【本日のお品書き】
- Canyon『Ultimate CF SL 8 Disc』
- KUOTA『Kougar Disc』
- Winspace『T1350 Disc』
- Winspace『SLC2.0』(リムブレーキ)
- Winspace『T1500』(リムブレーキ)
他のインプレ15台⇩
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目次
試乗インプレッション後編
Canyon『Ultimate CF SL 8 Disc』推定32万
「予約制」「20分間OK」というしっかりした試乗態勢を整えていたCANYON。
【剛性感】8.25点
【加速性】8.75~9点
【振動吸収性】8.25~8.5点
【巡航性】8.75~9点
【お気に入り度】8.75点
(※8点で「なかなか良い」)
”軽い”(加速感)
”速い”(巡航)
”乗り心地良い”(振動がマイルド)
最初、最上位の「SLX」だと勘違いしつつ試乗してたんですけど、
「こんなもんなのかな?」とは少し首をひねりはしたものの
それほど大きな違和感を感じさせない程の良い乗車感でしたからねぇ~
”Ultimate CF SLでしか得られないフィーリング”のような独自性はありませんが、
ロードバイクにおよそ必要な要素を過不足なく備えていました。
ステム一体型ハンドル「CP10 Aerocockpit CF」という豪華パーツも標準装備しておきながら
今回試乗した中で最も良心的、現実的な価格設定ですし(送料など込々で約32万)
まさに「ミドルグレードカーボンロードのお手本」のような完成車なり!!!
さすが海外の有名メディアCyclingTipsで”最優秀バイク”の栄冠を手にしただけはあります(^^)b
ホイールDT Swiss「P 1800 Spline db 」(前763g/後900g)、タイヤはGP5000の25c。
Mサイズ(55相当)のペダル無し重量が7.57kgらしいですから、
ここに一工夫加えてやるだけでペダル込み7.5kg切りも十分可能。
いや~~~、あらゆる面で抜かりない良いバイクだったなぁ。
KUOTA『Kougar Disc』推定86万
2019年モデルにフルモデルチェンジを果たした新型『Kougar』です。
フォルムが非常に有機的なエイリアンチックだったり、
シートポスト根元にエラストマー(赤)を挟んでいたり、
専用ハンドル&ステムでケーブルほぼ完全内装だったり。
しかも、この試乗車に搭載されていたコンポーネントが、
Sram『Red eTap AXS』のフロントシングルというちょい変態仕様。
【剛性感】8.5点
【加速性】8.5点
【振動吸収性】8.5点
【巡航性】9.25点
【お気に入り度】8.25点
(※8点で「なかなか良い」)
うん……見た目とは裏腹に乗り味は正統派だ。
当然ながら各性能も高めでOK!
その反面、フレームから伝わってくるメッセージは少なめ。。。
優等生ながら正直”面白味”には欠けました。
対して、足回りは少々”暴れん坊”という感じで楽しかったです!
ZIPP『303 Firecrest Tubless Disc』(40㎜/1352g)
名称こそこれまでと変わらずですけど、
フックレス&ZR1ハブを採用した最新モデル。
早くも30km/h辺りから「コォーーーーー」という声で鳴き始めます。
空気を切り裂く音なんでしょうけど、個人的には若干煩わしいような…w
そして、ZIPPホイールに特徴的な”カラッ”と乾いた脚当たりは健在。
「硬い」とはまた違った感触なので、皆さんに分かるよう表現するのは難しいですが(^^;
ZR1ハブは実質66ノッチもあるラチェットシステム。
(およそ6度以内には爪が引っかかる計算)
次回乗る機会があれば、この部分にも意識して走ってみたいところ。
シュワルベ『Pro One』
なんとこれが28cのチューブレスタイヤでした。
「………なにこれ………安定感ヤッバー(゚∀゚)ヒャッハ~!!!」
コーナリング時は言わずもがな、ただまっすぐ走っている時でさえ、
途轍もない「乗り心地」そして「安心感」をもたらしてくれます。
なるほど……プロがテクニカルコースにおいて28cチューブレスを使いたがる理由が分かるなぁ~
ロードバイクという乗り物がそもそも不安定ゆえに、28cによる恩恵は劇的です(^^)
Winspace『SLC2.0』推定52万
いよいよWinspaceの試乗へと乗り出します。
いっちょ試乗させてもらいましょうか!!
(52サイズ/リムブレーキ仕様/軽量塗装の実測870g、写真のカラーだと47サイズで920±30g)
【剛性感】8.25点
【加速性】10点
【振動吸収性】9点
【巡航性】9.5点
【お気に入り度】10点
(※8点で「なかなか良い」)
「( ゚д゚)ポカーーン………ウソでしょ……」
「おいおいおいおい!!!!なんだこのバイクは????」
「走行感が軽い!!とにかく軽い!!羽生えたみたく軽い!!」
ペダリング入力から期待する以上の推進力が得られ、
まるで背中を押されているかのような錯覚に陥りました。
………それは間違いなくAethos Proは超えてるレベル。
「しかも何だ?なんか巡航も凄い事になってるよ!?」
「これエアロフレームじゃないよね?? 50ディープじゃないよね (Д゚≡゚Д゚)」
たぶん風洞データを取れば標準的なんでしょうけど、
動的能力の高さがみなぎって溢れ出ているためか
ガチガチのエアロロード然とした恍惚の滑走感!
空力の観点から考えれば、
- ステム一体型エアロハンドルWinspace『ZERO』
- 前輪の16本エアロブレードカーボンスポーク
最前面に位置するパーツがエアロなのは◎
GP5000タイヤとカーボンスポークがその威力を発揮して
路面のバイブレーションも随分軽減されて快適でした。
また、上のコンセプト図を見る限り、
細身のシートステイ、シートチューブ&フォークのカーボン積層なども
ショック吸収機能を担っているようですから「振動吸収性」も高次元。
むぅぅ………こりゃどえらいもんに乗っちゃいましたねぇ~(´﹏`)
Winspace『T1500』推定65万
(44サイズ/リムブレーキ仕様/無塗装の公表重量1050g±30g)
RIDEA楕円チェーンリング、スパカズのバーテープ、JET STREAMビッグプーリー
………なんかパーツ構成にカスタマイズ感がありますねぇ、、、
おそらくですが石倉さんご本人で乗っているやつかなーとw
【剛性感】8.5点
【加速性】9点
【振動吸収性】8.75点
【巡航性】9.5点
【お気に入り度】9.25点
(※8点で「なかなか良い」)
SLC2.0の後だと驚きは少なめでしたけど、
やはり全能力満遍なく優れてました。
ただ、制限された試乗コースという檻は
この金色輝くチーター『T1500』の”野生”を解き放つにはあまりにも狭すぎる!!
フレーム形状は直線的&扁平。
ヘッドチューブは後方に長く、シートステイの位置も低いです。
空気抜けが良く、乱流が発生しにくいワイドスタンスフォーク。
エアロの”い・ろ・は”は全て押さえている印象を受けます。
こんな風に「エアロ」に能力値ガン振りしているバイクなので、
全開を出せる広い道で、心置きなく伸び伸び走らせてみたいですねぇ…
先のSLC2.0には『Hyper』の38㎜、
このT1500には50㎜がアッセンブルされていました。
この両者の違いを確かめるのも、試乗目的の1つだったんですけど、
ぶっちゃけ言って両者の違いはさほど感じられませんでしたねw
38㎜が伸びない訳でも、50㎜が重ったるい訳でもない。
「かかり」とか「剛性感」の感覚的部分までもが、個人的には似てるなと思いました。
故に 『軽快な乗り味』 か 『伸びある乗り味』
そのどちらの味付けを車体に よりトッピングしたいか?というだけの問題。
いずれも”最強最高無双ホイール”である点はなんら変わりありませんし⇩
ちなみにこちらが2021春の新色「ガンメタグレイ」と「グレイシャーホワイト」らしいですよ^^
Winspace『T1350 Disc』推定52万
セミエアロのオールラウンドモデルがこの『T1350』です。
【剛性感】8.5点
【加速性】8.75点
【振動吸収性】8.75点
【巡航性】8.75~9点
【お気に入り度】8.25点
(※8点で「なかなか良い」)
「悪くないけど……感情に訴えかけてくるものは乏しめかな?」
能力値を合計すれば『SLC2.0』や『T1500』なんかと同レベなんでしょうけど、
チャートが綺麗な多角形になるようなフレームは、
試乗評価においては不利(Aethosみたいに一部例外も存在するが)
……まぁ”バチンッ”と頭を強く打たれるような衝撃的性能を
いつも期待している自分の方が悪いっちゃ悪いですが(笑)
おそらくコイツは、2021年のTREK『EMONDA』と同系統。
あらゆる走り方の要求に対して、ソツ無く高水準にこなす”万能型”であろう。
………そう、十種競技のアスリートのように。
『SLC2.0』『T1500』と比べてインパクトには欠けるとしても
高いポテンシャルは秘めているフレームだとは思いますね!
次回最終回にて残り5台の試乗インプレッションをお届けした後、
フレーム、ホイール部門それぞれのBEST5を決定しましょう(^^)
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いつも楽しく参考にさせてもらいながら、楽しく拝見しております。
この度フレームを乗り換えようと考えているのですが…今回インプレされたwinspace t1500とCervelo S3であれば、松木さんはどちらをオススメするか是非知りたいです。
今乗ってるのは、アレースプリントで…次買うなら、前乗ってたフレームより高い所(目安300w↑)でしなってもらわんと困ると思って上記の候補をあげました。変な質問かと思いますが、宜しくお願い致します。
うみぼさん、はじめまして。
>winspace t1500とCervelo S3であれば、松木さんはどちらをオススメするか是非知りたいです。
まずリム仕様でしたら、T1500のリアブレーキがBB下なのが問題ですので、私なら迷わずS3一択です(汚れ、錆び、メンテ性などが非常に悪い)
続いてディスクにする場合でしたら………ちょっと難しいですね(^^;
どちらもエアロロードというカテゴリーですが、よりレーシーだと思うのがT1500、万人受けしやすそうなのはS3。
T1500自体がUCIの強豪プロ選手のフィードバックを得て開発されているのに対し、
S3自体が「乗り心地が良いエアロロード」というコンセプトで作られてますから、
実際乗ってみても、その辺の差が乗り味に反映されている感じがいたしますね!
「脚力にはそれなりに自信がある!パワフルに踏んでも、全て受け止めてくれるフレームが良い!」ならT1500、
「必要十分な剛性、それでいて長距離でも踏み疲れにくいような優しい乗り味も残してくれている」ならS3。
T1500の方が幾分か剛性高い気がしますから(※決してガチガチではない)、よりスプリンター向きなのはT1500。
また、登りも視野に入れて作られているのはT1500(ただし、公表値を見る限りは、重量面における有意な差は無いと思われます)
T1500がCerveloの中ですとS5寄りの特徴を持つフレームですね!
それぞれに異なった魅力がありますので、どちらかがより優れていると感じではありません。うみぼさんの期待する乗り味、用途、走り方にマッチしそうな方を選ばれるのが宜しいかと思いますよ(^^)
以上、参考になれば幸いです。
お返事ありがとうございました。
松木さんが教えて下さった情報を基に選びたいと思います。レーシーな感じと言われてt1500になびいてます(笑)値段が値段ですし、被る可能性がないですからねー
いつも大変参考になるインプレありがとうございます。
質問なのですが、ヒルクライム多めでLOOKの785 RSかWINSPACEのSLC2.0で迷っております。
どちらもリムで考えてます。
そこで松木さんの個人的なご意見をいただきたいです。
どちらがオススメでしょうか?
タスクさん、はじめまして(^^)
剛性 785RS:8.5点 SLC2.0:8.5~9点
軽さ 785RS:9.5点 SLC2.0:8.5点
エアロ 785RS:7点 SLC2.0:8.5点
乗り心地 785RS:8点 SLC2.0:8点
万人受けしやすさ 785RS:7~7.5点 SLC2.0:8.5~9点
価格 785RS:8点 SLC2.0:10点
私自身、785RSを試乗した際には雷を打たれたような衝撃を受けました。ですが、その後785RS所有者の方々の話をうかがっていると、「良い」という肯定意見もあれば「なんだか登らない、進みづらい」という否定意見もありました。ですので「785RSは乗り手とホイールを選ぶフレーム」というのが私個人の現在の印象。
対してSLC2.0の方が乗り手をあまり選ばない”懐の深さ”があると思います。セミエアロ形状により平地・スプリントもそつなくこなす「万能さ」も備えてますので、「どちらがオススメか?」と聞かれれば断然SLC2.0ですね(SLC2.0はやや硬いですが、許容範囲内のレベル)タスクさんは「ヒルクライム多めで」という選択条件ですが、無論ヒルクライムもSLC2.0の得意分野です(^^)b
お返事ありがとうございます。
SLC2.0予想以上に良いみたいですね!
hyperと合わせて検討してみたいと思います。
ありがとうございました!
お久しぶりです。 今回も興味を掻き立てられる記事をありがとうございました。
他の方もそうであるように、僕もSLC2.0(LUNホイールも)に大変興味を持ちました。
いつもながら、あそこまで賞賛されるからには、それ相応の性能があるに違いなく、お目にかかれないものかと都内のディーラーさんに問い合わせたところ、「入荷は未定です」とのつれない返事でした^_^。
試乗されたのはリムバージョンでしたが、ディスクだとどう乗り味が変わるでしょうね。
いずれにしても、自分の脚で試してみたいです^_^。
ゆうぽんさん、お久しぶりです(^^)
Winspaceは「今年ホイール製造に力を入れる」との情報があります。なので『SLC2.0』の2021年モデルは店舗経由だと購入しにくいかもしれませんね……
もし試されたいのであれば、時々Winspace Japanが小規模の試乗会をされているようですから、その機会を狙うのが宜しいかと思います!
いつもコメントお返しいただき、ありがとうございます! その後も頭の中をSLCが走り回っております^_^。
いろいろ調べると、2021年モデルはフルインナーになったとか、、、
とはいえ、ゴリゴリのエアロでもないし、セッティングとかいろいろ試したいので、旧モデルがいいかなとか、すでに入手前提で一人悶々としております^_^。
Lunホイールは、いろんな方がYouTubeに上げておられますが、かなり爆音のようですね。 細工を施されてますが、ぜひ、詳細をご教示いただきたいです!
2021年モデルのSLCはケーブルフル内装ですか!さすがOEMメーカー、改良が早い(笑)
Lunのラチェットは爪を起こすバネが”強め”であるのが原因なのか、粘度高めのグリスを塗っても『音は出ます』。一部のハブのように『ほぼ無音』にするのは難しいでしょう。
ただし、記事に書いたように3爪化すれば『一般レベルよりは少しうるさい』まで下げられるため、私の中では全然許容範囲になりました(少なくとも走行中は気になりません)
こちらでもご報告を。
Y!ショッピングでついSLCを検索してしまったところ、「マジョーラ490mm
Disc即納」という記載を見つけてしまい、ちょうど5のつく日でさらにお得感
満載だったので、理性が吹っ飛んで、思わずポチってしまいました。
(※実質17万ちょいぎりでした)
マジョーラは2019モデルで、フルインナーではないタイプです。
一昨日届きました。 実測で、フレーム900g、フロントフォーク406g(コラム
カット前)でした。 フレームは「950g+/- 50g for M size.」となっている
ので、塗装されたモデルの中では軽いほうなのかもしれません。 ただ、HURU
(789+379)よりは重たいですね。
松木さんがお感じになられたよう、「( ゚д゚)ポカーーン………ウソでしょ……」を
僕も感じることができますかどうか。
まったく参考にならないと思いますが、またご報告差し上げたく思います。
おぉぉ~~、購入されたのですねΣ(・□・) ゆうぽんさん、いつも実測重量やインプレッションありがとうございます!私はもちろん、他の読者さんにもとても参考になっております。
個人的にHURUとSLCは「似たタイプのフレーム」という認識でいます。ですが、試乗したタイミングは別ですし、各試乗車のパーツ構成も異なっているため、もし「両者の大きな違いは?」と聞かれると正直閉口してしまいます……(^^; ですから、ゆうぽんさんが両フレームに対してどのように感じられるのか、私としては非常に気になりますね!もし気が乗りましたら、またコメント頂けると幸いです(^^)
松木さん、いつも温かくコメントいただき、本当にありがとうございます。
50近くから始めた分、ライド人生はさほど長くないだろうと覚悟して、できることはすべて試してみたいと思っております。
HURUはサイクルモードで乗り、大きな衝撃を受けました。 これまた松木さんの評価が高かった785にも事前に試乗してましたが、正直、僕の脚にはグッとくる感覚がなかったので、それもHURUの衝撃を大きくしたとは思いますが^_^。
軽さの面でほHURUに分があることは明白ですが、LUNホイールとの最高の相性も手伝って、どんな乗り味になるかですね。
その前に、Aethosも試乗しておきたいなと考えています^_^。
何の参考にもならないと思いますが、また聞いてやってください。