松木です。
Cycling Weeklyによるベロドローム実験
「最速のエアロロードバイクがどれ?」第三弾が実施されました。
第二弾↓
エアロロード対決「Venge Vias」vs「Foil」vs「Oltre XR4」の結果
今回用意されたのは、次の4台です。
- Specialized『S-Works Tarmac(ターマック)』
- MERIDA『Reacto(リアクト)』
- Cannondale『Supersix Evo(スーパーシックスエボ)』
- MERIDA『Scultura(スクルトゥーラ)』
はっきりエアロロードと言えるのは、
メリダ『リアクト』ぐらいのもの。
ですが、どのバイクにしても
第三機関によって「空力」テストを行われたのは”初”のはずです。
果たしてメーカー公表通りの「空力」を発揮したのでしょうか?
スポンサーリンク
目次
実験された4台の特徴
スペシャライズド『S-Worksターマック』
スペシャライズドには『Venge Vias』という
「空力」が完璧(だけど「快適性」は最悪)なエアロロードがあります。
対する『S-Works Tarmac』は”全体バランス”に主眼を置いたモデル。
今シーズンも既に
「クイックステップ・フロアーズ」のアラフィリップ、テルプストラ
「ボーラ・ハンスグローエ」のサガンなどによって勝ちまくっているバイク。
『S-Works Tarmac』は、あくまでオールラウンドモデルですが、
他の性能に影響を及ぼさないとして、
「フォーク」「シートステイ」「シートポスト」の3箇所にのみ
”流線形”、”カムテール形状”が採用されています。
これにより、TREKやCannondaleの軽量モデルに比べて
40kmを走ったときに-45秒、出力にすると-8~10w
のアドバンテージを得ることができるそうです。
【2018年モデル】スペシャライズド『S-WORKS ターマック SL6』の全貌とインプレ。
メリダ『リアクト』
細部にまで「空力」「軽量」にこだわったマシン。
新型『Reacto』は、『Scultura』に比べて
45km/h走行において18w削減できると公表しています。
【2018年モデル】MERIDAエアロロードバイク新型『リアクト』が明かされる。
今回の実験における一番の目玉と言えるでしょう。
キャノンデール『スーパーシックスエボ』
三台目は、キャノンデール『スーパーシックスエボ』。
キャノンデール初のエアロロード『システムシックス』6つの特徴。
先日発表された『システムシックス』ならまだしも、
「空力」に関して特徴の無い『スーパーシックスエボ』は、
今回のテストに相応しいバイクとは言えないですね(^^;
ただ、「一般的なロードバイク」という位置づけで、
他の三台と比較するために用意されたと考えられます。
メリダ『スクルトゥーラ』
第二弾でも登場した『スクルトゥーラ』。
第二弾と第三弾の間で比較しやすくする目的があります。
もちろん新型『リアクト』との差も気になるところ。
実験方法
実験場所は、1周250mの「ダービーベロドローム」。
「ブラケット」「ドロップ」「エアロフォーム」の
それぞれのポジションで6周ずつ走り、
パワータップ『G3』ハブにより”速度”、”パワー”などを計測します。
得られたデータは
「Watt Shop」が開発したソフトウェアに入力され、
「Aero Watt」を算出します。
「Aero Watt」=「45km/h走行に必要な出力」-「転がり抵抗」-「駆動抵抗」
つまり「Aero Watt」は「空気抵抗」だけを抽出した値と言えます。
ホイールは、Fast Forward『F9R』。
乗り手、ウェアはもちろん、
サイコン、ボトルといった小物まで統一し、
可能な限り同条件になるように配慮されています。
スポンサーリンク
結果
まずは、前回の結果のおさらい。
「Foil」≒「Venge Vias」>「Oltre XR4」>「Scultura」
※Aero Watts@45kphの補足
1wの違いによって、1km走行で約0.1秒の差が生まれます。
例えば「ドロップ」ポジションで「Foil」「Scultura」で走った場合、
371.27-336.32≒35wですから、1kmで3.5秒もの差が付く計算になります。
そして、今回の結果。
『Reacto』>『S-Works Tarmac』>『Scultura』>『Supersix Evo』
同じ『スクルトゥーラ』であっても、
「どうしても出てしまう実験誤差」「多少の装備の違い」
によって差は出てしまっていますが、まあ許容範囲でしょうか?
そこで、第二弾と第三弾の結果を統合してみると、
『Foil』≒『Venge Vias』>『Oltre XR4』≒『Reacto』
>『S-Works Tarmac』>『Scultura』>『Supersix Evo』
注目だった新型『リアクト』。
『Oltre XR4』と同レベルの「空力」を備えていて
なかなか善戦しているとは思いますが、
さすがに『Foil』『Venge Vias』といったモンスター級の
エアロロードには届いていないようですね……
また、『リアクト』と『スクルトゥーラ』を比較した場合、
各ポジションにおける出力差の平均を取ってみると17.9w。
メーカーが公表している削減出力は18wでした。
嘘偽りのない素晴らしい一致ですね(^^♪
そして『S-Works Tarmac』。
『スクルトゥーラ』と比べれば、
- ブラケットポジション:-4.0w
- ドロップポジション:-6.2w
- エアロポジション:-4.9w
※1wの違いによって、1km走行で約0.1秒の差が生まれる
平均だと-5.0wという地味に大きな差。
セミエアロも馬鹿にはできません。
そして、『スーパーシックスエボ』と比べると、
- ブラケットポジション:-15.0w
- ドロップポジション:-18.6w
- エアロポジション:-13.7w
平均で-15.7wもの節約が可能。
それにしても『スーパーシックスエボ』の「空力」が悪すぎ(笑)
以上、Cycling Weeklyによる
「どのエアロロードバイクが最速?」第三弾でした。
贔屓無し、かつ実走に近い条件でテストしている
このシリーズは、信頼性が高いと思うので結構好きですね~。
第四弾も期待しながら待ちたいと思います。
スポンサーリンク