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松木です。

 

【速く走るための風洞実験・エアロ効果⑦】Qファクター

スペシャライズド自転車専用風洞実験「Win Tunnel」シリーズ。

 

【速く走るための風洞実験・エアロ効果⑦】Qファクター

今回の議題は「左右の足幅」

つまり、スタンスの広さが空力にどれぐらい影響するのかを調べます。

 

【速く走るための風洞実験・エアロ効果⑦】Qファクター
photo:Elizabeth Kreutz

「スタンスの広さ」で思い出すのが、ランス・アームストロング

 

風洞実験で、Qファクターを広げると速く走れることが判明したものの、
「ペダリングに違和感を感じる」として、通常のスタンスのままにした

というエピソードが残っています。

 

現在の最高風洞実験設備が、この真相に迫ります。

 

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実験方法

【速く走るための風洞実験・エアロ効果⑦】Qファクター

まずは、いつも通りのスタンスで。

 

【速く走るための風洞実験・エアロ効果⑦】Qファクター

クランク~足に十分な隙間がありますし、ペダル軸も見えていますね。

 

 

【速く走るための風洞実験・エアロ効果⑦】Qファクター

続いて、スタンスを可能な限り狭めます。

 

【速く走るための風洞実験・エアロ効果⑦】Qファクター

まずはペダル軸を短く。

 

Speedplayのペダルは長さを調整できません。

どうやって短くしたのでしょう?

 

クロモリ・ステンレスシャフトが53mmなのに対し、
チタンシャフトが50mmと-3mm短いので、
おそらくシャフトの素材を変更してペダル軸を短くしたのかと。

 

【速く走るための風洞実験・エアロ効果⑦】Qファクター

そして、クリートもなるべく外側へと移動。

 

【速く走るための風洞実験・エアロ効果⑦】Qファクター

変更前と見比べると、
クランク~足の間は随分と詰まっていますし、
ペダル軸も見えなくなりました。

 

具体的にどれだけ近づけたかについては明言されていませんが、
写真を見る限りでは片側1cm近く狭まっているように思います。

実験結果

【速く走るための風洞実験・エアロ効果⑦】Qファクター

 

40km走行において8秒の短縮が可能。

これは、時速に換算すと+0.1km/hのスピードアップとなります。

 

【速く走るための風洞実験・エアロ効果⑦】Qファクター

以下、テスト後の
実験者ジェシー・フランク(左)とクリス・ユー(右)の会話。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

フランク「ペダリングがいつも違って感じ、脚に違和感もあったね。

足の内側が、クランクに擦ってしまっていたし、
膝もいつもと違う軌跡をたどっていると感じた。

だから、空力的に8秒のメリットがあるとは言え、
通常のスタンスの場合と同じパワーを維持できるか、
そして、脚や膝に痛みが出たりしないかの確信は持てない。

膝前十字靭帯を損傷したことがあるんだけど、再発させたくはないかな。」

ユー「そうなると、ナロースタンスに価値があるかどうかに疑問が残るね。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ハッキリと口には出していませんが、

8秒のメリットの代償として、
「ペダリングしにくさ」「膝への負担」は割に合わない

というようなニュアンスが伝わってきますね……

 

この感想は、最初に話させてもらった
ランス・アームストロングのケースの結論と奇しくも同じ。

 

 

ペダルスペーサー 効果 【使用機材マニア編】伊吹山ヒルクライムで準優勝できた『Cervelo S5』ペダルスペーサー 効果 【使用機材マニア編】伊吹山ヒルクライムで準優勝できた『Cervelo S5』

ちなみに自身では、ペダルとクランクの嵌合部分に
『Qファクター調整リング』を挟んでQファクターを広げています。

 

 

ペダルスペーサー 効果 【使用機材マニア編】伊吹山ヒルクライムで準優勝できた『Cervelo S5』

これは、ペダルに効率良くパワーを加えられるであろう
脚が垂直となる状態(図の左側)に近づけるためです。

 

体格などによって個人差はあるでしょうけど、
スタンスは「標準~少し広め」が最適解に近いのではないかと思っていて、
本実験のように無理やりスタンスを狭めるのはいかがなものかと(^^;

大きなアドバンテージならまだしも、たった8秒ですし……

 

 

ただ、これだと風洞実験を紹介した意味が無くなるので、
今回の結果をどう”速さ”へと結び付けようかと考えた時、

 

【速く走るための風洞実験・エアロ効果⑦】Qファクター

ダウンヒルの際に膝を狭めて「空力」を高めるテクニックとしては有効でしょう。

 

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