松木です。
開幕中の「クリテリウム・デュ・ドーフィネ」。
スペシャに続いて、トレックも対抗するかのように
新作『マドン9 Disc』を投入してきました。
パッと見だと、
ステム別体型エアロハンドルが投入されているのと、
ブレーキがディスク仕様になっただけにも思えます……
ですが、よくよく見てみると、
フレームの随所に形状の変化が見られました。
2018年の新型『Emonda』が出た際と似ています。
見た目に大きな変化はなかったものの、
その実、カーボン積層のミリ単位での改善や、フレーム形状の微調整が行われており、
「軽さ」「快適性」「剛性」「ハンドリング特性」の理想が追求されていました。
それでは、新旧『Madone』で形状を見比べながら、
その変化にどういった意味があるのか考えていきたいと思います。
【関連記事】
スポンサーリンク
目次
新旧比較
まずは全体像。
現行。
新型。
すぐに気づく”ディスクブレーキ化”以外にも、
- ハンドル
- ヘッドチューブ
- トップチューブ
- BB周辺
- Iso Speedシステム
- Di2の収納方法
などの部分の変化に気づきます。
ハンドルの新旧比較(「使い勝手」UP)
現行『マドン9』のステム一体型エアロハンドル。
「ハンドルまでの距離を変えてみたい」と望んでも、
価格的に、そうやすやすと変える訳にはいきませんでした。
それが、エアロ性能を維持したままステム別体型を実現。
ハンドルは、下側から4本のボルトで固定されてますね。
専用のサイコンマウントは、正面からネジ止めでしょう。
ヘッドチューブの新旧比較(「空力」UP)
下が2019年モデル。
ヘッドチューブの”くびれ”が大きくなっているように見えます。
空力的メリットを考えて「1mmでも薄く」という事なんでしょうね。
トップチューブの新旧比較
続いて、トップチューブですが、
スローピングである点は変わらないものの、
”弓なり”だったのが、より”直線”に近づいています。
ただし、この事に性能的なメリットは無さそうです(^^;
ちなみにですが、フレームの各チューブの内、
ダウンチューブ、シートチューブ、シートステーの3本には、
新旧の間に、はっきりと分かる違いは見当たりません。
スポンサーリンク
BB周辺の新旧比較(「剛性」UP)
現行(左)のほうも、十分ゴツいっちゃゴツいのですが、
2019年モデルと比べてしまうと雲泥の差です。
全体的にボリュームが増しており、
チェーンステイも角ばったスクエア形状に。
明らかに「剛性」アップ、
ひいては「加速性」「パワー伝達性」の向上が狙われています。
Iso Speedの新旧比較(「乗り心地」UP)
『マドン9』の代名詞の一つと言える「Iso Speed」。
デコボコな地面からの突き上げがあった際、
写真の赤いチューブが、軸を中心に少し回転して衝撃をやわらげることで、
エアロロードが苦手とする「快適性」を生み出すためのシステムです。
基本構造は変わってなさそうですが、
はっきりと形状的な変化が見られますね。
現行モデル(左)は、緑の部分が繋がっていますが、
2019年のほうは繋がっていません。
その代わり、2019年モデルのIso Speedは、
「黒色の樹脂」「白のカバー」が広い割合を占めています。
総じて、2019年のほうが、フレーム間の分離具合が増しており、
より”しなり”やすく、そして「乗り心地」を高める構造になっていると感じます。
Di2のジャンクションAとバッテリーの収納場所は?
現行モデルでは、ダウンチューブに
「ジャンクションA」「バッテリー」を収納できるようになっています。
ですが、新型のほうには見当たりません……
とりあえず「ジャンクションA」に関しては、
ハンドルバーエンドタイプで解決できているとして、
「バッテリー」のほうは一体何処に隠れているのでしょう?
シートチューブに新たに設けられた穴がどうも怪しい……
予想通りにDi2関連のための穴なのか、
はたまた「Iso Speed」に関係するものなのか……
『Madone 9 Disc』は相当期待できる
全メーカー中No.1のエアロ性能を誇っている現行『マドン9』。
「空力」という面では、大きな進化は見込めないでしょう。
それよりも
「弱点だった”使い勝手”の改善」(ハンドル、ブレーキ)
「更に追求されたフレーム性能」(BB周辺、Iso Speed)
この2点が、2019年モデルの目玉と言えそうです。
特に、ブレーキは”最低クラス”のメンテナンス性でしたから、
こと『マドン9』に関して、ディスクブレーキ化は限りなく正解。
もちろん「制動力」も大幅にアップしますし、良い事しかありません。
また、
フレームの細部を見直し(形状だけでなく、おそらくカーボン積層も)、
性能面でも、貪欲なほどに追求されている様子。
『マドン9』には何度も試乗していますが、既に文句無しのレベル。
その「フレーム性能」がより洗練されているとすれば、
新生『Madone 9 Disc』には、否が応でも期待してしまいますね(^^)
楽しみです。
スポンサーリンク
はじめましてで失礼します。
Di2のバッテリーですが、ドマーネみたいにダウンチューブのボトルケージの下にかくれてるんじゃないでしょうか?
ヨシオさん、はじめまして!
なるほど……そんな場所にバッテリー台座がありましたか(^^;
ご教授ありがとうございます!
はじめまして。
いつも細やかな記事を楽しく読んでいます。
MADONE 9は自分をロード沼に引きずり込んだバイクなので、今回の新型?は期待大です。
ご存知かもしれませんが、Instagramなどで新型?のトップチューブ裏が写った画像を見ると、DOMANE SLR にあった、シートポストのしなりを調整する機構とよく似た形の構造がありますね!
自分の妄想が正しければ、今回の新型?の最大の特徴になるかと思います!
と、一人で勝手に盛り上がってどこかに思いの丈をぶつけたくて初カキコしました(^-^)
これからも楽しみにしています。
長文失礼しました。
朱音さん、はじめまして(^^)
そんなものがありましたか!シートポストのしなり調整機能の採用は、十分考えられますね!
貴重な情報を提供していただきありがとうございます!
はじめまして、いつも具体的な内容大変勉強になります。マドン9 Disc、楽しみすぎて夜も眠れません!いつものパターンでいくといつぐらいに販売開始になると思われますか?
原山台ヘルスセンターさん、はじめまして!
私も『マドン9 Disc』は2019年の中でも特段注目しているモデルで、とても楽しみですよね(^^♪
TREKは少し変わってまして、発表から発売までのタイムラグが少ない特徴があります。
もしくは同時のこともあります。
そして、毎年8月にトレックの大展示会が京都で開催されているのですが、
新製品の発売はこの展示会に合わせられることが多いという慣例を考えますと、
「8~9月頃には発売開始している」と予想しています。