松木です。
中京地区最大の自転車イベント「名古屋サイクルトレンド」に行きました。
ドーム半分を利用した、そこまで広くない会場でしたが、
主要メーカーは揃っていて密度は濃かったです。
今回も試乗した車体は15台。
TIME『ALPE D’HUEZ』をメインに
「他の気になる車体も乗ってみた」チョイスです。
- TIME『ALPE D’HUEZ』
- RIDLEY『HELIUM X』
- RIDLEY『FENIX C』
- BIANCHI『ARIA』
- FELT『FR1』
- SPECIALIZED『VENGE VIAS』
- SPECIALIZED『ROUBAIX』
- SPECIALIZED『TARMAC』
- LIGHTWEIGHT『URGESTALT』
- BASSO『DIAMANTE SV』
- PINARELLO『DOGMA F10』
- PINARELLO『GAN RS』
- TOMMASINI(トマジーニ)『SINTESI』
- GUSTO(グスト)『RCR TL』
- FUJI『TRANSONIC』
試乗できる車種は「サイクルモード」以上に思えましたし、
試乗コースも比較的長くて、車体の特徴をつかみ易かったですね(^^)
目にした「最新アイテム」の紹介を間に入れつつ、
試乗した15台に感じた素直な印象を3回に分けて話していきます。
そして、最後には
「フレーム」と「ホイール」別々に、ベスト3を決定しようと思います。
【中編、後編】
『Venge Vias』 『Roubaix』『Tarmac』『ウルゲシュタルト』『Diamante SV』
『Dogma F10』 『GAN RS』『SINTESI』『RCR TL』『TRANSONIC』
【他の試乗インプレ】
『Colnago C64』『Ciel』『Farna Ultimate』『Kougar』
『Agree C:62』『Propel Advanced Pro Disc』『百式』
デローサ『プロトス』3T『ストラーダ』Macchi『R9』
『785 Huez RS』 『KHAN』『Oltre XR3』『XR4』『Specialissima』。
『Concept』 『V2R』『O2』『One』『Nemo Tig』。
『Izalco Max Disc』 『AR FRD』『Izon』『Orca Aero』『Noah SL』。
『SCYRON』『ORCA OMR』『TCR Advanced Pro Disc』『Carbonex HR』『Carbonex』
『FRTC01チタン』『MADONE 9.9』『新型Emonda SLR』『新型R5』『新型S5』『XELIUS SL Ultimate』
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目次
サンボルト『S-RIDE』実物インプレッション
少し前、サンボルト「S-RIDE」シリーズを紹介しました。
サンボルトの新ジャージ「S-RIDE」の”謎の模様”が気になるんだが‥‥
『STジャージ』の腕部分に見られた縦縞は、
やはりBIORACERの『Air Stripe』と同様の
”エアロ効果”を意識したものでした。
こんな風に、縞模様の部分だけ薄くなっています。
こちらの「長袖ワンピース」。
まだ大々的に発表されておらず、
カタログにも掲載されていない”TTモデル”。
このTTモデルには、
「腕」「背中」全体に縦縞が入っていました。
その他の部分はツルツル生地で、
現行「PROfitライトワンピース」の後継モデルと言えます。
他の「S-RIDE」も全種展示あり。
手前から順に
「SSジャージ」「メッシュセパレートワンピース」
「STジャージ」「SLジャージ」。
使用してる生地は、見事なまでにバラバラです。
メッシュの粗さ(=スケスケ具合)は
「SLジャージ」>「メッシュセパレートワンピ」>「STジャージ」>「SSジャージ」
「SLジャージ」と「メッシュセパレートワンピース」は
普段着としてはNGなほど透けており、完全なレース仕様。
「STジャージ」と「SSジャージ」も前面メッシュですが、
薄い色でなければ許容範囲の透け具合に収まっており、
この2種類のほうが汎用性は高いでしょう。
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試乗インプレッション前編
タイム『アルプデュエズ 01』 推定150万
【加速性】8.5点
【剛性】8点
【振動吸収性】8.5点
【巡航性】9点
【お気に入り度】9点
(※8点で「なかなか良い」)
【2018年モデル】TIME『アルプデュエズ』叡智の結晶たる超軽量バイク
フレーム重量840g(Sサイズ)。
「重量剛性比」は『Scylon』や『Izon』以上。
これだけ聞くと、
「硬い」「軽くて”スカッ”と加速するバイク」に思えますが、
実際に乗ってみると違いましたね。
”脚当たりがソフトで気持ち良い”
これが第一印象です。
”バネ感”と言えるほどは強くたわまないものの、
「適度にしなっている」のは感じ取れました。
おそらくは、ペダリング時に発生する絶妙な”しなり”が
「脚当たりの良さ」の一番の要因になっているのだと思います。
それから、
一番強く入力する3~6時のペダリング区間が軽く感じました。
これは稀に得られる感覚なのですが、
『アルプディエズ』の場合、
「ペダル入力→適度にしなる→その反発力が推進力へ」
この一連のタイミングが上手く計算されているんでしょう。
「高剛性」にしてロスを減らすのも「パワー伝達性」を高める一手段。
ですが、『アルプディエズ』の場合、
独自の”しなりの技術”を十分に活かすことで、
高い「パワー伝達性(=推進力)」を発揮させながら、
両立の難しい「乗り味の良さ」も備えていると感じます。
『アルプディエズ』なんて名前が付けられているから、
「峠専用機なんじゃないか?」と想像してしまいそうです。
ですが、「ペダリングの軽さ」から平地でも好印象でしたし、
適度に”しなり”を生んでくれるフレームは、
脚が消耗した後半のペースダウンを抑えてくれるはず。
TIMEの味が滲み出た、長く愛用できるだろう万能機でした。
リドレー『ヘリウムX』推定60万
【加速性】9.5点
【剛性】8点
【振動吸収性】8.5点
【巡航性】9点
【お気に入り度】9点
(※8点で「なかなか良い」)
この車体が、今回No1の”ダークホース”でしたね。
『ヘリウム SLX』の下位グレードモデルにも関わらず、
それを全く感じさせない高度な運動性能。
ハンドリングにクセは無かったですし、
「微振動」「突き上げ」ともにうまく減衰させていて、
乗り心地も申し分ありません。
まさに死角のない”完璧なまでのバランス”。
これだけ乗ると「『ヘリウム SLX』は必要なの?」と感じてしまうほど。
FFWD「F3R-FCC」(30mmハイト、22.4mm幅)。
このホイールが秀逸。
似たようなスペックの手頃なカーボンホイールは多々ありますが、
「俊敏性」という点で、それらとは明らかに一線を画しています。
踏み込み時に感じるダイレクトな反応は最高。
以前、『F4R』を試乗した際にも感じましたが、
最近のFFWDはお世辞抜きで良いと思いますね。
リドレー『フェニックス C』28万
【加速性】7点
【剛性】7.5点
【振動吸収性】8点
【巡航性】8点
【お気に入り度】7点
(※8点で「なかなか良い」)
完成車販売セット。
一言で言ってしまうなら、
『ヘリウムX』の気持ち良さを取っ払ったバイク(笑)
フレームの”素材”と”形状”を変更することで
より「快適性」を重視したコンフォートモデルですが、
日本のきれいな道路であれば、
「『ヘリウムX』+カーボンホイール」の組み合わせで事足ります。
むしろコンフォートに振った分、
「反応性」が下がるデメリットのほうが大きい気がします。
「WH-RS010」は”重い”といった印象しか受けず、
「とりあえず付いているホイール」で、いずれの交換は必須。
総合的に考えて、この完成車で「28万」という価格に魅力は感じません。
ビアンキ『アリア』30万
【加速性】7点
【剛性】8点
【振動吸収性】7点
【巡航性】8.5点
【お気に入り度】7点
(※8点で「なかなか良い」)
【2018年モデル】ビアンキのフルエアロロードバイク『AIRA』のインプレ。
乗った瞬間に感じたのが、
ハンドリングがクイックだということ。
トライアスリートを視野に入れたエアロロードのため、
「直進安定性」は高いのかと思いきや、ハンドルはフラつき気味‥‥
速度を上げてみても、この感覚は変わりませんでした。
それから「振動吸収性」は微妙。
25cタイヤを履いていましたが、
路面の振動が”コツコツ”と細かく伝わってきます。
『ARIA』は、
「価格は押さえたいけども、速く走りたい人」をターゲットにしているため、
振動減衰素材「カウンターヴェイル」は採用されていません。
「振動吸収性」の低さは、その影響もあるでしょう。
ホイールは、
2kg近いセミディープリムVision「Team 30 Comp」。
動きは鈍いものの、エアロフレームと合わせて「巡航性」は高め。
『ARIA』の良かった所はここだけかな‥‥
この完成車に30万払うなら、
+6万払って『オルトレXR3』の完成車にするのが良い選択。
『オルトレXR3』のほうが、あらゆる面で上です。
今回の『ARIA』で、
一通りのビアンキバイクに試乗したことになりますが、
『XR4』『XR3』の”Oltreシリーズ”は良い。
『スペシャリッシマ』『ARIA』はイマイチ。
自分の中では、はっきり二分されましたね。
フェルト『FR1』推定70万
【加速性】8点
【剛性】8点
【振動吸収性】8点
【巡航性】7.5点
【お気に入り度】8点
(※8点で「なかなか良い」)
『FR1』のフレーム全体に
ブロック柄が特徴的な「テキストリーム」が使用されています。
通常よりも「エポキシ樹脂」の必要量が少なく、
軽く、そして高剛性に作り上げることが可能となるカーボン素材。
『FR1』は、この「テキストリーム」のグレードを抑えることで、
『FR FRD』よりも低価格化も実現したモデルです。
また、『FR1』は
Jプロツアー「弱虫ペダルサイクリングチーム」
に供給されているフレームでもあります。
試乗した素直な感想は”可もなく不可もなく”といったところ。
欠点は見当たらないものの、
その反面で特筆すべき性能も感じませんでした。
これは、特徴の薄い「RS81-C24」が装着されていたことが大きい。
フレーム自体のポテンシャルは高そうに感じましたから、
20~30万クラスのカーボンホイールに入れ替えれば、
印象はグッと良くなるのではないかと思います。
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