松木です。
かねてから噂されていた新型「Emonda」。
ツール・ド・フランス開幕に合わせて発表されました。
一目見ただけでは、形が変わっているようには思えず、
どこが改良されているのかがはっきりしませんでしたが、
実際、どういった進化を成し遂げていたのでしょうか?
包まれていたベールを剥いでいきましょう。
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目次
新旧「Emonda」を見比べてみる
まず、こちらが旧型。
そして、こちらが新型です。
見比べても、その違いはほとんど分かりませんが、
新旧の見分け方は「ケーブルの取り回し」。
リアブレーキケーブル入り口:右側⇒左側
シフトケーブル入り口:ダウンチューブ斜め上⇒ダウンチューブ真上
という明らかな違いが見て取れます。
新旧「Emonda」の違い
旧型よりもさらに理想的な
「軽さ」「快適性」「剛性」「ハンドリング特性」を得るために、
トレック・セガフレードの協力の元、1年以上に渡ってテストを続け、
カーボン積層の編集やミリ単位での改善や、形状の微調整が行われました。
- フレーム単体重量は、640g(56サイズ/H1フィット/塗装前)と旧型比-50g
- フレーム全体剛性向上。4.00⇒3.55で、数字が小さいほど高剛性。
- ヘッドチューブ剛性86.5⇒88(Nm/Deg)。数字が大きいほど高剛性。
- BB剛性52⇒56(N/mm)。数字が大きいほど高剛性。
- 縦方向の振動吸収性162⇒165(N/mm)。数字が大きいほど快適。
- ケーブルの取り回しの変更(Control Freakケーブルマネージメント)
- Speed Stopブレーキよりも40g軽い「Speed Stop Pro」ブレーキを搭載
引き続き「OCLV700カーボン」ですが、
使っているカーボンも、製造方法も
2年前の「OCLV700カーボン」と同じものではありません。
三菱、東レ、ヘクセル、東邦など、様々なサプライヤーのカーボンをミックス。
各種類のカーボンをフレームのどの部分に使うか、繊維の向きや積層はどうか、
そしてレジンや製造工程など、全ての項目が改良されているそうです。
ちなみにフォーク関しては、
280g⇒313gと、公表重量では重くなっています。
ただ、280gはコラム長235mm、
313gはコラム長300mmの話ですから、
実際の重さは”ほぼ同じ”と考えていいでしょう。
ケーブルの取り回しの変更(Control Freakケーブルマネージメント)
元々シフトケーブルの入り口は赤丸の部分に2か所にありましたが、
やや後方の真上1か所に変更することで、
より自由度が増したケーブルルーティン(取り回し)。
併せて、リアブレーキケーブルはトップチューブの右側から左側へと変更。
左後ろブレーキにするなら、左側のほうが確実に有利です。
「Control Freakケーブルマネージメント」という名前が付けられました。
Speed Stopブレーキよりも40g軽い「Speed Stop Pro」ブレーキ
現行の「Speed Stop」ブレーキ。
セット重量232g。
ちなみにR9100系のダイレクトマウントブレーキの重量は307gですから、
これでも十分に軽いほうでした。
新しい「Speed Stop Pro」ブレーキは、
徹底的に無駄が省かれた中空アームと
各部のパーツにチタンを用いることで40gの軽量化を実現。
片側95g、つまり前後でたったの190gになります。
軽量化に敬虔なヒルクライマーがよく使っているブレーキ、
大胆な肉抜き加工の施されたKCNC「CB3」が170g。
「Speed Stop Pro」ブレーキは、
このKCNC「CB3」に肉薄していますね。
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新型「Emonda SLR」のラインナップ
『Emonda SLR 9』 税込¥1,199,880
メインコンポ:DURA-ACE R9150
ブレーキ:Bontrager「Speed Stop Pro」
ホイール:Aeolus 3 D3 TLR
タイヤ:Bontrager「R3 25c」
ハンドル:Bontrager「XXX VC-R」
ステム:Bontrager「Pro」(100mm/137gの高剛性アルミステム)
サドル:Bontrager「XXXカーボン」
『Emonda SLR 8』 税込¥860,760
メインコンポ:DURA-ACE R9100
ブレーキ:Bontrager「Speed Stop Pro」
ホイール:Aeolus Pro 3
タイヤ:Bontrager「R3 25c」
ハンドル:Bontrager「XXX VC-R」
ステム:Bontrager「Pro」(100mm/137gの高剛性アルミステム)
サドル:Bontrager Montrose Elite(チタンレール)
「SLR 9」と比べると、
機械式コンポ、サドル、ホイールの部分でコストダウンしています。
『Emonda SLR 6』 税込¥590,760
メインコンポ:ULTEGRA R8000
ブレーキ:Bontrager「Speed Stop Pro」
ホイール:Bontrager「Paradigm Comp」
タイヤ:Bontrager「R3 25c」
ハンドル:Bontrager「XXX VC-R」
ステム:Bontrager「Pro」(100mm/137gの高剛性アルミステム)
サドル:Bontrager Montrose Elite(チタンレール)
「SLR 8」と比べると、コンポ、ホイールの部分でコストダウン。
ホイールの「Paradigm Comp」は、
¥88,000、重量1,585gのミドルグレードアルミホイールで、
リム以外のハブとスポークの部分は「Aeolus Pro 3」と共通です。
コンポはULTEGRA R8000系、
ブレーキ、ハンドルは「SLR 9」と共通ですし、
コスパ面で言うと、この「SLR 6」が最も優れていますね。
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