松木です。

 

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

現在注目を浴びているSACRA『 KYLE IGNITE』ホイール。

 

この度、チューブレス対応モデル

  • 38mm『KYLE 3 IGNITE TLR』(以下『KYLE 3』と略)
  • 50mm『KYLE 5 IGNITE TLR』(以下『KYLE 5』と略)

その両方をご厚意により乗り込ませていただきましたので、
今回はその比較インプレッションです。

 

ヘタなことは書きづらいという気持ちも正直ありますが、
だからと言って、思ってもないオベンチャラを並べるつもりもないのでご安心を。

 

 

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

今回のインプレッションでは、

 

  • 『KYLE 3』と『KYLE 5』の差
  • カーボンスポーク採用による走りへの影響

 

この2点に焦点を当てていきたいと思っていますので、
先に、金属スポークのノーマル『KYLE 5』のインプレを
読んでおいてもらえればと思います↓

 松木です。  今回は『KYLE 5』の実走インプレッション。 先にインプレのハイライトをまとめておきます。   「巡航性能」「煽られにくさ」は”さすが”の一言に尽きる。 非常に軽快。初作から-81gのリム重量434gは伊達じゃない。 欠点は皆無。ただ「強く踏んだ時のかかり」に若干物足りなさを感じた。⇒リア21H/2:1組ではなく、24H/左右クロス組の方が印象良さそう。  個人的には、”ドッシリ”と安定した走りの前作も好みでしたが、「軽快さ」が際立つ新作『KYLE(カイル)5』は、よりオールラ...

 

【乗車前インプレッション】

 松木です。 カーボンスポークのSACRAホイール『KYLE 3 IGNITE』(カイル3イグナイト)をお借りしました。 詳細情報は、SACRAのHP(こちら)に記載されていますから割愛。「HPに無い情報」「実物を見て気づいた点」を中心に話していきます。 やはりカーボンスポークが興味深かったですね~ 【関連記事】 リムリム自体はノーマル『KYLE』と同一のもの。 ブレーキ面よりもやや下側が最大幅27mm。そして、リム内幅は18.5mmで、25mmタイヤに最適化された設計です。 デザイン面の変更もありません...

 

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【剛性感】『KYLE 3』75点/『KYLE 5』90点

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

両ホイールの最大の違いは「剛性」です。

 

 

まず最初に『KYLE 3』の方に乗りました。

 

「カーボンスポークだと、さぞ硬いんだろうな」
ということを予想しながら走り出したのですが、

「あれっ?硬くない?むしろちょっと柔らかく感じるぞ……」

 

 

そして、次に『KYLE 5』に乗ってみたところ、

ちょうど良い剛性感 (゚∇^d) 

 

 

普通に走っている分には、特に気にならないのですが、
ダッシュしたり、ダンシングしたりと、
「剛性」が試されるような走り方をすると、違いがハッキリします。

 

『KYLE 3』だと”たわんでいる感”が強め。

対して『KYLE 5』の場合はそのような感触は無く、
また逆に、脚に跳ね返ってくるような嫌な硬さでもなくて良い塩梅。

 

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

「剛性」に関しては、
”体重”、”パワー”、”好み”といった要素で、
スイートスポットは変わってきます。

 

ですから、誰に対しても正解の剛性絶対値というものは無いのですが、
自分の場合は『KYLE 5 IGNITE』の「剛性」がドンピシャでしたね(^^)

 

そして、おそらく「体重+車体などの装備」が65kg前後のライダーであれば、
38mmの「剛性」がマッチしてくるんだろうなと想像できました。

 

 

ちなみに、金属スポークのノーマル『KYLE 5』も含めた剛性比較をしますと、

『KYLE 5 IGNITE』(やや硬め)>『KYLE 5』(若干物足りない)>『KYLE 3 IGNITE』(柔らかめ)

 

SACRAの新作『KYLE3 IGNITE』ホイール【乗車前インプレッション】 カーボンスポーク

「金属スポークに対してカーボンスポークの伸び剛性は3倍」

 

そう言われると、”ガチガチ”である誤解を招きそうですが、
実際に走ってみると、全くの杞憂だったことが分かりました。

 

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【巡航性】『KYLE 3』90点/『KYLE 5』100点

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

ROVAL、BORA、SHIMANOなど、
有名所の50mmハイトには概ね乗った経験がありますけど、
『KYLE 5』より「巡航性」に優れたホイールを知りません。

 

故に満点。

 

30km/hを超えた辺りから早くも「巡航性」を発揮。

減速感が抑えられ、風を切り裂いているような走りは”快感”の一言に尽きます。

 

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】
SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

風洞実験上、『KYLE 5』と『KYLE 3』の間にそこまで大きな差は無いのですが、
現実には、数字以上の違いを感じるから不思議です……
(『KYLE 3』の方もヘタな50mmホイールよりも普通に伸びます)

 

SACRAの新作『KYLE3 IGNITE』ホイール【乗車前インプレッション】 カーボンスポーク

ちなみに、カーボンスポークが空気をかき乱しているような印象は無く、
「巡航性」に体感できるレベルでの悪影響はありませんでした。

【加速性、登坂性】『KYLE 3』90点/『KYLE 5』90点

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

『KYLE 3』は、常に走りに”軽やかさ”を纏っているホイール。

 

ですが、『KYLE 5』も全くもって負けておらず。

 

リム重量は『KYLE 3』401g、『KYLE 5』444gとなっており、
片側43gも重いはずなのですが、『KYLE 5』はそれを感じさせません。

 

思うに、『KYLE 5』の「剛性」「エアロ」が機能する結果、
重量のデメリットを撥ね退けてしまうんだろうなと。

 

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

「50mmもあって坂はまともに登れるのか?」という心配は無用の長物。

 

緩斜面なら「巡航性」が発揮され、
急斜面でも「ディープリムの割に軽量なリム」が威力を発揮。

 

また、カーボンスポークによって「剛性」も高くなっているために、
ノーマル『KYLE 5』よりも急勾配をシャキシャキ登れる感触がありました。

 

『KYLE 3 IGNITE TLR』1232g、『KYLE 5 IGNITE TLR』1320gと、
車体全体の軽量化にも貢献してくれますから、クライマーにもGOOD。

【快適性】『KYLE 3』95点/『KYLE 5』90点

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

乗り心地は極上。

 

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

とは言え、ホイール自体の乗り心地よりも
MAVICのチューブレスタイヤが圧倒的。

 

クリンチャーだと7bar入れないといけない所を
チューブレスだと6barで済みますから「そりゃ全然違うだろ」という話です(笑)

 

ちなみに、エイジサイクルの岩島さんは、
「カーボンスポークのしなやかさが気に入った」とおっしゃられているそうなので、
カーボンスポークが「乗り心地」に影響を与えている面も多少はあると思われます。

 

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

コーナリングの食いつきも異常。

いくら車体を傾けても、滑りそうな気配はありません。

 

コーナー侵入前に、クリンチャーの時と同じように減速すると、
「そんなにブレーキをかけなくても行けたな」と思うこともしばしば。

 

 

チューブレスは「転がり抵抗が小さい」などと言われたりもしますが、
そんなことより「走りの質」そのものが大きく変わることの方が重要。

 

そして、その「走りの質」の向上が、
ひいては”速さ”にもつながってくるという感じがしますかね。

【ブレーキ】『KYLE 3』80点/『KYLE 5』80点

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

リム自体はノーマル『KYLE』と同じですから、当然「制動力」も変化無し。

 

雨さえ降っていなければ、特に不安を感じることはないものの、
ブレーキ面になんら特殊加工が施されていないため、
リムが濡れれば、普通にブレーキは効きづらくなるでしょうね。

【まとめ】ホイールの新たな可能性を提示したKYLE IGNITE

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

『KYLE 3 IGNITE TLR』

【剛性感】75点
【巡航性】90点
【加速性&登坂性】90点
【快適性】95点
【ブレーキ】80点
【お気に入り度】85点

 

良くも悪くもクセの少ない万能型。

 

「剛性」は決して高くはなく、
「体重が軽い」もしくは「ハイケイデンスで走る」ライダーに適するかと。

 

それから、多少柔らかいが故に「乗り心地」が良く、
また、横風に煽られにくくて「コントロール性」の優れるという特徴から
サイクリング志向の方には『KYLE 3』が向いているでしょう。

 

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

『KYLE 5 IGNITE TLR』

【剛性感】90点
【巡航性】100点
【加速性&登坂性】90点
【快適性】90点
【ブレーキ】80点
【お気に入り度】95点

 

『KYLE 3』よりも100g弱重いものの、
その重量差をチャラにする「エアロ」は圧巻。

もはや”官能の域”にあります。

 

カーボンスポークによって55g軽量化されている上に、
感じ取れるレベルでの「剛性」アップにより、
50mmハイトであることを忘れてしまう「俊敏性」も獲得。

 

褒める事しかできず悔しいですが(笑)、
やはり『KYLE 5』こそが『KYLE』の真骨頂だという感じがしますね(^^)

 

 

SACRA『KYLE 3&5 IGNITE』ダブル実走インプレッション【サクラホイール】

 

「軽量」「高剛性」「振動減衰」

 

メリットは明白ながらも、
一本一本成型しなければならない”手間”と”コスト”を考慮すると、
大手メーカーは易々と踏み切ることが出来ないカーボンスポーク。

 

「もっと優れたホイールを」という強い向上心を抱き続けた
SACRAだからこそ生み出すことが実現した『KYLE IGNITE』は、
ロードバイクホイールの新たな境地を切り拓いたと言えるでしょう。

 

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