松木です。

 

ロードバイクの中で、
一番コスパの良いグレードアップはどこか知っていますか?

 

それはタイヤです。

 

ホイールやビッグプーリーみたいな派手さはないですが、
実は、10万クラスのホイール並みの効果があります。

 

「どこかグレードアップしたいなぁ」と思ったら、
ヘタなパーツに飛びつかず、迷わず即行でタイヤを変えましょう。

 

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主なクリンチャータイヤの路面抵抗実験

http://www.bicyclerollingresistance.com/road-bike-reviews

↑タイヤの種類ごとの科学的実験結果。

 

実測重量、路面抵抗、耐パンク性能などが測定されています。

 

実走に近づけた少し凸凹の路面を使い、40km/hで実験しています。

 

1位と再下位のタイヤでは、出力にして30w近い開きがありますが、
これだけ違ったら、時速にしたら1.5km/h以上変わってきます。

 

つまり、38km/hで巡航できているなら、
前後のタイヤを交換するだけで、
約40km/hで走れることになります。

実験結果から見る最高レベルのクリンチャータイヤ「スペシャライズド S-WORKS TURBO」

スペシャライズド S-WORKS TURBO

GRIPTONコンパウンドが
世界最高レベルの路面抵抗の低さを示すこのタイヤ、
「ミシュランPOWER COMPETITION」と特徴が、かな~り似ています。

 

「ミシュランPOWER COMPETITION」について、以前書いた記事↓

 

 

両者の共通点をザッっと挙げてみます。

 

  • 耐摩耗性は中(前輪2000~2500km、後輪はその半分)
  • S-WORKS TURBOが24cで実測210g、POWER COMPETITONが25cで実測215g
  • 側面の耐パンク性能はそれほど高くなく、サイドカットには強くない
  • コロコロ転がるといった乗り味ではなく、「サー」っと滑るような軽さがある
  • グリップ感があって、カーブで倒し込んでも不安を感じない

 

 

路面抵抗は、「S-WORKS TURBO COTTON」<「ミシュランPOWER COMPETITION」ですが、
「S-WORKS TURBO COTTON」のほうが、「S-WORKS TURBO」より抵抗が少し低いです。

 

つまり、「S-WORKS TURBO」≧「ミシュランPOWER COMPETITION」ということ。

 

ただ、別のところが行った結果では、
「ミシュランPOWER COMPETITION」>「S-WORKS TURBO COTTON」だったりします。

 

似た乗り味で路面抵抗もほぼ同じですから、
両者の優劣を付けがたく、決定的な差はありません。

「コンチネンタル4000sⅡ」VS「シュワルベONE」

現在、前輪に「コンチネンタル4000sⅡ」、
後輪に「シュワルベONE(V-guard)」を付けて走っています。

 

実験結果によると、路面抵抗の低さは
「コンチネンタル4000sⅡ」のほうが「シュワルベONE」よりわずかに低いです。

 

ただ、この部分は体感できるほどじゃありません。

 

実際に感じる大きな違いとして、
「シュワルベONE」のほうが、柔らかく、乗り心地が良いということ。

 

「コンチネンタル4000sⅡ」は、
硬質なゴムのおかげでコロコロ転がる軽さがある半面、ごつごつ感もあるんですけど、
「シュワルベONE」には、それがありません。

 

「コンチネンタル4000sⅡ」は、”耐久性”と”転がりの軽さ”で人気があり、
レース会場なんかでも一番目にするタイヤなんですけど、
「硬いのがなぁ‥」なんて不満に思っている人には「シュワルベONE」のほうがオススメ。

 

「シュワルベONE」は耐摩耗性、耐パンク性ともに
「コンチネンタル4000sⅡ」に匹敵するレベルですから、
普段使いからレースまで、幅広く活躍できるタイヤです。

 

でも、知名度の低さのせいで、使っている人は少ないです。

その他の注目の3種類のタイヤ

『コンチネンタルSUPERSONIC』

コンチネンタルsupersonic

現時点で最速に近い究極のタイヤ。

 

上記の実験結果には登場してませんが、
別の実験結果によると、
「S-WORKS TURBO COTTON」や「ミシュランPOWER COMPETITION」
に近い路面抵抗となっています。

 

圧倒的な軽さ(23cで実測165g)を誇っていて、
ヒルクライム、ロードレースの両方において、
日本一になったホビーレーサーが使用していたことでも有名です。

 

「コンチネンタルSUPERSONIC」についての記事↓

乗鞍覇者の森本さんのリアホイールはゴキソハブとカーボンクリンチャーという組み合わせだった。そしてホイールの重さは1900という『鉄ゲタ』ホイールだった。しかし、重量よりも転がり抵抗を減らすアッセンブルでコースレコードを一分短縮に迫るタイムを

 

自身でもしばらく使用していた経験がありますが、
さずがに走りは抜群に良い。

 

ただ、耐パンク性能は接地面、サイドともに終わっているレベルなので、
(上の実験に沿って表現するなら、6/2ぐらいになるかと思います)
レースで使用するなら、パンクリタイヤもある程度覚悟しないといけません。

 

およそ200~300kmに1回のペースでパンクしていました(笑)

 

だから、「ここ一番」というレース以外で使うタイヤじゃないです。

 

『ブリジストン R1S』

シクロワイアードの記事↓

日本が世界に誇るタイヤブランド、ブリヂストン。2009年から、ロードバイク用タイヤ「エクステンザ」シリーズを発売し、その高い性能で自転車界においても多くの支持を集めてきた。そのエクステンザシリーズの中でもフラッグシップにあたるレーシングライン「1シリーズ」が、5年ぶりのフルモデルチェンジを果たし、その性能に更なる磨きをかけて登場した。

 

23cにして、実測142gという、世界一軽量なクリンチャータイヤ。

 

ただ、パナレーサーなどもそうですが、
日本のタイヤメーカーは、科学的な実験結果はありませんから、
実際に速く走れるのかは未知なタイヤです。

『ヴィットリア CORSA(G+)』

シクロワイアードの記事↓

プロからの信頼も厚いロードレーシングタイヤの雄、ヴィットリア。その頂点に君臨するハイエンド「CORSA」とセカンドグレード「RUBINO」が刷新された。最先端素材「グラフェン」と共に劇的な進化を果たした両シリーズの性能を、選手時代からヴィットリアを長く愛用してきたという今中大介さんによるインプレッションと共に紐解いていく。

 

実験を見れば分かりますが、
「コンチネンタル4000sⅡ」と「シュワルベONE(V-guard)」に挟まれていて、
これらのタイヤとほぼ同じ性能。

 

実際に乗った印象では、
「コンチネンタル4000sⅡ」より「シュワルベONE(V-guard)」に近い乗り味です。

 

ただ、耐摩耗性はメーカーが掲げているほど高くはありません。

 

「CORSA(G+)」は、Wiggleなら比較的安く入手でき、
実験によると耐パンク性能もかなり高いんですが、

 

その半分ほどの価格で購入でき、
耐摩耗性も高い「シュワルベONE(V-guard)」のほうが実用的だと思います。

『コンチネンタルATTACK & FORCE 3』

コンチネンタルATTACK & FORCE 3

この「アタック&フォース」は、
コンチネンタルの中の、前後異形モデル。

 

今回、昨今のタイヤの極太化の流れに沿って、
前22c→23c、後24c→25cに変更される”バージョン3”がリリース。

 

このタイヤに関して、
「なぜ速いのか」を科学的話した記事です↓

『2017年からコンチネンタルタイヤが変わった!?「アタック&フォース 3」の評判』

 

 

確かに前後でタイヤの役割は違うはずですから、
前後のタイヤで役割を分けている「ATTACK & FORCE」は理に適っています。

 

路面抵抗の低さもトップクラスな上、
使用者の評判も高くて注目のタイヤです。

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結局、世界最速のクリンチャータイヤは?

フォーミュラカーのように、純粋に「速さ」だけを求めるなら
現状「コンチネンタルSUPERSONIC」が、最速です。

 

ただ、耐久性が絶望的に弱いので、
普段から使える代物ではありません。

 

25cのラインナップがないのも、少しデメリットです。

 

 

そこで、「POWER COMPETITION」や「S-WORKS TURBO」、
実験結果の良好な「コンチネンタルGP TT」がレース用としては優れていますが、

 

普段から気にせずガンガン使えるような耐摩耗性、耐パンク性も重視したいなら、
「コンチネンタル4000sⅡ」と「シュワルベONE」のほうが向いています。

 

この2つのモデルは、他と比べて耐久性がズバ抜けていて、
ちょっとやそっとじゃ全然パンクしませんし、
ネットなら3000円台で入手できて、コスパも申し分ありません。

 

まとめると、

  • パンク覚悟の、数秒を争うようなレース:「SUPERSONIC」
  • パンク性能が比較的マシなレースタイヤ:「GP TT」「ATTACK & FORCE Ⅲ」
    「POWER CONPETITION」「S-WORKS TURBO」
  • 普段使いからレースまで幅広く:「4000sⅡ」「ONE」

 

※パンク性能が比較的マシなレースタイヤの比較まとめ
「GP TT」:入手可能価格6,500~8,500円、実測25cで195g、耐パンク性能8/4
「ATTACK & FORCE Ⅲ」:前後10,000~12,000円、1本あたり195~200g、耐パンク性能9/4
「POWER CONPETITION」:5,000円、25cで215g、11/3
「S-WORKS TURBO」:6,000円弱(ノーマル)、26cで231g
10,000円弱(コットンモデル)、26Cで240g強、耐パンク性能8/4

 

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