6日前:富士ヒルを想定した練習

富士ヒル6日前の月曜日、本番を見すえた体力測定を実施。

 

73分8秒/303w

この時点で65分切りが実現可能な「パワー持久力」が備わっていることを確認。

となれば、残りの5日間はさらに身体能力を高めようとはせず、
「このパワー持久力をいかにして本番で100%発揮するか?」
という頭へとシフト。

 

その結果、

火曜:ベースライド90分(約200w)
水曜:インターバル練習(レース中の強度の緩急に対応できるようにする目的)
木曜:低酸素スタジオでの練習(高地順応)
金曜:流し

というトレーニング計画を立てました。

4日前:インターバル練習

「15秒/440w⇔45秒/245w」を44本

 

富士ヒルの基本は「集団走行」

そのためには、急勾配での集団のペースアップに喰らい付かなければなりませんし、
中切れが起きた際には、そのギャップを埋めるべく脚を使わされる事もあるでしょう。

 

ですから、そういった強度の緩急に対応できるようにしておくべく
ショートインターバルトレーニングを実施。

ただし、疲労が溜まりやすい練習なので限界量の75%ほどで。

 

「”強度”は普段通り、その代わり”量”を少なめにして疲労を溜め過ぎないように」

 

本番が近づいてきたら、こういった意識で練習内容を決めてますね(^^)

2日前:低酸素スタジオ

Mt.富士ヒルのために高地トレーニング本をかき集めた【高地順応】

標高の高く、空気の薄い場所で行われる乗鞍富士ヒルでは、
レース中盤以降、普段感じないような息苦しさにやられました。

いわゆる「高山病」というやつ。

 

  • 普段過ごしている場所の75~80%の酸素濃度しかない
  • 普段の練習以上に長時間・全力で追い込む

 

そんな状況下で普段通りの出力を出せるはずもなく……

何の対策もしなければマイナス数十wの手痛いデメリットをこうむります。

 

 

だから、富士ヒルへとエントリーした直後、
国内の高地トレーニング本をかき集めて一通り勉強したんです⇩

Mt.富士ヒルクライムのゴール地点の標高は2,305m。標高0mと比べて酸素濃度は76%。国内舗装道路最高点2,716mである乗鞍ヒルクライム山頂に至っては73%しかありません。 こんな非日常の過酷な環境下で、さらに心肺機能、筋肉を限界まで追い込むのだから、まともなパフォーマンスを発揮できる方が難しいでしょう…… 以前、ジム併設の「高地トレーニングスタジオ」を利用したことがあります。初めてそこでトレッドミルを走った時、たった30分間、ジョグより少し速い強度だったにも関わらず、いつも以上に息が上がりやすく、また終...

 

ひとまず全てに目を通したのですが、これらの本にほとんどが
「長期間、実際の山or低酸素空間で過ごす高地順応」に関する内容だったため
大半があまり参考になりませんでしたね…(笑)

 

ただ、
『高地トレーニングの実践ガイドライン―競技種目別・スポーツ医科学的エビデンス』
という本だけには、私の知りたかった「低酸素スタジオでの短時間練習の効果/データ」
が記載されていました。


 

その内容の詳細については後日しっかりまとめたいと思いますが、端的に言えば
「直前に数回行っただけでも心拍数/SpO2/乳酸値等が改善され、高山病の症状も出にくくなる」
という結果が載っていました。

 

 

 

ならば行かない手は無かろう(• ̀д•́ )✧キラン!

 

低酸素トレーニングは木曜日の予定でしたけど、
「なるべく直前の方が、レース本番まで高地順応は持続するだろう」
「2日前でも、短時間練習ならば疲労はほぼ抜けてくれるだろう」
と考えて、金曜の夜に訪問。

 

本来ならば、すりガラスの奥が低酸素空間となっているのですが、
”三密”を避けるために、

 

「低酸素の空気をマスクに直接送り込む」という方法に変更していました。

 

低酸素空間が理想ではありますけど………まぁこれでも効果は得られるでしょう。

それに低酸素空間とは違って標高4000m相当の超酸素を送ることも可能!(死ぬわw)

 

Mt.富士ヒルクライムのゴール地点の標高は2,305m(酸素濃度は標高0mの76%)

身体に強い低酸素負荷を与えるため
ちょい高めの3000m相当にて、32分間のトレーニングを開始。

 

 

ぜぇはぁぜぇはぁ……こっ、こりゃ地獄だわ、、、

 

  • 1セット目:10分Max⇒2分レスト
  • 2セット目:8分Max⇒2分レスト
  • 3セット目:4分中~強強度⇒4分Max⇒2分ダウン

 

始めは単に「30分追い込み続ける」つもりでした。

ですが、ものの数分で
「低酸素」+「マスクによる空気の吸いづらさ」のWパンチが想像以上の苦行だと気づく……

到底30分連続は不可能だと感じ、急遽セット練習へと変更。

 

それでも本能的にマスクを外してしまう程にはキツカッタデス……(´ཀ`)ゲファ

親指に装着していたパルスオキシメーターのSpO2は63%まで低下していました。
(標準空間ではどんなに追い込んでもSpO2は90%止まり)

 

 

で、結局のところ、この低酸素トレーニングは富士ヒルに役立ったのか?

 

 

それを先に話しておくと、
今回のレース中、これまで経験したような「酷い息苦しさ」「出力低下」は起こりませんでした。

終盤にわずかに酸素の薄さを感じたり、一度頭が”クラッ”ときた程度で、
それがパフォーマンスへ影響することはなかったですねぇ~(^^)b

 

今回初の試みだったこの低酸素トレーニングが、
65分切り成功の大きな要因になったと感じています。


レース前日:会場へと出発!そして宿を見て愕然とする…

8時40分頃、大阪から出発。

ヒルクライムレース”いつ面”の
岩城さん(担当リーダー)
梅ぴょん(担当カツオ君)と同乗。

横田プロ(担当お笑い、シモネタ、トラブルメーカーetc)は別の車で父親と。

 

浜松SAにて昼食。とり天うどん

 

前日の昼だったら「炭水化物多めの物」ぐらいの意識でOKでしょう!
(久しぶりの揚げ物で、ちょい重かったですけどw)

 

14時40分、貸別荘『Garden Villa』へと到着。

元々は、とある会社の別荘だったらしいのですが、
数年前より一般向けの宿泊施設へと変わったのだそう。

 

ここは受付/スタート会場まで約700mの神立地のみならず、

 

ベッド8つ、バルコニー付き4LDKという夢の間取り。

 

ここはもしや天国……天国なのか!?ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 アワワアワワ

こんな良い場所、普通の旅行でも泊まったことねーや(笑)

 

 

荷物を置いて一息ついた後、歩いて会場へ。

色んな展示ブースに寄りつつ、前日受付を済ませます。

 

「INEOS 1:59プロジェクト」(マラソン2時間切り)でも話題になった
エネルギー補給『MAURTEN』(モルテン)

 

炭水化物の”ハイドロゲル化”によって
通常の3倍のエネルギー吸収効率を誇るスポーツドリンク/ジェルです(゚д゚)メチャアマー
(そのメカニズムに関してはこちら

 

1時間程度のヒルクライムなら不要ですけど、
「ツール・ド・おきなわ」なんかの長距離レースでは使えそうだと思いました!


 

 

会場を後にして、夕食を食べに車でサイゼリアへ。

 

うんめぇ~~~(๑´ڡ`๑)モグモグ

 

イカの墨入りスパゲッティ。

全体的に脂っぽそうな料理が多かったのでコレにしたのですが、
”海の風味” ”上品な塩っけ” ”旨味感じるイカ墨”

見た目の奇抜さとは裏腹に味は最高!リピ確定の絶品でしたね。

 

宿に帰ってからはチャチャッと当日の準備。

 

その後、寝るまではベッドで超リラックスしつつ、
皆でたわいもない話で歓談してました。

 

その間に……

 

気持ちばかりのカーボローディング。

塩豆大福3つをむさぼる。

 

 松木です。 https://youtu.be/ICk3aID5xLsアワーレコードシリーズ最終回『本番編』です。 【これまでの記事】   アワーレコード直前の10分間4時30分に起床。「食事」「諸々の準備」「ウォ―ミングアップ」を済ませたCampenaertsが、スタート10分前の10時50分に会場入り。 ベロドローム内は30℃と気温は高め。暑さはパフォーマンスに大きな影響を及ぼすため、アイスジャケットとアイスアームカバーを装着して、スタート前の体温を下げておきます。 そして、鼻に突っ込んでいるのは、おそらくメ...

 

アワーレコード保持者のカンペナールツいわく、
「60分間の努力でも、筋肉にフルチャージしておく必要があるんだよ!」

 

具体的には、1kg体重当たり10~12gの炭水化物。

コンビニおにぎり17.6~21.2個(1個ご飯110gとして)
カレーライス6.5~7.8杯(1杯300gとして)

 

 

自分もこれほど大食いしたりはしないにしても、
ヒルクライム前日は「もう食べれない…」となる程にはお腹いっぱい食べてました。

ですが今回は
「普通+αの量」「なるべく炭水化物の割合多め」の2点だけを意識。

 

特に激しい減量とかしていない状態ならば、この食事法が
「パワー持久力UPのメリット」「体重増のデメリット」のベストバランスかと。
(最近、あらゆる物事に関して「極端な事はしない」ようにしているのもある)

 

 

………さてと、そろそろ寝ますか(~0~)フワ~

9時45分ぐらいに就寝。

レース当日~スタートまで

まずは朝食と朝風呂

3時30分起床。

アンパン食ってる梅ぴょんも眠そうだ(笑)

 

受付の袋に入っていた富士吉田名物「吉田のうどん」

お土産のつもりで入れてくれてたのかもですが、私は朝食にしましたよw

 

別荘には調理器具が一通り備わってたのもラッキーでした(^^♪

 

前日食べたSAような一般的なうどんとは違って
ツルツルした中に”小麦っぽさ”も強く残った食感と風味。

これが”生うどん”というやつか……

カツオ風味のダシもよう効いとるわいっ!

 

ご馳走様でした!!!

ほぼまるまる炭水化物で700~800kcal。

こりゃかなり理想的でしょ!ぜひ来年も入れて欲しいですねぇ~

 

 

食後、5~6分ほど湯船に浸かって身体を温めました。

 

この日の富士吉田市の天気予報は確か
曇り一時弱い雨(9~13時頃)、気温11~19℃。

 

普段は朝風呂なんて入らないんですが、
「深部体温を上げてウォーミングアップ代わり」として。

結果的にはこの朝風呂によって
身体が”シャキッ”と起きた感じがしたので正解でした(^^)b

当日に使った機材/アイテムなど

 UCIコンチネンタルサイクリングチームであるマトリックスパワータグが、Jプロツアー第3、4戦での各選手のタイヤタイプ/空気圧を公表しました↓昨日のJBCF座談会でも、松木さんが質問されていた内容になりますが、こちらはチームメカニックがまとめた空気圧データになります。この空気圧データを公表するにあたり、安原監督からも参考になればということと、公表させて頂くと同時に拡散され、さらに落車が減れば幸いです。(個人差はあります) https://t.co/SorWzxSDan pic.twitter.com/tzNb21CAw8— 吉田隼人(YOSHIDA HAYATO) (@H...

 

空気圧が高くしても良いことなどありません。

なので、ヒルクライムと言えど低めにします。

 

【タイヤ】Continental『GP5000 CL』25c
【空気圧】フロント6.0bar、リア6.7bar

 

私は元々後ろ加重気味のポジション。

加えてヒルクライムの勾配で余計に後ろ加重となるため、
前後でだいぶと差がつきました。

 

グリコパワープロダクション『EXTRA OXYDRIVE』

併催イベント「3776mチャレンジ」でいただいた試供品を
2週間前からせっせと摂取していました。

はっきり言って、実際の効果のほどは分かりません。。。


 

 

続いて、横田さんと一緒に
脚全体にイナーメオイル『Indoor Racer』
肌が露出している箇所に防水ジェル『Rain Gel』を塗っていきました。

 

これも朝風呂と同じく「ウォームアップ」「寒さ対策」として。

塗って速くなることはないですが、塗らずに遅くなることは防げます。

そう考えると、やはりこれも必要な作業。

 

足裏までしっかり塗ってた横田さん。

ワイの部屋にオイルの足跡を残していきよったで…(#^ω^)ピキピキ

 

でも『Rain Gel』を借してくれたから許す!!(笑)


 

 

レース55分前、最強の秘密兵器『BOOST SHOT』をキメる!!

このドリンクに関しては3本記事⇩を書いてますんで、ここでは割愛。

効果を確実に体感できる数少ないアイテムなので、ぜひ一度お試しあれ!

 

カフェインの効果を最大化することを目指した清涼飲料水。それがマトリックスパワータグ吉田隼人選手が手がけしBOOST SHOT(ブーストショット) 少しばかり説明続きますから、先に要点をばw 運動機能向上必要量とされるカフェイン180mgを含み、 ガラナが、そのカフェインの効能の持続性を高め、 タウリンやビタミンCが、カフェインの内臓への攻撃性を抑え込む(function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b=b||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts;(b.q=b.q||).push(arguments)};c.getEl...

レース直前~開始

5時40分、会場にて検温チェック。

レース開始は6時30分でまだ少し間がありましたから一旦宿へと戻ります。

残っていた大福1個半をムシャムシャしたり、トイレをしたり。。。

 

 

「よっしゃ!行くか!٩(๑`^´๑)۶ フンッ」

 

レース20分前に宿を出発。

会場までの緩い坂、2分強強度(感覚400w近く)で踏んで心肺に一度負荷を与えておく。

 

15分前にスタート地点へと到着。

 

周囲を見渡すと、
誰もが知っているような有名なクライマーやら
よくシェイプアップされた強そうな選手の方々。

 

「自分はこの人たちと渡り合えるのだろうか?」

 

なんだかここに立っているのが分不相応な気がしてきました……

 

 

 

………いや、

 

 

きっとそうじゃないはずだ!

 

 

 

この1ヶ月は十分トレーニングを積めていました。

 

富士ヒルにピッタリな機材Lun『Hyper』の発掘や
これまで知らなかった『BOOST SHOT』の導入。

 

特に直前の低酸素トレーニングなんて、
ほとんどの選手が行っていないでしょう。

 

前回走った当時の動画を見返してイメージトレーニングもできている。

 

 

だからこそ己を信じられ、多少なりとも自信を持つことができました。

 

 

パーーーンッ!!!

 

定刻の6時30分、富士の曇天をつんざく号砲が鳴った。

 

「さぁ!4年前に残した『ゴールドリング獲得』という宿題を片づけるときがやってきたぞ!」

 

レースレポートへと続く……


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