松木です。

 

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』

開幕中の「クリテリウム・デュ・ドーフィネ」。

スペシャに続いて、トレックも対抗するかのように
新作『マドン9 Disc』を投入してきました。

 

 松木です。 6/3より開幕している「クリテリウム・デュ・ドーフィネ」で、スペシャライズドの次世代エアロロードがスクープされました。 『Venge Vias』と比較しながら、その特徴を見ていきましょう。 2019年モデルと現行『Venge』を比較してみるまずは現行。これと比べると新型のエアロロードは、 ※画像クリックで拡大  新型のハンドルで、もちろんケーブル類は完全内蔵している フォークの形状は、まるでTTバイクのように扁平 トップチューブのステムに近い部分の”コブ”が消滅してスマートに トッ...

 

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 エアロハンドル

パッと見だと、
ステム別体型エアロハンドルが投入されているのと、
ブレーキがディスク仕様になっただけにも思えます……

 

ですが、よくよく見てみると、
フレームの随所に形状の変化が見られました。

 

2018年emonda

2018年の新型『Emonda』が出た際と似ています。

 

 松木です。 https://youtu.be/ipj70SN2mxcかねてから噂されていた新型「Emonda」。 ツール・ド・フランス開幕に合わせて発表されました。 一目見ただけでは、形が変わっているようには思えず、どこが改良されているのかがはっきりしませんでしたが、実際、どういった進化を成し遂げていたのでしょうか? 包まれていたベールを剥いでいきましょう。 【関連記事】 新旧「Emonda」を見比べてみるまず、こちらが旧型。  そして、こちらが新型です。 見比べても、その違いはほとんど分...

 

見た目に大きな変化はなかったものの、
その実、カーボン積層のミリ単位での改善や、フレーム形状の微調整が行われており、
「軽さ」「快適性」「剛性」「ハンドリング特性」の理想が追求されていました。

 

 

それでは、新旧『Madone』で形状を見比べながら、
その変化にどういった意味があるのか考えていきたいと思います。

 

【関連記事】

 松木です。 2019年モデル新型『Madone SLR』。 Cannondale『SystemSix』、Specialized『S-Works Venge』、BMC『TimemMachine Road』。 メーカーの威信を賭けたエアロロードが、相次いで発表されていますが、どれも「更なる”エアロ”と”軽量”」に主眼を置いて開発されています。 ですが、新型『Madone』だけはどうも異なる様子…… 「ディスク化、新型IsoSpeedなどの機能を追加」⇒「そのままでは空力、重量が前作よりも悪化」⇒「細部の見直しを図って、空力、重量を前作と同水準まで改善」 前作で世界...

 

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新旧比較

まずは全体像。

 

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』

現行。

 

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』

新型。

 

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 ディスクブレーキ 2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 ディスクブレーキ

すぐに気づく”ディスクブレーキ化”以外にも、

 

  1. ハンドル
  2. ヘッドチューブ
  3. トップチューブ
  4. BB周辺
  5. Iso Speedシステム
  6. Di2の収納方法

 

などの部分の変化に気づきます。

ハンドルの新旧比較(「使い勝手」UP)

現行『マドン9』のステム一体型エアロハンドル

「ハンドルまでの距離を変えてみたい」と望んでも、
価格的に、そうやすやすと変える訳にはいきませんでした。

 

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 エアロハンドル

それが、エアロ性能を維持したままステム別体型を実現。

 

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 エアロハンドル

ハンドルは、下側から4本のボルトで固定されてますね。

 

専用のサイコンマウントは、正面からネジ止めでしょう。

ヘッドチューブの新旧比較(「空力」UP)

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 ヘッドチューブ

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 ヘッドチューブ

下が2019年モデル。

ヘッドチューブの”くびれ”が大きくなっているように見えます。

 

空力的メリットを考えて「1mmでも薄く」という事なんでしょうね。

トップチューブの新旧比較

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 トップチューブ

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 トップチューブ

続いて、トップチューブですが、

スローピングである点は変わらないものの、
”弓なり”だったのが、より”直線”に近づいています。

 

ただし、この事に性能的なメリットは無さそうです(^^;

 

ちなみにですが、フレームの各チューブの内、
ダウンチューブ、シートチューブ、シートステーの3本には、
新旧の間に、はっきりと分かる違いは見当たりません。

 

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BB周辺の新旧比較(「剛性」UP)

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 BB周辺2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 BB周辺

現行(左)のほうも、十分ゴツいっちゃゴツいのですが、
2019年モデルと比べてしまうと雲泥の差です。

 

全体的にボリュームが増しており、
チェーンステイも角ばったスクエア形状に。

 

明らかに「剛性」アップ
ひいては「加速性」「パワー伝達性」の向上が狙われています。

Iso Speedの新旧比較(「乗り心地」UP)

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 Iso Speed

『マドン9』の代名詞の一つと言える「Iso Speed」

 

デコボコな地面からの突き上げがあった際、
写真の赤いチューブが、軸を中心に少し回転して衝撃をやわらげることで、

エアロロードが苦手とする「快適性」を生み出すためのシステムです。

 

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 Iso Speed 2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 Iso Speed

基本構造は変わってなさそうですが、
はっきりと形状的な変化が見られますね。

 

現行モデル(左)は、の部分が繋がっていますが、
2019年のほうは繋がっていません。

 

その代わり、2019年モデルのIso Speedは、
「黒色の樹脂」「白のカバー」が広い割合を占めています。

 

総じて、2019年のほうが、フレーム間の分離具合が増しており、
より”しなり”やすく、そして「乗り心地」を高める構造になっていると感じます。

Di2のジャンクションAとバッテリーの収納場所は?

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 ジャンクションAの収納場所

現行モデルでは、ダウンチューブ
「ジャンクションA」「バッテリー」を収納できるようになっています。

 

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 ジャンクションAの収納場所

ですが、新型のほうには見当たりません……

 

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 ジャンクションAの収納場所

とりあえず「ジャンクションA」に関しては、
ハンドルバーエンドタイプで解決できているとして、

「バッテリー」のほうは一体何処に隠れているのでしょう?

 

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 ジャンクションAの収納場所

シートチューブに新たに設けられた穴がどうも怪しい……

 

予想通りにDi2関連のための穴なのか、
はたまた「Iso Speed」に関係するものなのか……

『Madone 9 Disc』は相当期待できる

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』

全メーカー中No.1のエアロ性能を誇っている現行『マドン9』。

「空力」という面では、大きな進化は見込めないでしょう。

 

それよりも

「弱点だった”使い勝手”の改善」(ハンドル、ブレーキ)
「更に追求されたフレーム性能」(BB周辺、Iso Speed)

 

この2点が、2019年モデルの目玉と言えそうです。

 

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』 ブレーキ

特に、ブレーキは”最低クラス”のメンテナンス性でしたから、
こと『マドン9』に関して、ディスクブレーキ化は限りなく正解。

 

もちろん「制動力」も大幅にアップしますし、良い事しかありません。

 

2019年モデルTREK『マドン9 Disc』

また、
フレームの細部を見直し(形状だけでなく、おそらくカーボン積層も)、
性能面でも、貪欲なほどに追求されている様子。

 

『マドン9』には何度も試乗していますが、既に文句無しのレベル。

 

その「フレーム性能」がより洗練されているとすれば、
新生『Madone 9 Disc』には、否が応でも期待してしまいますね(^^)

 

楽しみです。

 

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