『IO』。
「より薄く」「更に軽量に」という競争もいいんですが、
正直なところ、そういった争いは面白味が少なくなってきました(^^;
ですが、『IO』に見られる技術はとても革新的で、
先日紹介した33gのチューブ「Tubolito」同様
見ていて心踊らされる、ワクワクしてくるものがあります。
販売ラインナップは4種類。
100万越えの完成車もありますが、
「Sram Force 1×11速 ワイヤー式Disc」+「Vision Trimax 30」の$4,000(≒45万)、
「アルテグラDi2 R8050 油圧式Disc」+「Zipp 302」の$5,600(≒63万)が現実的です。
[ダイアモンドバック]Diamondback Podium E’tape 105 Bike – 2016 レーシングバイク CARBON/RED 52 cm [並行輸入品]
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