松木です。
前回の試乗インプレの続き。
- SPECIALIZED『VENGE VIAS』
- SPECIALIZED『ROUBAIX』
- SPECIALIZED『TARMAC』
- LIGHTWEIGHT『URGESTALT』
- BASSO『DIAMANTE SV』
スペシャライズドのハイエンド3種を乗り比べ。
そして、世にも珍しいLightweightフレーム
『ウルゲシュタルト』にも乗せていただきました。
【前編、後編】
『アルプデュエズ』『Helium X』『Fenix C』『ARIA』『FR1』
『Dogma F10』 『GAN RS』『SINTESI』『RCR TL』『TRANSONIC』
【他の試乗インプレ】
『Colnago C64』『Ciel』『Farna Ultimate』『Kougar』
『Agree C:62』『Propel Advanced Pro Disc』『百式』
デローサ『プロトス』3T『ストラーダ』Macchi『R9』
『785 Huez RS』 『KHAN』『Oltre XR3』『XR4』『Specialissima』。
『Concept』 『V2R』『O2』『One』『Nemo Tig』。
『Izalco Max Disc』 『AR FRD』『Izon』『Orca Aero』『Noah SL』。
『SCYRON』『ORCA OMR』『TCR Advanced Pro Disc』『Carbonex HR』『Carbonex』
『FRTC01チタン』『MADONE 9.9』『新型Emonda SLR』『新型R5』『新型S5』『XELIUS SL Ultimate』
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目次
ダイレクトドライブ『Hammer』『Direto』『Kikcr Climb』
サイクルオプス『Hammer(ハマー)』は別府選手も使用しているモデル。
自然な負荷で、違和感は特に無し。
ですが、タックス『Neo Smart T2800』と比較すると、
「負荷のかかり方」は多少違いました。
『Neo Smart T2800』が”モーター負荷”なのに対して、
『Hammer』のほうは”フライホイールの回転負荷”。
そのため『Hammer』のほうが惰性で回る感覚が強めです。
「登り返し」なんかでは特に顕著になりますね。
これが良いか悪いかは好みの問題で、
ZWIFTの担当者は「惰性があるのが好み」だと言っていました。
続いて、エリート『DIRETO(ディレート)』。
パワー計測できる手頃なダイレクトドライブ式スマートトレーナー。
多少「音」は出ていたはずですが、
会場がうるさかったこともあり、よく分かりません(^^;
※追記(別のイベントで試乗)
低出力では静かですが、350w以降は
出力が上がるにつれて音が大きくなっていきます。
「負荷のかかり方」に関しても、大きな不満を感じず、
15~20万クラスに近いレベルにあると思います。
”コスパ重視”と言うのであればベストかも。
一つ問題があるとすれば、エリートのローラー台は
「他のメーカーのものよりパワーが高めに出る」そうです。
ですが、これは数%程度の話でしょうし、
「他のローラー台が低めに出ている」可能性もありますから、
「問題」と言えるのかは微妙な所ではあります。
最後に、4月頃に発売が予定(74,790円)されている
ワフー『Kikcr Climb(キッカークライム)』。
思っていたよりもダイナミックに動いて驚きました。
正直なファーストインプレは「微妙かもしれない」。
上下の動きが完全にスムーズではなくて、”機械っぽさ”が残っています。
その上、ゲーム内の勾配変化とのタイムラグも少なからずあります。
結果、『Kikcr Climb』の昇降が「煩わしい」と感じなくもありません。
しばらくすれば慣れるのかもしれませんし、
坂で使う筋肉を鍛えられるメリットがあるのは事実。
ですから「悪い」とまでは言いませんけど、
逆に「飛びつくようなものでもないのかな」といった所。
試乗インプレッション中編
スペシャライズド『ヴェンジヴァイアス』108万
【加速性】9点
【剛性】8.5点
【振動吸収性】7点
【巡航性】10点
【お気に入り度】8.5点
(※8点で「なかなか良い」)
予想外に「加速性」は良好。
一踏み目から”スッ”とスピードに乗ります。
そして、速度が上がるにつれて、
今度はモンスター級の「巡航性」が姿を現し始め、
ペダルに込める力は徐々に減っていきます。
この感覚はまさにトレック『Madone』そのもの。
事あるごとに比較される理由もよく分かります。
しかしながら‥‥‥
乗り心地が相当悪い。
26cのスペシャ「Turbo Cotton」を履いていたにも関わらず、
路面からの振動は、つぶさに身体へと伝わってきました。
う~ん、これは長時間乗るにはキツそうだ(笑)
動的性能は申し分ありませんが、「振動吸収性」に難アリ。
Roval『CLX 64 Disc』。
64mmハイトのスーパーディープリムなのに、
”重ったるさ”を一切感じずに軽快。
5%ぐらいまで峠だったら、問題無く使用できるかと。
スペシャライズド『ルーベ』108万
【加速性】8点
【剛性】7点
【振動吸収性】8.5点
【巡航性】7.5点
【お気に入り度】7点
(※8点で「なかなか良い」)
ヘッド部分にダンパー構造「Future Shock」を組み込み、
シートポストに振動吸収素材「ゼルツ」を挟み込んだ
コンフォート系のトップモデル。
全体的に平均レベルの性能。
「剛性感」は低め。
「加速性」は普通で『Venge Vias』に劣っている印象を受けました。
肝心の「振動吸収性」も”やや高い”程度。
それも「フレーム全体に振動減衰性を感じる」というよりは、
「S字のシートポストが大きくしなっている」
という一点のみによる快適性。
ヘッド部分の「Future Shock」の効果は感じられず‥‥
S字シートポストのしなりも
「空気圧の低いタイヤに乗っている」かのような感覚で、
個人的には、あまり好みではありません。
同じ価格を出すなら、迷うことなく『ターマック』を選びます。
スペシャライズド『ターマック』108万
【加速性】9点
【剛性】8.5点
【振動吸収性】8点
【巡航性】9点
【お気に入り度】9点
(※8点で「なかなか良い」)
今回で2度目の試乗。
非常に完成度が高く、
好印象を持たない人はいないであろうバイク。
「反応性」は素晴らしいですし、
「剛性」も高すぎると感じてしまう手前で抑えられています。
「乗り心地」も十分合格レベルにあるし、
伸びやかな走りを実現するRoval『CLX 50』との相性もOK。
「ハンドリング」に癖は無し。
「重量」も比較的軽くて、坂道で後れを取ることもないでしょう。
これほど”オールマイティ”なバイクは、そうそうありません。
世界最高のスプリンターであるサガンでさえ、
『Venge Vias』より『Tarmac』を多くのレースで使っています。
より高い最高速度を出せるのは『Venge Vias』だと思いますが、
「坂のあるコースで脚を残せる」「人馬一体の動きができる」
『Tarmac』のほうが、何かと使い勝手が良いんでしょうね。
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ライトウェイト『ウルゲシュタルト』推定125万
【加速性】9点
【剛性】9点
【振動吸収性】9点
【巡航性】8.5点
【お気に入り度】9点
(※8点で「なかなか良い」)
Lightweightに抱いているイメージは、
- とにかく軽い
- ”パリッ”とした硬さを脚に感じる
- 乗り心地がザラザラしていて良いものではない
ですが、予想に反して『ウルゲシュタルト』は違ってました。
走りに”上質さ”を感じます。
基本的な「振動吸収性」に加え、
形容しがたい”高級感”をまとう乗車感。
車ならば「ベンツ」と共通するものがあります。
これが何より好感触で、
他のフレームにはない個性的な”味”だと感じました。
「剛性」に関しては、予想通り高め。
790gという「軽さ」も合わさり、よく進んでくれます。
ただ、「剛性」が高いゆえに脚への反発は強めなので、
やみくもに踏んでいると脚が消耗しやすい気がしました。
試しにケイデンスをやや高めに回してみると、
「脚への反発」はほぼ感じなくなり、
「滑らかに速度に乗っていき、そのまま高速も維持できる」
という気持ち良さへと変化しました。
『ウルゲシュタルト』には、高ケイデンスで綺麗なペダリングが似合います。
バッソ『ディアマンテSV』推定100万
【加速性】7.5点
【剛性】8.5点
【振動吸収性】8点
【巡航性】8.5点
【お気に入り度】8点
(※8点で「なかなか良い」)
「3B Vibration Dampening」と呼ばれる
シートポストをゴムで包んで振動を減衰させるシステムや、
セミインテグラル化できるヘッド構造などの特徴を持ったエアロロード。
フレーム全体には”カームテール形状”が採用されています。
実際に乗ってみると、
「独創的な機構」と「煌びやかな見た目」とは裏腹に
大きな特徴は感じず。
「剛性」と「巡航性」が多少高いと感じたぐらい。
フレームセット54万で、これだとちょっとなぁ‥‥
ホイールはMavic『コスミックプロカーボンエグザリット』。
これが原因の一端だったと考えられますが、
「反応性」も今一つでした。
「ディアマンテSV」の”SV”は「Super Veroce(=超速)」の略。
それに加えて「ダウンチューブ~BB周り」のボリューム感。
どこか肩透かしを食らった気分でした。
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