松木です。
先日、「ご相談・お問い合わせページ」に寄せられた
「面白い」と感じたご相談を掲載させてもらいました。
その後、ありがたいことに問い合わせが急増しまして、
「なるほど、こういった事が知りたいのか~」と
自分も楽しみながらお答えさせてもらっています(笑)
色んな経歴の方から、多種多様な質問をもらうので、
メールでやり取りする中で気づかされることも多いですね。
これからも読まれる方の役立ちそうなご相談を選んで、
3~4つずつ掲載していこうと思います。
(※読みやすいように一部加筆・省略・修正してます)
第一弾「Mt.富士ヒルで最速のホイール組み合わせは?」など
第三弾「40mm VS 50mm」「ローラーでフロントを上げるべきか?」「Cervelo『S5』」
第四弾「ヒルクライムのドラフティング効果」「2:1組」「ポジションの出し方」
第五弾「軽量高剛性ホイール」「軽量化の質」「ビッグプーリー」「継続力」
第六弾「楕円ギア」「高剛性フレーム」「ホイールバランス」「パワメの必要性」
第七弾「ブレーキ音鳴り解消」「ディスクかリムか」「オススメのチューブ」
第八弾「強豪が何故クリンチャー?」「プロのホイールバランス」「エンドワッシャー」
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目次
【軽量化】「回転部」と「それ以外」の軽量化の効果は同じですか?
Q. ブログの中で、
”1kg軽くなると、100mの獲得標高で3〜4秒ほど速くなる”との解説が度々出てきますが、
「回転部」でも「それ以外の箇所」でも、軽量化の効果は同じなのでしょうか?
是非、お考えを伺えればと思います。よろしくお願いします。
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A. この質問はとても興味深い内容ですね(^^)
ホイール・タイヤ(回転部)の重量に関しては、
「慣性モーメントが~」とか、
「他の部分の軽量化の数倍の効果がある」とか、
まことしやかに話されることがありますね。
実際、軽量ホイール・タイヤで山を登ると、
”踏み出しの軽さ”を体感しやすいのは事実ですから、
感覚的には、軽量化のタイム短縮効果は
他のパーツよりも回転部のほうが大きいと思われがちです。
ですが、個人的な考えとしては、
「ホイール・タイヤの軽量化のタイム短縮効果は、他のパーツと大差ない」
というように考えています。
何か深い根拠があったりする訳でないのですが、
そのように考える理由を上げるとすれば、次の2つです。
- 同じ重量のものを、同じ高さまで上げるのに必要な運動エネルギーは、
回転していようが回転していまいが、ほとんど変わらないはずだから - 1450gの50mmディープリムと、1100gの24mm軽量ホイールで同じ峠を登った際、
-350g以上のタイム差が得られる現象は起きなかったから(厳密なテストではないですが)
ですので、ヒルクライムレースだからと言って
ホイール周りの軽量化だけを特に重要視して、
「軽さ」以外の性能が犠牲になってしまうような超軽量ホイール、
耐パンクベルトが入っていないペラペラのタイヤ、
そういったリスクを伴うパーツは使いません(昔は使っていましたw)。
ただ、最初にも話しましたが、回転部を軽量化すれば
ペダリングが軽くなったり、”かかり”が良くなったり感じるのは確かなので、
そういった乗り味を好んで使うのは、普通にアリだと思います。
【カーボンクリンチャー】10万のホイールと、有名メーカーの物の違いは体感できますか?
Q. PrimeやLWCなど、10万円前後のカーボンクリンチャーと、
マヴィック等の有名メーカーとの違いは初心者に体感できますか?
自分なりに調べたところ、
ハブにNovatecやBitex製が使われていて、特別変なものでもないみたいで……
PrimeやLWCなどは、既製品を使った手組みホイールのように思いました。
価格の違いは「専用設計」であったり「広告費や研究費」の差だと感じます。
是非ご意見をお聞かせ下さい。
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A. いくつかの10万クラスのカーボンクリンチャーを乗った経験として、
大手メーカーの20~30万クラスと比較しますと、
いずれの性能においても、やはり大手メーカーのほうが優れていると感じます。
その中でも、一番の体感できる違いは「走りの軽快さ」。
エントリークラスのアルミホイールに比べれば、
PrimeやLWCのホイールでも感動するはずですが、
比較対象が、マヴィック等のカーボンクリンチャーとなると、
走りが全体的に”もっさり”しているように感じられます。
ただ、ご質問の中にある通り、大手ホイールの場合には、
「広告費・研究費」「専用設計」「ブランド名」など、
性能とはあまり関係ない要因で、価格が上乗せされていますから、
10万クラスのカーボンクリンチャーの性能は、
大手ホイールの15万クラスに匹敵している傾向にありますね。
ですから、Primeなどの10万円前後のホイールは、
カーボンクリンチャーとしてのコスパは普通に良いと思っていて、
「切れ味鋭い走り」を求めないならば、十分選択肢に入れていいでしょう。
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【その他】どのようにスネ毛の処理を行っていますか?
Q. ロード乗りの皆さんは脚がツルツルに毛の処理をされています。
過去の記事で「空気抵抗を減らす目的」と教えていただいたのですが、
どのようにすね毛の処理を行っているのでしょうか?
ツルツルの脚にして夏場ロードに乗りたいと思うので、教えていただければ幸いです。
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A. スネ毛処理に関しては、普通にカミソリを使っています。
ですが、一番良い方法だと考えているのは、
パナソニック の男性用ボディートリマー『ER-GK60』です。
- カミソリの半分程度の時間で済む
- カミソリほどは深剃りしないので、肌を痛めにくい
(カミソリで剃って1~2日後ぐらいの状態の長さ)
そういったメリットがあって、
現状、スネ毛処理の最も理想的なアイテムだと思います。
もし「ツルツルの状態にしたい」という事であれば、
『ER-GK60』でプレシェービングした後、
ジレットなんかのカミソリで”サッ”と仕上げれば、
毛詰まりする面倒も無い上に、肌へのダメージも最小限に抑えられます。
ちなみに、自分が『ER-GK60』を使わないのは、
「レース前」や「気合を入れたい時」しかスネ毛を剃らず(嫌がられそうですが……)、
単純に出番が少ないからです。
仮に普段の練習からスネ毛を剃る習慣があるならば、
迷わず『ER-GK60』を使いますね。
それから、最近『ER-GK70』という後継モデルが発売されたのですが、
『ER-GK60』との違いは「本体の色」と「9mmアタッチメントの有無」だけなので、
価格が2千円ほど安い、旧モデルを選ぶほうがお買い得です。
【練習】トレーニングの頻度はどれくらいがベストでしょうか?
Q. 松木さんに質問させていただきたいのですが、
トレーニングの頻度はどれくらいがベストでしょうか?
例えば、ZWIFTで1時間程度のワークアウトやヒルクライムをした翌日、
筋肉に疲労が残っている場合もトレーニングはするべきでしょうか?
筋肉に疲労感があると、どうしても
「この状態でトレーニングをしていいのか?」という疑問が生じてしまいます。
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A. 「トレーニング頻度」についてのご質問ですね(^^)
まず最初に言っておきますが、トレーニングに”絶対”はありませんから、
自分に合った練習を探るための一意見として参考にしてください。
さて、一般的には「練習と休息はセット」と言われている通り、
練習と休息を交互に取るのが”基本”ではあると思います。
この基本にのっとるならば、質問者さんが挙げられた
「ZWIFTで1時間程度のワークアウトやヒルクライム」を行った結果、
次の日に疲労感が残っているなら「休息するべき」なのかもしれません。
私もそのように考えていたのですが、最近は考えが変わりました。
「疲労感が多少残っていたとしても、練習したほうが強くなれる」
今ではそのように考えています。
少し前までは基本通り「練習と休息」を重視して、
多くても月1500kmぐらいまでしか乗っていませんでした。
それでも大会で入賞できる程度には速くなれていましたから、
あまり「練習量を見直そう」という考えは浮かんでこなかったんです。
ですが、少し前の3月、ZWIFTに取り憑かれまして
バーチャル内ですが、距離3206km、獲得55013m乗りました(←ただの馬鹿w)。
その間、あまり”頻度”や”疲労”などは気していませんでしたが、
かつて感じたことが無いレベルまで「持久力」「パワー」は向上。
当たり前ですが、これだけ乗っていれば体型も自然と絞れてきます。
そして、その良い流れのままに
伊吹山ヒルクライム2位という望外の結果につながりました。
>筋肉に疲労感があると、どうしても
「この状態でトレーニングをしていいのか?」という疑問が生じてしまいます。
質問者さんのこの疑問に対して、
先ほどの自身の経験から思うことは、
「練習と休息はセット」は押さえておくべき基本ではあるものの、
さすがに「筋肉に疲労感が残らない」状態まで休むとなると、
どうしても”練習量”を減らさざるを得ず、
ある一定以上のパフォーマンスは期待しづらいということ。
そして、筋肉の疲労が多少残っていたとしても、
「強度」や「距離」にうまく強弱をつけながら、
なるべく頻度を高く練習するのが一番強くなれると思います。
モチベーションを高く保ち、
練習を習慣化するのは簡単ではありませんが、
できれば”毎日”乗るのがベスト。
「そんな乗り続けると疲労がたまりすぎる」と言われてしまいそうですが、
常に全力ではなく、「強度」や「距離」を調整して取り組めば、
毎日負荷をかけながら、同時に回復して強くなっていくことは十分に可能です。
(この理論は、以前オススメした本『ピーキングのためのテーパリング』も参考になるかと)
また、不思議なことですが、毎日乗り続けていると、
疲労に身体が適応し、徐々に苦ではなくなってきますよ(^^)
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いつも楽しく拝見させていただいています。
ホイールの重量についてちょっと気になったので個人的な意見を書かせてください。
>同じ重量のものを、同じ高さまで上げるのに必要な運動エネルギーは、
回転していようが回転していまいが、ほとんど変わらないはずだから
回転以外の部分を動かすのに必要なのは位置エネルギーだけですが、
回転部分は追加で回転のためのエネルギーが必要になるのが違う点かと思います。
これが加速のたびに必要になるので、一定速度の巡航では影響が少ないですが、
速度が細かく変わるような状況だと効いてくると思います。
>1450gの50mmディープリムと、1100gの24mm軽量ホイールで同じ峠を登った際、
-350g以上のタイム差が得られる現象は起きなかったから(厳密なテストではないですが)
50mmディープリムはおそらく高価なものと思いますが、
剛性や空気抵抗の点で有利なので、重さを相殺しているのではないかと。
>回転部分は追加で回転のためのエネルギーが必要になる
>50mmディープリム・・・剛性や空気抵抗の点で有利なので、重さを相殺している
しめぞうさんのおっしゃる通りですね!これらの影響の数値的データがあったりすると、より正確で深い考察ができて面白そうです。貴重なご意見有難うございます(^^)