松木です。

 

「ご相談・お問い合わせページ」に寄せられたご相談の中から
皆さんの役に立ちそうなものをピックアップしてお届けするQ&A第五弾
(※必要に応じて一部加筆・省略・修正)

 

今回は「ホイール」「軽量化」「ビッグプーリー」「継続力」に関する質問。

 

第一弾「Mt.富士ヒルで最速のホイール組み合わせは?」など
第二弾「回転部とそれ以外の軽量化の違い」「10万のカーボンクリンチャー」
第三弾「40mm VS 50mm」「ローラーでフロントを上げるべきか?」「Cervelo『S5』」
第四弾「ヒルクライムのドラフティング効果」「2:1組」「ポジションの出し方」
第六弾「楕円ギア」「高剛性フレーム」「ホイールバランス」「パワメの必要性」
第七弾「ブレーキ音鳴り解消」「ディスクかリムか」「オススメのチューブ」
第八弾「強豪が何故クリンチャー?」「プロのホイールバランス」「エンドワッシャー」

 

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【ホイール】軽量高剛性ホイールは速い?

Q.「ホイール剛性とタイム差」について 一つの質問があります。

 

「剛性」不足によりシュータッチしてしまったり、
「転がり抵抗」に影響が出るほど変形してしまうものは論外として、

「ホイール剛性」は体感ほどタイムに影響しないのではないかと…
(ヒルクライム等の一定ペースで走る場合は特に)

 

「超軽量&高剛性」の代名詞であるLightweight

そう考えると、
「高剛性、そしてなるべく軽量なホイールを履けば速くなれる」
と思うのは、ただの妄想なのでしょうか?

 

ご見解をお伺いできればと思います。

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A. おっしゃられる通り、簡単にシュータッチしたりするような
はっきりと剛性不足なホイールは、やはり良くないと考えます。

 

走りに”もっさり感”が出てしまいますし、
変形しすぎる物体は、そこでエネルギーロスが生まれますから、
その分推進力が失われてしまうのは、れっきとした事実でしょう。

 

ですから、自分も昔、質問者さんと同じく

「高剛性で軽いホイールを履けば速く走れるのでは?」

と考えました。

 

「超軽量&高剛性」の代名詞であるLightweight

そこで、羽が生えたように軽やかに走れることを夢見て、
「超軽量&高剛性」の代名詞であるLightweightに手を出すことに。

 

大金を払って購入し、実際に装着された車体を眺めてうっとりし、
そして、ワクワクしながら、坂へと走りに行きました。

 

ですが、

 

 

「確かに坂での走りは軽いけど、思ったほどでないかな……」

 

 

期待しすぎた部分もあったのかもしれませんが、
それを抜きにしても「価格に見合っていない」というのが素直な印象。

 

「軽量化」「高剛性によるパワー伝達性の高さ」の効果はあるはずですが、
元のホイールがそこそこ良かっただけに、如実にタイムアップすることも無く。

 

 松木です。 以前、Lightweightホイールを使っていた時期がありました。 やっぱりロード乗りとしては、誰しもが憧れるホイールですし、大枚はたいて試してみたんです。 その時、使用した印象を一言で表すなら、  ”楽しくない”  期待していただけに、ち~んという感じでしたね(^^; なぜそんな風に思ったのかを今回、包み隠さず話すとしましょう。 ライトウェイトの中身先にライトウェイトホイールの基本知識を少し。 ◆2017年度のラインナップ↓ ◆リムの構造↓ 強化ウレ...

 

改めてLightweightの乗車インプレを読んでみても、「坂は軽やか」と話す反面、
やはり「楽しくない」「平地が遅い」などのネガティブな感想が多いですね(^^;

 

 

>「高剛性、そしてなるべく軽量なホイールを履けば速くなれる」
と思うのは、ただの妄想なのでしょうか?

 

以上の経験から、この疑問に答えさせていただくならば、

「「高剛性」「軽量」だけが速いホイールの条件ではない」

 

ロードバイクホイール 風洞実験

そして、速いホイールの条件は、「剛性」「軽さ」の他に、

「リムの空力」「スポークの空力」「リムの慣性」
「振動吸収性」「ブレーキング性能」「ハブの回転」

 

例えばLightweightの場合、
あまり「空力」が良くなく、一人で走ると「減速感」は大きめです。

おそらくリムが軽くて慣性が働きづらい上、
リム形状も空力学的に優れているとは言えないからでしょう。

 

「乗り心地」もそこまで良いホイールとは思えませんし。
(「乗り心地」は結果的に”速さ”にもつながります↓)

 松木です。 前回、タイヤの「転がり抵抗」の主な要因が、「タイヤと地面との摩擦による抵抗」ではなく、タイヤが地面と接地し、変形した際に発生する熱によるエネルギー損失、つまり「ヒステリシスロス(内部損失)」だという話をしました。  そして、さらに最後には、「転がり抵抗」=「ヒステリシスロス」+「インピーダンス」として、「インピーダンス」という要因にも触れて終わりました。 今回は、この「インピーダンス」にフォーカスした話。 【タイヤ熟考Ver3の記事】 インピーダンスの概要...

【軽量化】「体重」と「機材」のタイム短縮効果の違い

【軽量化】「体重」と「機材」のタイム短縮効果 ロードバイク

Q. 同じ1kg軽量化するなら、「体重」と「機材」でタイム短縮効果は同じですか?

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A. 物理的に考えると、
同じ重さの物を同じ高さまで上げるのに必要なエネルギーは同じため、
「タイム短縮効果は同じ」です。

 

ですが、現実としては、話はそこまで単純ではありません。

 

【軽量化】「体重」と「機材」のタイム短縮効果 ロードバイク

まずは「体重」

 

体重が軽くなれば、ペダルにかかる荷重が小さくなり、
その分「パワー」は必ず落ちます(ダンシングでは特に)。

 

【軽量化】「体重」と「機材」のタイム短縮効果 ロードバイク

また、脂肪のみを落とす長期的な減量であれば問題ないのですが、

食べる量を極端に減らす短期間の減量(2㎏以上/月)の場合は、
「筋肉=パワー」「持久力」は低下、さらに「健康」「精神状態」も悪化し、
結果的に速くならないこともしばしば。

 

つまり、「体重の軽量化」の中だけで考えても、
やり方次第でタイム短縮効果は大きく変わってきます。

 

 

続いて「機材」

 

【軽量化】「体重」と「機材」のタイム短縮効果 ロードバイク

自転車が軽いに越したことはありませんけど、
軽量であるほど、性能面で”犠牲”を払わなければなりません。

そう考えると「軽量化」にも限度はあるでしょう。

 

軽すぎることのデメリットは色々と考えられますが、
特に「剛性」を著しく低下させてしまう軽量パーツはダメですね。

 

例えば、「軽さ」のみを追求しているようなホイール、
”チタン+カーボン素材”のクイックリリース等を取り付けると、
(体重にもよりますが)「剛性」が足りずに推進力が逃げるのを感じます。

 

また、軽くて頼りないフレームやハンドルの場合、
「コーナーやダウンヒルが怖くて減速してしまう」のであれば、逆に遅くなりますし。

 

 

以上をまとめますと、

『「機材と体重の軽量化のタイム短縮効果の違い」は物理的には同じだが、
実際の所、軽量化の方法や箇所により、大なり小なり効果の違いはある。』

 

そして、軽量化の効果を最大化したいならば、

『「体重」は長期的に脂肪だけを緩やかに落とす、
「機材」は必要な性能(特に「剛性」)を損なわない範囲で取り組む』

 

なにも複雑なことじゃないですよね(^^)

 

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【機材】ビッグプーリーは実際どうなの?

ビッグプーリーって実際どうなの? 効果 変速

Q. ビックプーリーを買うかどうかで悩んでいるのですが、
松木さんの意見を聞いた上で買うか買わぬか決めたいので、ご教授お願いします!

 

コンポがDURA-ACE 9100なのでRIDEA『RD6 C38』を考えてるのですが、
ネットで調べると、

「変速が悪くなる」「変速が良くなった」
「ビックプーリーをつけても何も変わらなかった」
「巡航速度が上がった」「坂が楽になる」

 

いろいろな意見があるので迷ってます!

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A. >「変速が悪くなる」

ビッグプーリーの取付位置選択、チェーンの長さ、スプロケと上プーリーとの距離など、
調整さえしっかりすれば、変速性能が悪くなることは無いというのが、基本的な自分の考え。

 

 松木です。 今回は、RIDEA『C88 AERO』を取り付けて、「ビッグプーリーは駆動抵抗が小さいのか?」ということを確認してみます。 【関連記事】【実走インプレ】RIDEA『C88 AERO』はビッグプーリーの最終到達点。極ビッグプーリーRIDEA『C88 AERO』登場!プーリーまでカーボン製という‥‥ビックプーリー頂上決戦。大手7社20種類を徹底比較してみた。 RIDEA『C88 AERO』について DURA-ACE「RD-9070」のケージが41gなのに対し、リデア『C88 AERO』の実測重量は88g。大きいので、多少重いことには目をつぶりましょう。...

 

愛用中のRIDEAビッグプーリーなんかは、十分考えられて設計されており、
純正と比べ、変速性能は100%維持している(かそれ以上)と感じています。

 

「悪くなる」という方は、ベストな調整になっていないからだと思いますが、
もしかすると、自分が把握していない原因があるのかもしれません。

 

>「ビックプーリーをつけても何も変わらなかった」「巡航速度が上がった」「坂が楽になる」

高価なセラミックスピードのものでさえ最大2w強の削減ですから、
(装着前と後でクランクを逆回転にしたとき、僅かに軽やかに回る程度の差)
むしろ「楽になった」とハッキリ感じられるほうが不思議なことです。

 

ですから、期待しぎるとガッカリしてしまうかもしれませんね……

 

ただ、ペダリング中、常に1~2w削減できるというのは、
限界強度で争うレースにおいては無視できず、
千切れる、千切れないの瀬戸際になりえるのではないでしょうか?

 

ちなみに、自身の体感は「そこはかとなく軽い」ぐらいのものです。

 

決して費用対効果は大きくないため、
声を大にして「取り付けるべきだ」とまでは言えませんが、
少なくとも個人的には気に入ってますし、今後純正に戻す気もありません。

 

【レースレポ3】ツール・ド・おきなわ 市民140km ~レース後の追憶~

そう言えば、ツール・ド・沖縄の際、5人中4人がビッグプーリーでしたね(笑)

【継続力】ZWIFTを続ける秘訣は?

Q. 雨の日や仕事終わりの夜など、外にてロード乗ることが出来ず、
以前オススメされていたZWIFTを導入いたしました。

 

しかし、30分のワークアウトでさえ飽きてしまうことがあります。

 

”続ける秘策”なるものはあるでしょうか?

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【モチベーション】ZWIFT Japan Zwift Hill Climb Race

A自分は今年頭からZWIFTを始めて、いまだドハマリしてます(笑)

 

ZWIFTに限った事ではないですが、

「自然と行いたくなるモチベーション」

これを見つけることが大事だと思いますね。

 

 

ZWIFTを始めてからのおよそ4か月間のモチベーションは、
「レベル上げ」「ジャージの収集」「ZWIFT完全攻略データベースの作成」。

 

そして、これらを一通り終えて以降のモチベーションは主に「レース」です。
(常に「イベント」「ミッション」「新機能」が追加され続けていて、
それらに取り組んでいれば、ある程度”マンネリ化”を防げます)

 

【モチベーション】ZWIFT Japan Zwift Hill Climb Race

どのレースでも楽しめるのですが、

水曜5時10分開催の「Japan Zwift Morning Race」
木曜19時5分開催の「Japan Zwift Hill Climb Race」

この2つは日本人強豪ズイフターが集い、猛烈に熱くなれますね(^^)

特に「Japan Zwift Hill Climb Race」は、現実のレース並みに全身全霊。

 

 

>続ける秘策なるものはあるでしょうか?

上記はあくまで自分のケースですが、
”モチベーション”になるのであれば、何でも構いません。

 

【モチベーション】ZWIFT Japan Zwift Hill Climb Race

”食欲”や”睡眠欲”、そういった生理的欲求に匹敵するような
「行いたい」感情が湧き起こってくるものを見つけること。

 

「よくそんなに頑張って続けられるよね~(^^;」

「やりたいからやってるだけだよ?」

 

そう自然と答えられるのであれば、
モチベーションに満ちた、良い精神状態にあると思います。

 

逆にモチベーションに乏しく、
忍耐、義務感だけで続けるのは限りなく不可能かと。

 

ちなみに「目標≠モチベーション」

「目標」を設定したとしても、
そのために「行動したい」という気持ちが自然と生まれないのであれば、
それはモチベーションにはならないからです。

 

【モチベーション】ZWIFT Japan Zwift Hill Climb Race

あと、モチベーション以外に重要なのは「共有」でしょうか?

 

やはり”孤独”に取り組み続けるというのは、色々と限界があります……

 

そのため、どこかZWIFTチーム、グループに所属したり、
Facebookグループ『ZWIFTライダース (JAPAN)』でやり取りしたりするのは大切。

 

自分が数多くあるレースの内、
「Japan Zwift Morning Race」「Japan Zwift Hill Climb Race」に重きを置いているのも、
「日本人ズイフターと知り合いになれる」という「共有」の面が大きいですね(^^)

 

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