松木です。

 

食べ物関連の本はあまり好きではないのですが、
こちらの本は良さそうです。
(現在、Amazonの「保健食・食事療法」のカテゴリーでベストセラー)

 

なぜなら、
「最新科学に基づいた、より正しく、かつ実用的な知識を伝える」
という公益目的の純度が高い本ではないかと推測できるからです。

 

そういう点では、以前に紹介した
『ピーキングのためのテーパリング』と同じ匂いがしますね(^^)

超良書『ピーキングのためのテーパリング』著:河森直紀を読んだ感想

 

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ロードバイクと食事制限

4/13発売『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』が良さげ。 ロードバイク ダイエット

スポーツをする人にとって
食事を気にしない人は少ないと思います。

 

ロードバイクにおいては、
特に登坂において”軽さが正義”とされますから、
「食事制限」という面で、食事に注意する人が多いです。

 

実際、体重が減れば、ヒルクライムのタイムは速くなりますしね。

 

減量・軽量化で、ヒルクライムのタイムがどれだけ短縮するか実験。

ヒルクライムにおける「軽量化のタイム短縮効果」と「減量」について

 

ヒルクライムと体重の関係の検証。±5kgでタイムはどれだけ変わるのか?

ただ、無理やり減量して峠のタイムが伸びたとしても、
それは、必ずリバウンドが起こる”一時的な強さ”でしかありません。

 

おまけに健康も害してしまいます。

 

ですので、
速さを求めるための「食事制限」というアプローチは、
個人的には”無し”だと考えています。

 

4/13発売『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』が良さげ。 ロードバイク ダイエット

ちなみに、増田成幸選手が証明してくれているように
60kg前半であれば、ヒルクライマーになれないことはありません。

 

増田選手が、食事に気を遣っていないとは思いませんが、
少なくとも「無理な食事制限」はしていないはずです。

ロードレーサーが考えるべき食事とは

では、ロードバイクのパフォーマンスを上げる食事を考える際、
「食事制限」が”無し”なのであれば、何を追求するべきなのか……

 

4/13発売『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』が良さげ。 ロードバイク ダイエット

 

それは”質”しかないと考えます。

 

「スポーツ栄養学」という分野があるように、
ロードバイクというスポーツに必要な栄養素を摂るという事です。

 

しかしながら、
その「スポーツ栄養学」も健康的な食事が摂れている上で
考えるべきことであるという点では、二の次でしかありません。

 

 

『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』は、
まさにこの食事の根幹とも言える
「健康でいるための食事」という点にフォーカスしている本です。

 

決して斬新なトピックスでは無いものの、
ロードレーサーがまず考えるべきなのは、

「食事制限」でもなければ「スポーツ栄養学」でもなく、
「健康でいるための食事」ではないでしょうか?

 

 

体感しづらい部分ではありますが、

「健康的な食事」→「体調の良さ」「早い疲労回復」
→「質の高い練習」→「パフォーマンス(パワー/持久力)の向上」

というふうに繋がっていくはずで、

一時的ではない、持続性のある”本当の速さ”を手に入れるためには、
「健康的な食事」を決して疎かにはできないように思えます。

本著が良さそうな点

津川友介 4/13発売『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』が良さげ。

著者である津川 友介(つがわ ゆうすけ)さんは、
UCLA(カルフォルニア大学ロサンゼルス校)の助教授。

「医療政策学、医療経済学」という分野を研究されている方です。

 

元は内科の医者をされていましたが、
研究者へとシフトしていったそうです。

 

津川友介 4/13発売『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』が良さげ。 ブログ

津川さんは、ブログも運営されています。

 

もし本を購入するのであれば、
「思っていた内容と違う……」という事態を避けるためにも
下で紹介している3つの記事だけでも読んでおいたほうが良いでしょう。

①「インパクト」ではなく「知的好奇心」で勝負しようとしている

このたび初の単著を出版させて頂くことになりました。タイトルは「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」(…

 

上の記事では、本書を執筆するに当たっての「想い」「目的」が話されています。

正しい内容でも、知的好奇心を刺激することができれば
売れるようにすることができるのではないかと思っています。

今回出版する本はある意味これを試す実験でもあります。

ここなんかは特に「良書ではないか」と期待させられる部分ですね。

 

 

少し余談になりますが、
元々は『エビデンスに基づく本当に健康になれる食事の本』という
素朴なタイトルにする予定だったそうです。

 

ですが、「それでは売れづらいだろう」という東洋経済社の意向によって
『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』に変更されました。

 

「世界一」「シンプル」「究極」といった受け狙いの単語を使うことは
津川さんの本意ではないかもしれませんが、
まず本を手に取ってもらわないことには始まりません(^^;

②科学的に健康に良い食事に”置き換える”というアプローチ

「シリコンバレー式自分を変える最強の食事」(ダイヤモンド社)という本が売れていると聞きました。自分で本を買って…

がまんばかりさせてもストレスになって、
いずれは爆発して食べ過ぎてしまうことが多いことは
みなさんの経験からも明らかだと思います。

このような理由から、現在ではがまんばかりさせる栄養指導よりも、
食べる内容を「置き換える」栄養指導の方がより効果的である
と考えられます。

本書では、基本的に「食事制限」という方法は取らず、

「健康に悪い食べ物→健康に良い食べ物」
へとシフトしていくアプローチを考えています。

 

初めに話した通り「食事制限」には反対ですから、
この”置き換える”という方法には、すごく共感できます。

③内容が偏っておらず、中立な立場で書こうとしている

(写真:無料写真素材「花ざかりの森」) 「科学的根拠に基づく(本当に体に良い)食事」に関して多くの反響がありま…

私は加工肉、赤肉、糖質(炭水化物を含む)等は
「体によくない」と説明しているのであって、
「食べない方が良い」と主張しているのではありません。

全ての人はその食事によって得られる
メリットとデメリットを十分理解した上で、
何を食べるか選択するべきだと考えています。

甘いものが好きな人にとっては
甘いものを食べることで生活の質(QOL)が上がるかもしれません。

甘いものをゼロにすることで健康にはなるけれども
人生が楽しくなくなってしまうかもしれません。

そのような場合には、QOLと健康を天秤にかけて、
毎日少量の甘いものを食べるという食事を選択するのも
合理的な判断であると思います。

しかし、そのような食事を正当化するために、
「甘いものも少量であれば健康に悪影響は無い」
と解釈することはお勧めしていません。

津川さんの”中立的なスタンス”が垣間見える箇所ですね。

 

読者に「偏った考えを抱かせよう」「バイアスをかけよう」
といったような悪意ある意図は、一切感じられません。

本書の役立て方

津川友介 4/13発売『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』が良さげ。

この本には、健康に良いとされる食べ物と、
その科学的根拠が紹介されています。

 

こういった健康食に関する本を読むと、
「それしか食べないでおこう」と短絡的になってしまいがちですが、
目指すべきは、そこではないように思います。

 

 

「何を食べるべきかを正しく選択できる力を身に付けること」

 

 

現実的に考えて、健康に良い物だけ食べ続けるのは不可能です。

 

人によって、どうしても止められない食べ物はあるでしょうし、
飲み会において、ジャンキーな物を一切食べない訳にはいきません。

 

つまり、本書を読んで、正しい知識をインプットしたならば、
次は自らの「食べ物の好み」「ライフスタイル」等に合わせて試行錯誤し、
”実用性”を肉付けさせていかなければなりません。

 

そうして初めて、ただの知識でしかなかったものが、
一生涯を通じて役立つ力になりえるのだと考えます。

 

そのような心積もりで本書を手にするべきでしょう。

 

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