松木です。
風洞実験を行う際、
普通は第三者機関に依頼しますが、
スペシャライズドは、
本社近くに独自の風洞実験施設を持っています。
専門機関で風洞実験に依頼をすると、
利用費、電気代など、相当な費用がかかるそうですが、
スペシャライズドが自ら風洞実験を行う分には、
もちろんレンタル代はかかりませんし、
ロードバイクに特化させた風洞実験施設なので、
電気代なんかも比較的抑えられると考えられます。
そのためか、製品開発とは関係ない
一般人から「やって欲しい風洞実験」を募ったりしています。
しかも、その結果をYouTubeで公開しているんですね。
”風洞実験結果は、知っておくだけで誰でも速くなれる最強のコスパ”
そこで、Specializedの風洞実験のうち、
特に役立ちそうなものをピックアップし、
その結果を紹介しようと思います。
今回の風洞実験のテーマは「体毛」。
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脚の毛(動画リンク)
怪我の治療の邪魔にならないように、
また、マッサージをしやすくするように剃られる脚の毛。
もちろん、エアロにも効果があります。
被験者6人で実験。
40㎞走った場合の短縮時間は、
左の人から順に、72秒、70秒、79秒、50秒、68秒、82秒(←上の写真の脚の人)。
平均すると、およそ70秒。
これは「エアロフレーム」にも匹敵します。
脚は身体の中でも特に太く、
しかも、脚の後ろには何もありません。
だから、たかが毛を剃る程度のことでも
大きなエアロ効果があるんでしょうね(^^;
カミソリでも剃れなくはありませんが、
そもそも大量の毛を剃るためのものではありません。
そこで、下のような「ボディトリマー」を使うと、
半分程度の時間で済む上に、肌がチクチクしたり荒れたりもしません。
パナソニック ボディトリマー お風呂剃り可 男性用 白 ER-GK60-W
腕の毛(動画リンク)
プロ選手は、脚の毛は必ず処理していますが、
腕の毛のほうは剃っていない場合もあります。
もちろん脚の毛と同じ理由で剃ったほうがいいですが、
「面倒臭い」というのも正直あるんだろうと思います。
脚よりはエアロ効果は小さそうですが、果たしてどうか?
実験対象者の腕。
毛の色が白いので、あまり毛が無いように見えますが、
実際は、特別に薄くも濃くもないといったところ。
結果は、40㎞走って19秒の短縮。
42km/h走行ならば、5w近い削減効果があるということ‥‥
これはエアロハンドルと同等の効果に匹敵しますから、
やはり腕の毛でさえも馬鹿にはできません。
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あごの毛(動画のリンク)
立派なあご髭をお持ちのジョーさん。
この実験のためにゴッソリ剃毛(笑)
結果は効果なし。
上の空気抵抗のグラフを見ると、
若干ですが「あご髭無し」のほうが大きいようですが、
これは”誤差”とみなしたんでしょう。
ジョーさんは、完全に剃られ損‥‥(^^;
髪の毛(動画のリンク)
最後は、ロングヘアの処理のしかたによる違い。
- そのまま
- 縛って、アジャスターの上を通す
- タイアップする
- 三つ編みにして、アジャスターの上を通す
見た目からすると「タイアップ」の空気抵抗が小さそうですが、
実際は、「三つ編み」の場合のみ14秒短縮という結果に。
意外にも、他の3パターンには明確な差は出ませんでした。
「ロングヘア」というケースは、
ほとんどのサイクリストには当てはまりませんが、
もっと一般的な「髪を切る効果」を考える一助にはなるかと思います。
そして、ロングヘアを三つ編みにしても
たった14秒しか短縮されないという結果から考えるに、
「散髪してもほぼ速くなることはない」と推測できます。
なので、御堂筋くんみたいに坊主にしなくても大丈夫ですw
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