松木です。
「軽いほど坂が速い」とは言いますが、
どれぐらいタイムが速くなるか知っていますか?
今回はヒルクライムレースとは切っても切れない「重さ」について。
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ヒルクライムと重量の関係
(2014年 全日本マウンテンサイクリング in 乗鞍 優勝バイク 6.35kg。前後2kgの鉄下駄GOKISOホイールを履いている。)
早速ですが結論。
1kg痩せると、100mの獲得標高で3~4秒速くなります。
「えっ!?そんだけ!?」
と思った人が多いんじゃないでしょうか(笑)
これは物理法則と、経験則の両方から考えた結果で、
自信があります。
で、この「重さとタイムの関係性」も大事なんですが、
それよりも自分が言いたいのは、
「軽さに躍起になりすぎると、むしろ逆効果」
だということです。
パーツ軽量化の「真の」効果を考える
軽いほど上り坂で有利。
これは間違いありません。
ただ、これは
「他の条件が同じ場合」に限ります。
例えば、
前後800gの超軽量ホイール。
1300gのホイールと比べて500g軽くなりますから、
獲得標高1000mのヒルクライムで
15~20秒(0.5kg×3~4秒×10倍=15~20秒)速くなります。
ですが、
軽さのために「2つの性能」が犠牲になってしまいます。
まず一つ目は、「ホイール剛性」。
軽いホイールは
力が加わった際に”たわみ”が生まれます。
すると、
ぺダリングの力が吸収されて推進力が殺され、
加速感のない、モッサリした感じが出てしまいます。
それともう一点が、「巡航性」
軽すぎるホイールは、
「回転慣性」が働きづらく、速度が落ちやすいです。
結果として、
「軽すぎるデメリット」が「軽さのメリット」を上回ってしまったら、
むしろタイムが遅くなってしまいます。
性能を保ったまま、軽くできる限界は
5.5kgぐらいまでだと考えています。
4kg台のバイクを見ると
「すげー!!」って素直に思うんですけど、
本当に速い人は無理やりな軽量化はせず、
どこかで線引きしています。
身体を絞ることは、人生を狂わすほど「危険」
「機材の軽量化」の次は、「減量」について。
身体のほうが機材よりも圧倒的に軽くすることができます。
だから、タイム短縮効果も大きい。
ですが、機材同様、軽すぎると遅くなります。
なぜなら、
パワーとスタミナが落ちるからです。
一番やっちゃいけない減量が、
「大会直前に一気に落とす」方法。
何度も経験していて分かるんですが、
これは間違いなくリバウンドします。
100%します。
絶対します。
鉄の意志でレースまで体重を維持できたとしても、
レースが終わったら、必要以上に食べ続けてしまいます。
これは腹が減ったとかそういう話ではなくて、
満腹になっても本能的に食べることを止められなくなるんですよ!
なぜかというと、
減量中に食べ物のことが離れなくなる思考、
つまり、「食欲の癖」をつくってしまうと、
その後、お腹が満たされた状態になっても、
「食欲の癖」は残っていて、食べ物から頭が離れないからです。
これがいわゆる過食症(^^;
ヒルクライムレースで上位入賞者のブログを読んでいると、
たまに食べまくっている写真なんか撮ってますけど、
あれは明らかに過食症状です。
この食に対する中毒症状は、
なかなか消すということはできず、
食べ物のことが気になって、
集中できなくなったり、体調を崩したりして、
日常生活に影響します。
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我慢しないヒルクライマーを目指す
かく言う自分も色んな減量をしてきました。
- 激しい食事制限に加え、脂質を徹底的に排除
- 緩めの低炭水化物ダイエット
- 「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」を取り入れた食生活
- 20万つぎ込んだライザップ系ダイエットプログラム「24/7 workout」
お金に糸目をつけず、
巷で話題の減量法は軒並み体験しましたが、
結果的にリバウンドして、
どれ一つとしてうまくいってません。
たとえ、方法は違っても、
うまくいかないパターンは決まっていました。
食事制限
↓
大小あるものの「我慢」を強いられる
↓
食べ物のことが頭から離れなくなる
つまり、「食欲の癖」がついてしまう
↓
我慢できずに「一度だけ‥」という気持ちで
ドカ食いしてしまう
↓
その瞬間から、四六時中食べ続けるようになり、
一気に体重が増える
ドカ食い後は、ダムが決壊するかのように
お菓子、脂っこいものなど、
身体に良くないものを食べ続けてしまいます。
これは、「投げやりになった」とか
そういう単純な話ではなく、
もっと複雑な脳、身体の変化によるものに感じていて、
とてもじゃありませんが避けられません。
では、どうすれば一番いいでしょう?
ヒルクライマーは何かしらの方法で
絶対に身体を軽くしないといけません。
でも、食事制限は最終的に必ずリバウンドします。
ちょっと矛盾してますよね(^^;
で、自分がこの解決策を知っているかと言えば‥‥
分かりません。
なにせ、今まで「痩せよう!」と思って取り組んで、
成功したことが無いからです。
たとえ、強い精神力で、
痩せた状態をレースまで保てたとしても、
レースが終わったら、
必ずリバウンドしています。
レースで良い結果を残せたとしても、
結局過食症になってしまったら、
とても「成功」とは言えないでしょう。
ですが、数多くの減量経験から一つ思うのが、
『体重を減らすために「我慢」したら失敗する』
ということ。
何にストレスを感じ、
我慢しなければならないかは人によります。
だから、減量法に正解はありません。
脂質を気にせず、お菓子も食べていたとしても
我慢せず、パフォーマンスも落とさずに
体重を落とせているなら、それは正解です。
「我慢しないヒルクライマー」
これが自分の目指す理想像です。
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