松木です。
お馴染みBicycle Rolling Resistanceが、
『GP4000 RS』を対して「転がり抵抗・耐パンクテスト」を実施。
その結果を公表しました。
『GP4000s Ⅱ』比で転がり抵抗-15%と豪語されていますが、
果たして本当なのでしょうか?
気になるテスト結果を見ていきましょう。
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実験方法
「転がり抵抗テスト」は、こんな風に行われています。
そして、実験条件は下の通りです(詳しくはこちら)。
【空気圧】4.1bar、5.5bar、6.9bar、8.3barの4段階
【速度】約29km/h
【荷重】42.5kg(人+車体を85㎏と想定し、片輪なので÷2)
【気温】21~23℃
【チューブ】Continental『Race』ブチルチューブ(約100g)
続いて「耐パンク性能テスト」の様子です。
1mmのスチールニードルを押し付け、
刺し込むのに必要な力を測定し、その力に応じて点数付け。
(例えば、10点は5点の2倍の力を要することを意味する)
このテストは「路面接地面」と「サイド」の両方で実施されます
実験結果
「転がり抵抗」は、総合8位(8.3barが基準)にランクイン。
実測幅 | 実測重 | 8.3bar | 6.9bar | 5.5bar | 耐パンク | |
『GP TT 25c』 | 27mm | 195g | 9.9 | 10.5 | 11.8 | 8/4 |
『Turbo Cotton 24c』 | 25mm | 224g | 10.1 | 11.1 | 12.5 | 9/4 |
『P Zero Velo TT 23c』 | 25mm | 163g | 10.2 | 11.0 | 12.2 | 7/4 |
『Supersonic 23c』 | 25mm | 179g | 10.2 | 11.0 | 12.5 | 7/5 |
『GP4000RS 25c』 | 27mm | 205g | 10.5 | 11.0 | 12.3 | 9/4 |
クリンチャー部門では、
『GP TT 25c』『Turbo Cotton 24c』『P Zero Velo TT 23c』『Supersonic 23c』
それらに続く4位となり、上位に食い込みました。
25cタイヤを使う際には、6.5~7barで走る人が多いと思いますから、
表の6.9barの欄に着目すると、『GP TT 25c』に次ぐ第2位。
では、肝心の『GP4000s Ⅱ』との比較は、どうなっているでしょうか?
実測幅 | 実測重 | 8.3bar | 6.9bar | 5.5bar | 耐パンク | |
『GP4000 RS 25c』 | 27mm | 205g | 10.5 (-13.9%) |
11.0 (-14.7%) |
12.3 (-10.2%) |
9/4 |
『GP4000s Ⅱ 25c』 | 27mm | 215g | 12.2 | 12.9 | 13.7 | 11/5 |
6.9barでは-14.7%となっており、
公表されている転がり抵抗-15%に限りなく近い数値。
デタラメを言っている訳ではなかったですね(^^)
なぜ『GP4000 RS』の転がり抵抗は低いのか?
始めは
「コンパウンドに何か特殊素材が練り込まれているのか?」
と考えていましたが、
Continentalの公式HPや、他のサイトの紹介ページを読んでみても、
「より薄くて速い」と説明されているだけで、どうやら”特殊素材”ではない様子……
先日、こちらの記事の中でも話した
『薄いタイヤほど「転がり抵抗」が小さくなる傾向がある』
という特徴が鍵を握っていそうです。
実測重 | センター厚 | サイド厚 | 耐パンク | |
『GP TT 25c』 | 195g | 1.9mm | 0.45mm | 8/4 |
『Supersonic 23c』 | 179g | 1.9mm | 0.5mm | 7/5 |
『GP4000 RS 25c』 | 205g | 2.3mm (-0.6mm) |
0.55mm | 9(-2)/4 |
『GP4000s Ⅱ 25c』 | 215g | 2.9mm | 0.55mm | 11/5 |
こうして「実測重量」「厚み」「耐パンク性能」を並べると見えてくるのですが、
”『GP4000 RS』は『GP4000s Ⅱ』の接地面を薄くしただけのタイヤ”
なのではないかと推測できます。
『GP4000 RS』は『GP4000s Ⅱ』に比べて
トレッド(接地面)が-0.6mm薄いために
「耐パンク性能」は下がってしまっています……
ですが、その代償を払うことによって
「-10gの軽量化」「クリンチャー最高クラスの転がり抵抗」を獲得。
その結果、”RS”=”Race Spec”=”レース仕様”
の名にふさわしいタイヤに仕上げられているのでしょうね。
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『GP4000 RS』はレースに最適
『GP4000s Ⅱ』はオールマイティではある反面、
シビアな目で見れば、若干重く、路面抵抗もそこそこ。
『GP TT』は軽くて、路面抵抗もクリンチャーNo.1ですが、
接地面の耐パンク性に多少なりとも不安が残りますし(合格レベルではある)、
グリップ力が『4000』シリーズよりも、ほんの僅かに劣る気もしてます。
それに、「エアロ」も『4000』のパターンほうが上。
『GP4000s Ⅱ』より軽く、路面抵抗は小さく、
『GP TT』よりパンクしにくく、グリップ力や空力性能がある。
両タイヤの良いとこ取りをした『GP4000 RS』は、
レース機材としてうってつけな気がしますね(^^)
”Tour de France Limited Edition”ということで数量限定生産。
今回のテスト結果を見るまでは、
興味はあったものの、どうしようか迷っていましたが、
とりあえずストックしておくことにします。
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